「これが実力差」…天皇杯出場の道途絶える/天皇杯全日本選手権東京都代表決定戦

2011.08.16
 東京都トーナメント学生系の部を勝ち抜いた本学は、準決勝FC町田ゼルビア戦に臨んだ。果敢に攻め込む姿勢を見せるも「試合を通じて主導権を握られる展開」(神川監督)が続き、1-3で準決勝敗退が決まった。
 
 うだるような暑さの中行われたこの試合は、FC町田ゼルビアのキックオフで始まった。立ち上がりから積極的に仕掛けていく明大であったが、この試合の流れを占うかのようにピンチは早々にやってくる。開始5分。前線でボールを奪われ、中央を突破されてしまう。しかし1対1の場面でGK大滝(政経1)が体を張った対応を見せ、事なきを得る。15分にはサイドを突破されてシュートを打たせてしまう。それでも23分、MF矢田(法2)からのスルーパスを受けたFW岩渕(文3)がペナルティーエリア内でシュート。しかしこれは枠をとらえ切れない。30分には岩渕とのワン・ツーから抜け出したFW阪野(商3)がゴール前にパスを送るも中の選手に合わせることができず、惜しいシーンが続く。そんな中迎えた41分には、FC町田ゼルビアによるゴール正面、嫌な位置からのフリーキック。これをきっちり決められ先制されてしまう。終了間際には、最終ラインからのロングボールに抜け出した矢田がセンタリング。ゴール前に走り込んだ阪野にパスを送るもミスを犯し、絶好のチャンスを逃してしまう。そのまま前半が終了。本学は1点ビハインドの状況で折り返す形となる。

 エンドが変わった後半、何とか追い付きたい本学であったが、開始早々からシュートを打たれる苦しい展開となってしまう。15分にはロングボールに抜け出した相手選手にペナルティーエリア内でかわされ、そのまま流し込まれて2失点目を喫した。それでも明大イレブンは、岩渕がペナルティーアーク付近から果敢にシュートするなど諦めない姿勢を見せる。そして30分、左コーナーキックから始まったプレー。ゴール正面での混戦の中でDF吉田(文4)が思い切り振り抜いてシュート。待望の1点を奪うことに成功する。これにより明大側のベンチの応援にもより一層熱がこもる。相手の運動量が落ちたのもこの時間帯だったが、本学の選手の足は止まらない。35分には中盤でのボール奪取からMF田中(恵・営4)がペナルティーアークやや後方からゴールを狙う。しかし逆に39分、フリーの状態でパスを受けて本学GKと1対1になった相手選手を止めることができずに1-3と突き放されてしまう。そのまま試合は終了。

 2大会ぶりの天皇杯出場は叶わなかった。それでも「起用した1年生の活躍もあり、選手層が厚くなってきたと感じられる」(神川監督)ことは9月に再開されるリーグ戦に向けてうれしい要素だ。これから行われる合宿や練習を通してチーム、また個人の課題を克服し、快進撃が見られることを期待している。

★試合後のコメント★
神川監督
「プロに勝つのはそれほど大変だということ。4年間で3回目の対戦だったが、今年は特に強かった。(失点の)1点目はFKが正面だったからどうにか対応してもらいたかった。3点目はもう完全にやられてしまった。これが実力差。(得点シーンは)どさくさに紛れたところで取れた1点。でも来てくれたお客さんに対してはいいところを見せられたと思う。前半は少し恐れていた部分があったようだが、ボールを奪ったらもっと強気で、相手に対しても組織的なディフェンスを心掛けてほしい。もっとアグレッシブにいかねばならない。ただ、選手たちはゆっくりとだけど成長している」。

吉田
「相手のほうが無理をしないで点が取れていた。相手の思い通りにやられたという感じ。しっかり抑えておかないと流れを持っていかれる。得点シーンについては、自分のところに来たので蹴ったら入った。リーグ戦に向けてしっかり切り替えて準備したい」。

田中(恵)
「後半に入って涼しくなってこっちの方が相手より走れるようになってからペースをつかみかけたが突き放されてしまった。これが今の自分たちの実力だと思う。立ち上がりが悪かった。1点目はFKを与えてしまった時点でダメだった。ディフェンスラインが下がり過ぎていて攻めに移れない。これからはいいサッカーより勝つサッカーをしていきたい。後期リーグ戦は初めの2試合が勝負どころなので勝ちにいきたい」。