(5)コーチ特集

2011.08.09
 明大端艇部は自主性を重視する方針からコーチをつけてきませんでした。しかし、今年度から正式に明大端艇部にコーチをつけることになりました。今回は岡野知幸コーチ(昭60年営卒)にコーチの役割や難しい点、コーチから見た今季の明治の展望を聞きました。

 明大端艇部に今年度よりコーチが正式に就くこととなった。現在の大学ボート界はコーチがいることが多い。それでも明大端艇部は自主性を重んじてきた伝統があり、コーチ制度の採用を見送ってきた。しかし、端艇部のさらなる発展を願い、そして自主性を崩さないように、コーチ制度を導入することに決めた。

 コーチがつくことのメリットとは何か。この問いに岡野コーチは「第3者の目線が得られるようになった」ことを挙げた。今までは、水上で練習している時に陸から意見を与えられる人が監督しかいなかった。だが、コーチが就任したことでこの弱点が解消された。これにより「勝つために技術的、競技力を上げるサポートができている」。また、船を進めるための技術的なアドバイスや練習メニューの組み方の助言なども行っており、「相談できる人が増えた」(草地主将・商4)と、コーチの就任が好影響を与えている。

 しかし、あくまでも選手一人一人の自主性を尊重する。コーチが練習メニュー組み立てを行ったりすることはない。もちろん高校のように勝つために教えられたことを黙ってやらせるという選択肢もある。その場合の方が成績が伸びることもあるだろう。だが、岡野コーチは「1人の人間として考えた時それでは伸びなくなると思う」と、端艇部の方針に沿った形で指導を行っている。

 コーチが就任して初のインカレまであと2週間を切った。今年度は、全日本軽量級選手権で4年ぶりに男子から日本一が出るなど、徐々に結果が出始めている。インカレ本番では「練習でやってきたことを100%出したレースをしてほしい、結果は後から付いてくるはずだ」と選手たちにエールを送る。コーチからの助言を生かし、目標であるインカレ優勝に向け、1艇でも多くの表彰台進出を期待したい。