(5)「ペアを組めてよかった」最上級生ペア、最後のインカレへ 竹綱主将・望月ペア

2011.08.04
 4年間の集大成を、4年間の全てをこのインカレに――。1年生のころから部内トップクラスの腕前で主力となっていた竹綱主将(文4)と望月(政経4)。そんな2人もあっという間に4年生になりそれぞれ主将、副将として、そして最上級生という形で今年のインカレを迎えることとなった。どのペアよりも一際大きな声を出してコートに立つ2人の姿はいつでも“大将”だった。「竹綱がしっかりしてくれているから」(望月)、「信頼している」(竹綱)と揺るぎない絆で結ばれている2人。1年生の時に初めてペアを組み、それからずっと同期同士のペアとして戦っていくはずだった。しかし「自分のせいで解散させられてしまって…」(望月)。調子を崩した望月は2年次の 春季リーグ戦で団体戦メンバーを外れ、竹綱主将とのペア解散を余儀なくされてしまう。

 「同期だしやりやすいと思った」。望月は初めて竹綱主将とペアを組んだ時、素直にそういう気持ちを抱いた。名門・高田商高時代から全国にその名をとどろかせていた竹綱主将との息はぴったり。このまま2人で戦っていきたい。だがそう思ったのもつかの間、2年に上がると下級生に望月を凌駕(りょうが)する存在が現れた。「自分にないものがあった。今井(農3)が入ってきて実力の部分でメンバーを外されたのだと思う」(望月)。その時ルーキーとして入部した今井との実力差から、2年次春のリーグ戦のメンバーを外れざるを得なかった。もちろん、竹綱主将ともペアを組むことはできず辛酸をなめる思いでいた。

 それでも決して「投げやりにならなかった」(望月)。「いつかチャンスは来ると思っていた。もう一度竹綱と組みたかった」。チームに復帰するために、そして竹綱主将ともう一度ペアを組むために。ふて腐れることなく練習に打ち込んだという望月。それが実を結び、2年秋のリーグ戦ですぐに団体戦メンバーを再び勝ち取った。しかし、竹綱主将とのペア再結成は実現されないまま。「自分のソフトテニス人生で一番組みやすいと思っていたから」と望月に絶大なる信頼を寄せていた竹綱主将ももう一度ペアを組むことを望んでいた。ペア復活を誰よりも待ちわびていたのは他ならぬ本人たちであったのだ。

 ペアが復活したのはつい最近、昨秋のリーグ戦でのことだった。「もう一回組むことができてうれしい」。約2年半ぶりに組んだにもかかわらず、やりづらさは全くなかった。一緒に戦える喜びを全て試合にぶつけ、堂々のリーグ2位。今年に入ってからは唯一の4年生ペアとしてチームをけん引。「元気なところが自分たちのいいところ」(竹綱主将)。チームの元気印でもある彼らは部の精神的支柱ともなっているはずだ。そんなところも、“大将”らしい。

 一度は解散にまで追い込まれた竹綱主将・望月ペアだったが、復活を果たしいよいよ最後のインカレへと臨む。「今までやってきたことが間違っていなかったと証明したい」(望月)。ペアとしてうまくいかないこともあった。しかしそれを乗り越えてきた2人だからこそ、最大の武器は「信じ合っていること」にあるはずだ。昨年のインカレはベスト16に終わり、涙に暮れた。「笑って終わりたい」(竹綱主将)。今年はもう涙は流さない。流すとしたら、それは最高のパートナーとこぼす極上の歓喜の涙だろう。

◆竹綱克壽 たけつなかつひさ 文4 市立高田商高出 165cm・60kg

◆望月敬太 もちづきけいた 政経4 富士宮北高出 176cm・71kg

 全5回にわたり、インカレを目前に控えるソフトテニス部を特集した“Ace Of Softtennis”は、今回が最終回となります。ここまで読んでくださり、ありがとうございました。インカレは今週末、8月6、7日に行われます。ぜひ会場に足をお運びください。

◆全日本大学対抗◆
日程:8月6日~7日
会場:青木町公園総合運動場(埼玉県川口市)
◆会場へのアクセス◆
JR京浜東北線「西川口」駅降車、徒歩10分