(2)絶対的エースとしての自覚 大熊・今井ペア

2011.07.29
 名実ともにチームを引っ張る存在である大熊(法2)・今井(農3)ペアが真のエースへと上り詰めるまでの道のりとは。そして、今回のインカレに懸ける思いとは。

 「他がどうであろうと関係ない。それよりも自分たち二人が負けなければ上にいける」(今井)。多くを語らずとも、この言葉だけで揺るぎのない「自信」をうかがい知ることができる。今となっては絶対的エースとしてチームの期待を一身に背負うこの二人。しかし現在に至るまでには幾多の紆余(うよ)曲折があった。これまで出場する試合には結果を残してきた二人 であるが、ペア結成当初はうまくかみ合わないことも多く不安を募らせていた。

 昨年の春、大熊の入学とともに結成された大熊・今井ペア。当時の大熊はこれまで多くの実績と経験を持つ先輩である今井に対して自分とのレベルの差を感じていた。それが大きなプレッシャーとしてのしかかり思い通りのプレーができないこともあった。「最初の頃は自分がミスしないようにとやっていたが、それが逆効果でポイントを取られたり、リードしているのにつなげにいって逆転されることが多かった」(大熊)と過去の自分を振り返る。初めて年下とペアを組む今井は、「正直どうやったら勝てるのか分からなかった」とそんな大熊に対して物足りなさを感じていた。競技の特性上ペア同士のコンビネーションが要求されるソフトテニス。しかし、「最初はそれぞれがいつものようにプレーしていてバラバラだった」(今井)と口にするよう一体感に欠けていた。満を持して挑んだ昨年の夏のインカレでも最後の1ゲームを取り切ることができず無念の敗退。チームとしてもベスト16と満足のいく結果には今一歩及ばなかった。周りからはエースとして大きな期待を懸けられながらも、絶対的な存在というには程遠い二人の姿があった。

 そのように苦悩を重ねる中で一筋の光を見出したのが昨年11月のインドア大会での優勝であった。これまでの試合後の話し合いやそこで見つけた課題の徹底が大きく実を結んだ。ペアとしての経験値も上がり、お互いの信頼感も大きくなっていく。「周り全体を見てプレーできるようになった」(大熊)とかつてのミスを恐れる姿はそこにはなかった。それどころか自信や余裕さえうかがわせた。「組み始めたときよりお互いの動きがよく分かるし、前にいても大熊がどのコースに打つか分かるようになった。それだけ長く組んでいるからできること」と今井もペアとしての一体感を心の底から感じ取った。絶対的エースとしての地位を確立した瞬間であった。

 インカレも間近に迫った今、ペアとして一回りも二回りも大きく成長した大熊・今井ペアに大きな期待が寄せられる。「絶対に勝てない相手はいない。自分たちのやり方次第」と二人で試合を取りにいこうという姿勢を崩さない今井。「自分の試合に集中していきたい。そしてモチベーションを上げるような試合をして次につなげたい」とチームの勝ちへこだわりを見せる大熊。絶対的な信頼と自信を背に受け、明大ソフトテニス部の看板を背負って立つ。真のエースとして夏の天王山が今始まる。

◆大熊友也 おおくまともや 法2 川越東高出 176cm・66kg

◆今井快幸 いまいよしゆき 農3 三重高出 178cm・62kg

次回のAce Of Softtennisは7月31日アップ予定です。