グランドスラムに王手!2年ぶりのインカレ制覇!!/全日本大学選手権大会(団体の部)

2011.07.25
 歓喜の春季リーグ優勝から2カ月、気を抜くことなく結果を残し続けてきた明大は大阪の地でまたも優勝を果たす。これで、12年ぶりのグランドスラム(春季・秋季リーグ戦、インカレの3つの大会を制覇すること)獲得に王手をかけた。

 決勝にたどり着くまで接戦が多かった今回の全日本大学総合選手権。そんな緊張感のある中で迎えた決勝の相手は昨年、同大会の決勝で敗れた青森大であった。しかし、「やはり青森のいるインカレで勝ちたい。ラストイヤーの水谷がいて強力なルーキーがいる今年がチャンス。インカレ優勝・グランドスラム達成を目指そうと思える選手が今いる」と高山監督は事前取材で自信をうかがわせていた。

 1番手は明大の絶対的エースの水谷(隼)主将(政経4)に対し、世界トップレベルのドイツ・ブンデスリーガで経験を積んで実力を上げている相手校のエース松平という組み合わせであった。1セット目、松平の果敢な攻撃に押され気味の試合展開で最後に粘りを見せたが、落としてしまう。「今大会には4年生のメンバーがベンチに入っていて、このメンバーで最後のインカレを優勝で締めくくりたかった」と試合後に語ったように、2セット目からは勝利に対する気持ちが表れるかのように声やベンチへ向けたガッツポーズが出てきた。しかし相手も実力者でありフルセットまで試合はもつれたが最後はしっかりと勝利を収めた水谷(隼)主将。「あんなに気迫のこもったプレーはなかなか見られない」(高山監督)と言うように、試合後にはジャンプをしてガッツポーズをするほどこの試合に懸ける気持ちの強さがうかがい知れた。

 「水谷さんが松平さんに勝ってくれたおかげでいい雰囲気で試合に臨めた」という2番手の岡田(商1)は松原に対して得意のサービスを中心に試合の流れを自分のものにして試合を有利に進める。さらに、以前に対戦経験がありその時は敗北を喫した相手ではあったが、今回の試合に備え事前に情報を集めしっかりと対策を立てていたことも幸いし相手の攻撃にもしっかりと反応できた。その結果セットカウント3-1で勝利。前日までの試合で計3回敗北していたが、「今大会入ってからの3敗を覆すほどの価値がこの1勝にはある」(高山監督)というように、この勝利は明大を優勝へと近づける大きな勝利であった。

 ダブルスは水谷(隼)主将・平野(商1)ペア対松平・上田ペアの対決。「経験・実力ともに格上の相手」(水谷(隼)主将)であり厳しい試合展開が予想された。しかし、互いに1セットずつを取り合うという接戦が繰り広げられた。さらに、序盤は動きが硬かった平野も「始めは固さが見られたが、隼が平野に声をかけてだんだんと良くなっていった」(高山監督)と言うように、水谷(隼)主将のリードもあり徐々に調子を上げていき、思い切ったプレーが出てきたことによって試合の流れを有利に運ぶことができた。最終セットは相手も勢いのある2人に押されて本来のプレーができず、ミスが目立ったこともあり11―5で最終セットを奪うと見事優勝を果たした。試合後に涙を流していた平野は「本当にダブルスで勝てて、良かった。絶対に水谷さんとのダブルスで優勝を決めたいと思っていて、それが果たせて良かった」と笑顔で語った。

 3-0のストレートで強敵青森大に勝利することができた明大。9月の秋季のリーグ戦に勝利するとグランドスラム達成となる。やはり気になるのは水谷(隼)主将の参加の可否であるが、それはまだはっきりしていない。しかし「もちろん参加できるのであれば参加したい。でも今の明治であれば僕がいなくても十分リーグ戦で優勝できるし、今回の結果がさらに自信にもつながる。グランドスラムは必ず手にしたい」と今の明治であれば水谷(隼)主将がいなくとも十分に活躍できる、とチームに信頼を寄せている。

 今の明治は本当に強い、これは紛れもない事実である。春季リーグ優勝、新人戦単複制覇、日本リーグ準優勝、全日本大学選手権優勝と結果を残している。去年の秋は早稲田に敗れ秋6連覇を逃し涙を流したが、今年は秋の明治復活さらにはグランドスラム達成に大きく期待が懸かる。「あとは優秀の美を飾るだけ。春以上に向かっていく気持ちでやりたい」。(高山監督)