足達が13年ぶりのベスト8/全日本学生選手権

2011.07.07
 7月3日、第59回全日本学生選手権が大阪府立体育会館で行われ、明大からは足達(政経3)と中本(商2)の2選手が出場した。「優勝も狙える」(三雲主将・政経4)とコメントにあるように、今大会は出場する両選手に優勝の期待が懸かる。また、ベスト8以上に進出すれば、明大としては1998年以来13年ぶりの快挙となる。

 今大会初出場の中本は初戦、関西3位の松尾(関大)と対戦。序盤から積極的な剣道を見せ、メンで1本目を先取すると、流れに乗ったのか、そのまま2本目のメンを取り、2回戦進出を決める。関西3位を相手にも物怖じしない剣道が印象的だった。
 勝ち上がった2回戦では、中島(大経大)と対戦。試合は終始こう着状態で進み、規定の時間に達しても決着がつかず延長戦へ。しかし、延長戦開始後しばらくで、中島にコテを決められ、負けを喫した。試合後「1回戦目は良かった。2回戦目は気持ちが足りておらず、試合を投げてしまった」(中本)と語ったが、実は中本は三角筋と胸筋の肉離れを起こしており、試合当日も痛み止めを打っての出場だった。「体調管理も一流の選手になるために必要」(中本)と語り、自身の自己管理の甘さを悔しがる部分も見せたが、「稽古して特訓したい。全国の場で戦う経験は、自分が上に立つ上でも重要」(中本)と、次回の大会に向けて前向きな部分も見せた。
 
 一方の足達は今大会が2回目の出場。「今回は勝ちにいく」(足達)と大会前のコメントにあるように、こちらも優勝の期待が懸かる。
 大事な初戦、足達は牧本(鳥取大)と対戦。「初戦は硬かったが落ち着いていた」(栗原監督)とコメントにあるように、試合は互いに相手の出をうかがう緊張感のある試合展開だった。その中で足達が一瞬のスキをついてコテを奪うと、そのまま規定時間に達し、1本勝ち。2回戦に駒を進めた。
 続く2回戦、3回戦も落ち着いた試合運びで勝ち進んだ足達は4回戦で村上(筑波大)と対戦。13年ぶりのベスト8に向けての最初の鬼門だ。相手が筑波大の大将ということもあり、緊張感のある難しい試合になることが予想されていたが、足達はブレない安定した剣道を見せる。「4回戦は気持ちの入ったいい試合だった」(栗原監督)と語るように、ここでもメンで1本目を先取すると自身の流れをつくり、そのまま逃げ切って1本勝ち。大会前から意識していた相手に勝利し、鬼門を見事に突破して見せた。
 そして5回戦。相手は日大の北條。この試合に勝てば13年ぶりのベスト8というプレッシャーの懸かる中での試合だった。しかし、そんなものもどこ吹く風。4回戦の勢いそのままに、足達はここでも安定した試合運びを見せ、コテで1本勝ち。これによって、明大剣道部としては13年ぶりのベスト8に進出した。
 準々決勝の相手は加藤(大体大)。関西ベスト16のこちらも実力者だ。試合は序盤から相手の出方をうかがう試合だったが、終盤「完全に予想していなかったところを打たれた」(足達)と語るように、加藤が足達にツキを決め、1本を先取される。足達は試合終盤まで何とか取り返そうとするが、加藤に逃げ切りを許し、惜しくも敗退。3位入賞とまではいかなかった。
 しかし試合後、足達は「今大会は村上に勝てたことが一番の収穫。次の団体戦でも勝ちを取りにいく剣道をしたい」と、次回に向けた前向きなコメントを残した。

 明大剣道部として13年ぶりのベスト8進出で、足達、中本の両選手をはじめ、部全体としても得るものは大きいはずだ。「来年こそは」と期待しても罰は当たりそうにない。この大会で得たものを糧に、さらなる成長を期待したい。