悔やまれる、ベスト16で敗退/東日本大学選手権

2011.07.02
悔やまれる、ベスト16で敗退/東日本大学選手権
 試合終了の笛が体育館内に鳴り響く。勝利に大いに盛り上がる国士大とその応援団とは対照的に、ベスト16で敗退という現実をつきつけられ肩を落とす部員の姿があった。
 
 この大会に懸ける思いは大きかった。震災の影響で春季リーグは中止に。春季リーグ戦、秋季リーグ戦、全日本大学選手権(通称全日本インカレ)と並ぶタイトルを懸けたこの戦いを待ちわびていた。本東日本大学選手権(通称東日本インカレ)では、東日本の56大学で頂点を決める。

[初戦・第2回戦、大東大戦]

 「入り方が大事」(塩田主将・商4)と話すように、トーナメント方式の本大会にとって初戦は特に重要性を持つ。明大にとって初戦である2回戦は、関東3部に所属する大東大。
 第1セットを奪取すると、第2セットには2―3の劣勢から、大塚(政経2)のサービスエースなどもあり9―4と大東大を大きく引き離す。セットを重ねる毎に相手に点を取らせず、徐々に調子付く形でストレートに難なく勝利を物にした。

[第3回戦、国士大戦]

 3回戦の相手は今年から関東1部に昇格してきた国士大。昨秋季2部リーグで全勝優勝という実績を引き提げて関東1部上位校である明大に対戦を挑んできた。
 明大は開始直後から気持ちを前面に出したプレーで応戦する。あっさりと2セットを先取すると、勝利に王手をかけた。しかしここから国士大の怒涛の追い上げが始まる。


平林の時間差攻撃

 大きく試合が動いたのは第3セット。シーソーゲームの展開の12―12から5連続ポイントを国士大に許し、すかさず4連続ポイントを奪い返す。平林(政経3)の時間差攻撃には相手ブロックも付いていけない。さらに澤田(商3)と鎌田(法2)のセンター陣のクイックを多用し確実に点を重ねる。ところが相手の攻撃に対しブロックなどからのポイントを奪えない。デュースにまで突入すると、後を追う苦しい展開に。このセットを落としたことで試合の流れは一変、国士大モードとなる。
 ここで国士大の応援もヒートアップ。雲行きが怪しくなり、明大にとって苦しい展開は続く。第4セットでは終盤に21―21で1度並んだものの、立て続けに得点を許しこのセットも落とす。


大塚の気迫のスパイク

 気持ちを切り替え臨んだ運命の最終第5セット。1―3で先行された状態から松本(文4)や大塚のレフトからの気迫のこもったスパイクで相手コートにボールを叩きつけ一挙7連続ポイント。一気に流れを引き寄せ、8―3でコートチェンジとなる。このコートチェンジが悔しくも国士大の息を吹き返らせ、ここから明大の7点は遠かった。最終セットもやはりデュース。最後は松本が放ったスパイクがアウトとなり、試合終了。つかみかけた勝利は一瞬にして手からこぼれ落ちた。その瞬間、この大会の敗退も決定した。
 試合終了後、OBからの喝によってさらに敗戦という苦虫を噛みしめることとなった。

 今年度は全12大学という大所帯で秋季1部リーグ戦を戦うことになる。関東1部リーグは戦国時代の様相を呈している。混戦必至の関東1部リーグにおいて、優勝争いはますます加熱するだろう。この大会で1歩抜きん出た他大学に秋季リーグではどれだけ食い込めるか。

 「どこが勝ってもおかしくない。明治にもチャンスはある」(塩田主将)だけに、すべてはこの夏の成長に懸かっている。

[西井岬]

☆出場選手(3回戦 スターティングメンバー)☆
セッター:塩田主将
サイド:松本
     平林
     大塚
センター:澤田
       鎌田
リベロ:中村(文1)

☆試合後のコメント☆
佐々木監督

「メンバーを固定しきれていない。ブロックとレシーブの関係を見直さなければいけない。ミスが多かったのは歯がゆい。下級生にも期待し、1から出直したい。資質のある人材は揃っている。もう1回競争を激しく。今は計算できない状況。監督としても反省する点がある」。

◆関東1部リーグに所属するチーム一覧◆
大学 昨年度秋季リーグ順位 東日本インカレ成績
筑波大 7位 優勝
日体大 5位 準優勝
順大 6位 ベスト4
慶大 10位 ベスト4
東海大 1位 ベスト8
国武大 2位 ベスト8
法大 8位 ベスト8
国士大 2部1位 ベスト8
明大 3位 ベスト16
専大 4位 ベスト16
中大 9位 ベスト16
早大 2部2位 ベスト32