
「力を出し切れなかった……」。男女ともに結果残せず/関東学生選手権
<男子ダブルス>
小野寺主将・中木組が息もつかせぬ死闘を演じた。相手は昨年のインカレで2位という成績を収めた強豪・日体大のペアであった。「はるかに格上」(小野寺主将)。しかし、それとは裏腹に互角以上の試合をしてみせた。
カウント1-1で迎えた3セット目。両者ともにクリアを飛ばすことはなく、攻撃の手を封じ、付け入るスキを与えなかった。どんなコースにシャトルを落とされても食らいつき、逆に相手も確実にレシーブしてくる。ミスをした方が負け。自滅は許されない状況だった。しかしそんな中でも若い中木は果敢にスマッシュを打ち込んでいく。1本決めるごとに自信が生まれ、ポイントも比例して積み重なっていった。しかし相手は日体大。そう簡単に倒せる相手であるはずがなく、ついにこのゲームは29-29にまでもつれ込み、他大の選手からどよめきが沸くほどの大接戦となった。
バドミントンのルール上、デュースであれ先に30点目を奪った方がこの戦いの勝者となる。運命の1本、絶対に負けられない場面だった。しかし、相手がサーブを打った途端、レシーバーの中木が体勢を崩しまさかのレシーブミス。1時間近くに及んだ激戦が一瞬にして幕を閉じた。敗戦が決まった瞬間、コートに倒れこみしばらく立ち上がることができなかった2人。こんなはずではなかった。たった1点分のミスが、敗北につながる――。バドミントンの奥の深さを痛感させられる試合だった。いつのまにか周囲の観客をくぎ付けにしたこの戦いはあっけなく終わりを告げた。
唯一3回戦まで駒を進めた斉藤・中村組も、疲れが出たか力尽きあえなく敗戦。明大勢は4回戦に進出することなく全滅してしまい、早々とコートを立ち去ることとなった。
「話にならない。見ている人たちが応援したくなるような試合をしたかったし、してほしかった」。うつむく小野寺主将の表情は、悔しさでゆがんでいた。1部に昇格したからこそなおさらそう感じるのだろう。“1部”。この2文字が時として彼らに重いプレッシャーをかけているのは否めない。しかしそれを乗り越える力もまた、兼ね備えているのが明大バドミントン部だ。「見ている人が応援したくなる試合」。それは、最後まで粘りを見せ、諦めない姿を見せること。バドミントン部にとって決して不可能なことではない。彼らの戦いは、始まったばかり。次なる大会や秋季リーグ戦にむけ、まだまだ強くなる。
<女子ダブルス>
明大のほかのペアが2回戦までで姿を消す中、樋渡・岡田組が唯一勝ち進み、4回戦に臨んだ。「他の人の分も勝ちたかった」(岡田)というように、気持ちが表れた積極的なプレーが目立ったが、接戦の末惜しくも5回戦進出はならなかった。
第1セット序盤から果敢に攻めていきスマッシュを決めていく樋渡・岡田組。しかし相手も負けじと攻めてくると、次第に相手のスマッシュをうまく返し切ることができなくなってしまう。そこから連続失点を許してしまいどんどん相手に試合の主導権を握られる。結局流れになかなか乗り切れないまま、結局14-21でセットを取られてしまう。
第2セットも「第1セットを取られ焦ってしまった」(樋渡)という言葉通り、悪い流れを引きずってしまい岡田のスマッシュや樋渡のクロスネットなどで得点してはいくものの、ミスショットでアウトとなったりやネットに引っかかったり自分たちのペースで攻めていくことができない。しかし、積極性を失わずにそのまま攻め続けていき、5連続ポイントを奪ったところからそのまま突き放すかと思われたが、第1セットを取って勢いに乗る相手も反撃してくる。互いに譲らず接戦のまま試合が進んでいくが、終盤に連続ポイントでマッチポイントとされてしまう。しかし、そこから粘りを見せてデュースとすると、相手のミスと樋渡のポイントからどうにか22-20で第3セットへ持ち込む。
そして運命の第3セット。相手のミスからリードを奪うも、相手のスマッシュをうまくレシーブできずに逆転されてしまう。前のセットと同様の展開が続き、互いに積極的な攻めを見せて相手に流れを渡さない。僅差で相手にリードを奪われている展開ながらも樋渡の必死のレシーブで返し、岡田の強力なスマッシュでポイントを奪って食い付いていく。果敢に攻めていき相手のマッチポイントから一矢報いるも、またも自分たちのミスからポイントを奪われ試合終了。18-21、セットカウント1-2で4回戦敗退してしまった。
「負ける試合ではなかった」というように実力の差があるわけではなかった。しかし負けてしまった以上、足りないものがあるということは事実だ。秋季リーグ戦まではまだ時間がある。この敗戦を無駄にすることなく次の大会へと向かっていけば必ず良い結果がついてくる。
☆選手コメント☆
小野寺主将
「悔しい。勝てたら弾みがついたはず。インカレ2位のペアと当たったがあっちも本調子ではなかったと思う。接戦だったかもしれないが手応えとしてはまだまだ。強い球を打ち返していくことなど課題や反省点がたくさん出た。日ごろから見ている人が応援したくなるような試合をするよう言っているが、全くできていなかった」。
樋渡
「負ける試合ではなかった。1セット目を取られたことで焦ってしまい流れが渡してしまったのが悔しい。4年生で後がないので、最後の試合で悔いが残らないためにも今後は精神面を強くしないといけない。年上なので(岡田を)引っ張っていかないといけなかったし、安心させたかった」。
岡田
「練習の半分も出し切れなかった。(敗因は)ミスが多かったこと。(明大で勝ち残った最後のペアで)他の人の分も勝ちたかったので申し訳ない。(樋渡とのペアは)いいと思う。前衛として生かしきれなかった。(個人として)パワー、スピードなど全てを向上させたい」。
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