上川主将、まさかの初戦敗退/全日本選手権
「やっぱり強かったです」。肩を落としながら試合後そう語った。小川直也氏(平2営卒)以来となる、明大在学中の今大会制覇に期待が懸かっていた上川主将。昨年9月の世界選手権無差別級を制覇して以来存在感を高めてきており、また今年4月の全日本選抜体重別選手権では決勝戦で鈴木桂治(国士大教)を破っての優勝を決めており勢いに乗っていた。有力な優勝候補者不在と言われていた今大会でも、下馬評段階では『重量級選手の中でも技のキレ、一発の力という点では抜群』と評されるほどだった。しかしながら大会直前に左足を故障しており万全な状態ではなかった。上川主将自身は「足の痛みはなかった」とコメントしたが、試合前半から積極的に技をかけにゆくシーンはあまり見られず影響は少なからずあったようだ。
2回戦からの登場となった上川主将。初戦の相手は髙井洋平(旭化成)。開始直後から両者ともがっちりと組んだまま決め手を欠くといった試合展開だったが、試合時間が4分を経過したところから徐々に上川が髙井の技にぐらつき始める。上川主将もこれに焦ったのか得意の内股をかけようとするも、普段のキレはなく簡単に受け流されてしまい有効打にはならず逆に3つ目の指導を取られる苦しい展開に。結局この流れを断ち切れず優勢負けを喫した。
「まずは故障を治して、万全の状態で臨みたいです」と上川主将。今年は来年のオリンピックへ向けて代表争いが過熱することが予想される。今回のように故障によって不本意な成績に終わることは避けたい。代表選出にはIJFポイントランキングで日本人選手中1位であることが必須条件だ。上川主将のランキングは現在、鈴木桂治の968ポイント、高橋和彦(新日本製鐵)の930ポイント、立山広喜(日本中央競馬会)の530ポイントに次ぐ日本人4位で438ポイント。鈴木桂治、高橋和彦にダブルスコアをつけられており厳しい状況である。今後の展開、そして巻き返しに注目したい。
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