サントリーに健闘、選手権前に収穫得る/練習試合
開始7分、左右に広くボールを展開する相手に翻弄され、中心にできたDFのスキから先制点を奪われてしまう。しかし、相手のコンバージョンも決まり7点を追い掛ける明治は11分、相手のペナルティから田村(優・文4)のキックで敵陣深く攻め込みトライのチャンスに。早明戦で改めて課題として浮き彫りとなったラインアウトも安定し、「FWでは勝っていた部分もあった」(楢山・営3)と、モールを組んだ明治はそこから15メートル近く前進。そこで決め切ることはかなわなかったものの、直後に得たペナルティーから再度モールで押し込んでトライと同点に迫った。ここで流れを引き寄せたい明治は、今回FBとして出場した染山(政経2)がショートパントを使い巧みにゲインし、佳久(法2)とつないでゴールラインを目指す。オフサイドのペナルティを取られ、自陣ゴール前5メートルのラインアウトから抜けた相手を仕留め切れず再び逆転されてしまうが、サントリー相手に臆(おく)することなく攻撃の手は緩めない。そして27分、佳久が右サイドを駆け抜け、アドバンテージで猿楽(政経2)につなぐと、最後は秦(法3)がトライを決め、14-14と再び詰め寄った。その後、再び相手に追加点を奪われてしまうものの、14―19とわずかにリードを許す形で前半を折り返した。
大学選手権に出場するメンバーのセレクションを兼ね、FW、BK共に選手を入れ替えて始まった後半は、前半の善戦とは変わり大きく差がつく展開に。開始早々、相手の速攻に対応し切れず追加点を決められると、スクラムで押し負け、そのままトライを重ねられる場面が目立った。「後半は一人一人の1対1のアタックで社会人のスピードと強さに圧倒されてしまった」(堀江・商2)と運動量の差から相手に合わせ後手後手となってしまい、広げられた点差を返すことができないまま、14―52で試合は終了。
後半反撃し切れず悔しい結果となったが、前半は「早明戦で課題となったブレイクダウンやアタックで超えるという意識を強く持ててターンオーバーしたり、セットプレーが安定していた。少しずつだけど、確実に早明戦の課題を修正できていると思う」(堀江)と、選手は得点差以上に手応えを感じたようだ。セットプレーやタックルの精度など克服すべき課題は明らかだ。今試合を最大の目標である「大学日本一」に向けての糧とできるか。大学選手権は1週間後に迫っている。
~試合後のコメント~
古屋(商2)
「前半はもう少しいけたと思う。後半は相手と比べて個人の力に差があった。早明戦での課題だったタックルをはずされるシチュエーションは、今回も何本かあったので、タックルの向きなど精度を高めていきたいと思う」。
名嘉(政経4)
「(セレクションマッチだから)前半で変えられることは分かっていたので、後のことは考えずにプレーした。相手はトップリーグとはいえBチームだし、勝ちに行った。(個人的には)全体的に戦えたと思うが、1、2回タックルミスをしてしまった。やはりトップリーグなので展開が早い。ラインアウトに関してはクリーンキャッチが半分くらい。早明戦以来修正できてきていると思う」。
堀江
「前半は早明戦で課題となったブレイクダウンやアタックで超えるという意識を強く持ててターンオーバーしたり、セットプレーが安定していた。少しずつだけど、確実に早明戦の課題を修正できていると思う。ただ、後半は一人一人の1対1のアタックで社会人のスピードと強さに圧倒されてしまった。1対1のアタックと チームDFが今後の課題。早明戦は結果は残念だったけど、チームはもう中大戦に気持ちを切り替えている。大学選手権で優勝するために、プレーの精度を高めて初戦から大事にしたい」。
三村(政経4)
「サントリーは強かった。課題は1対1。前半はできていたが、相手が速く後半は抜かれてしまった。早明戦での課題も2週間ですぐ修正できるわけではないが、これからまだ修正していけたらいい」。
杉本(商4)
「前半のFW戦はこっちが勝っていたと思う。課題は、メンバー変更後の修整。自信を持って選手権に臨む」。
猿楽
「前半は良かった。FWがモールで押して敵陣でプレーをすることができていた。後半はタックルミスが多かった。個人としてもチームとしてもタックルの精度を高めて、いかに相手の攻撃を止めることができるかが課題となる。前半は互角くらいに戦えていたので、後半も持続できるようにしていきたい」。
染山
「いい場面でボールをもらうことができなかった。後半は要所要所で1対1のタックルが決まらなかった。前半の流れが80分間継続できるかだと思う。(大学選手権では)一つ一つ勝って日本一になれるよう頑張ります」。
榎(政経2)
「トップリーグは強かった。選手権に向けてアピールができず、無念です」。
日高(文3)
「サントリーのスピードに付いていくことができず、圧倒されてしまった。ラックサイドから抜けられることが何度もあったので、そういうプレーを参考にできるようにしていきたい。早明戦でできなかったラインアウトの精度は高めることができたと思う。大学選手権に出たらセットプレーを(精度を)100%にして、自分ができる最高のパフォーマンスをしたい」。
山口(修・政経1)
「今日の課題はやっぱり1対1。相手の方が前に出ていたと思う。後半で交代して個人的にはタックルミスしてしまったのが課題。試合に出たら自分の色を出して行きたいと思っているが、今回はいつもより球を出せていて良かった。秦さんのいいところを見習って、自分のいいところも見てもらえるように頑張りたい」。
外原(政経4)
「サントリーとはすごい差を感じた。ブレイクダウンや、1対1でのプレーが課題。相手の球出しのテンポがよく、後半は圧倒されてしまった。トップリーグの強さを肌で感じることができたのは良かった。早明戦での課題だったタックルはまだまだだが、少しずつ改善されていると思う」。
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