
接戦制し、昨年度の覇者帝京大にリベンジ!全勝で早明戦へ/関東大学対抗戦
しかし、明治はこの逆境をはねのけた。13分には田村(文4)がラインを抜け、居迫(法4)、衞藤(営4)と展開。帝京大陣奥深くまで攻め入り、FWが欠けた分バックスが魅せる。また、田村がロングキックで陣地を回復し、うまく相手に攻め込まれぬようゲームメイク。接点でも帝京大相手に互角以上の動きを見せる。21分に渡部が戻ると、古屋(商2)のゲインから突破口をつくり、田村が敵を惹き付け、衞藤から居迫へ。完全に敵を振り切り、インゴールのど真ん中でのトライを挙げる。さらに、35分には、ラックから出たボールを完全にフリーになった田村が受け取りドロップゴールを挙げ、10―0で前半を折り返した。
後半に入っても、タイトな試合展開は続く。4分に自陣22m地点で相手オフサイドを得るも、クイックスタートが認められず相手ボールスクラムに。相手のSH滑川にラインのギャップを突かれ、トライを奪われる。しかしそのわずか2分後に木村(商2)のゲインから衞藤、小泉(営3)、居迫。すぐさまトライを奪い返し、スコアを17―7とする。
そして後半中盤からはディフェンスが光る。「前へ」出るディフェンスで攻撃の芽を摘み、奥深くまで攻め込まれても早い集散でラインを割らせない。細谷ヘッドコーチの言う「紫紺の壁」が相手の攻撃をシャットアウトする。30分には好位置でのペナルティキックを田村がきっちり決め、さらに点差を広げる。その3分後にはラインアウトからモールを押し込まれ、20―14と1トライ1ゴールで逆転というところまで追い詰められるも、明治は動じない。
終了間際にはラックをつくり帝京大を封じ込め、時計が43分を示した瞬間、田村がボールを外へ蹴りだす。試合終了を告げるホイッスルが高らかに鳴り響き、秩父宮は選手たちと明治ファンの歓喜と祝福の声に包まれた。
対抗戦も、残すは宿敵早稲田のみ。23日に控える早慶戦で早稲田が勝てば、16年ぶりの全勝対決が実現する。最強の2校が雌雄を決す、「伝統の一戦」が帰ってくる。重戦車の復活、目覚めた負けられないプライド。もう、舞台は整った。あとは「最強のチャレンジャー」として、持てるすべてをぶつけるだけだ。
1.PR | 楢山 直幸(営3) →17.茅島(後半24分) |
9.SH | 秦 一平(法3) | 16 | 郷 雄貴(文3) | |
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2.HO | 渡部 逸記(営4) | 10.SO | 田村 優(文4) | 17 | 茅島 雅俊(商3) ←1.楢山(後半24分) |
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3.PR | 城 彰(政経4) | 11.WTB | 木村 圭吾(商2) | 18 | 名嘉 翔伍(政経4) ←5.友永(後半0分) |
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4.LO | 古屋 直樹(商2) →19.千布(後半26分) |
12.CTB | 大澤 良介(法4) | 19 | 千布 亮輔(政経4) ←4.古屋(後半26分) |
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5.LO | 友永 恭平(政経2) →18.名嘉(後半0分) |
13.CTB | 衞藤 陽介(営4) | 20 | 竹内 健人(営2) | |
6.FR | 三村 勇飛丸(政経4) | 14.WTB | 居迫 雄大(法4) | 21 | 山口 修平(政経1) | |
7.FR | 堀江 恭佑(商2) | 15.FB | 小泉 将(営3) | 22 | 猿楽 直希(政経2) | |
8.NO.8 | 杉本 博昭(商4) |
~試合後のコメント~
細谷ヘッドコーチ
「今日の試合は満足です。これだけのクロスゲームを筑波大、慶大といい勝ち方で来ているのは大きい。選手たちもいい自信を身に付けている。FWもファーストスクラム、接点でのコンタクトプレーを見ても、間違いなくこちらのほうが上回っていましたね。あと、このチームはとにかく一戦一戦のゲームプランをしっかりと守って、誰一人破らない。十分、早稲田と戦い得る力を身に付けた。今は、(早稲田の)帝京大戦などを分析して、万全で早明戦に臨みます」。
杉本主将
「今日は試合中コミュニケーションを取り合って、疲れていると忘れがちになる、プレー1つ1つのことを修正し合い、プランを立て直しながら戦えた。(早明戦に関しては)これで全勝。最強のチャレンジャーとして頑張りたい」。
楢山
「今日は勝ったっていうことが一番うれしい。全勝をつなげた。帝京大のFWは強いと言われてたが、最初にスクラムを組んだときに勝てると思った。」
城(政経4)
「今日はミスもあったが勝てて良かった。(自分自身は)ラインアウトが取れなかったので、この2週間のうちに修正していきたい。一本も引かないという気持ちの面で今日は勝ってたんだと思う。今日はBKが本当によく頑張ってくれたので、早明戦はFWが頑張る」。
古屋
「前半ペナルティが多かったが我慢して点につなげられて良かった。後半はミスから攻め込まれてしまった。個人的には前半に結構ボールを回せて強いプレーができたが、前半終わりに足を痛めてしまって、後半はパフォーマンスが下がってしまった。試合前はチーム全員が相手を倒すことだけを考えていて良かった。得点じゃない、勝ったことが大きい。(早明戦は)相手も全勝で来てくれると思うから、しっかり倒して絶対全勝優勝したい」。
堀江(商2)
「前半からFWでいくことを意識して、最初は少し受けてしまったが我慢した。後半の中盤に相手に圧力をかけられたがこっちも全員が一つになって、うまくいい形で攻めることができた。個人的にはタックルを一発で決めること、もっとボールに働きかけることが課題。(得点については)もっと攻めて取っていきたかった。1トライ1ゴールで逆転される点差だったので必死に守った。(早明戦については)ここまで来たら全勝優勝しかない」。
秦(法3)
「A、ジュニア、Cとここまで勝ち続けてきて、またジュニアにバトンをつなげて良かった。勝ったことは自信になる。帝京大の圧力に絡まれてしまったのでそこを修正したい。試合に出るメンバーも出ないメンバーも一体となって雰囲気がいい。まずは明後日のジュニアの応援をしっかりしたい。早稲田には勝たなくてはならないと思う」。
大澤(法4)
「今日は帝京大もFWで勝負してきてたが、接点でこちらのほうが強かったし、帝京大のゆっくりなスピードに合わせないで、自分たちのペースで戦えたと思う。練習の成果が素直に出ていた」。
衞藤
「昨年の王者に対して気持ちの部分で勝てたと思う。準備の量も違う。勝利はひたむきにいった結果。(一進一退の展開だったが)きれいな試合展開になるとは思っていなかった。春の帝京大戦は出場できなくてチームに申し訳なかったので勝って良かった。しんどい思いをしてみんなが一つになって、勝つよろこびを感じることができた。チャレンジャーとしてこの勝利は自信になる。次の試合は自分にとっては最後の早明戦。しっかり準備して、練習して全力で臨みたい」。
居迫
「(今日の2トライについて)自分のトライはチームのトライ。全勝で早稲田と戦うというのはまた違う。監督がいつも〝明治は負けるな早稲田に〟と言ってますし。(早明戦に向けて)自分自信やれることをやって準備するだけです」。
小泉
「今日は自分の動きはインパクトはなかったが後ろからコールを出し続けることでチームに貢献することが出来たと思う。帝京大は接点が強いチームだけど、それに対して明治も強みを出して戦えた。秩父宮がいっぱいになるほどのすごい雰囲気の中で慶大に勝てたことが大きかった。次も全勝の波に乗ってチャレンジャーとして頑張っていく」。
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