
激闘を制し“全勝のバトン”つなげる/関東大学ジュニア選手権
東海大のキックオフで始まった前半。キックオフのボールをキャッチできず、東海大にターンオーバーされてしまう。「相手FWはでかく強かった」(山口修・政経1)と、本来であればFWで押していきたい明治であるが、今日はなかなかそうはいかない。自陣での東海大ラインアウトからのモールでFWが押し負け、あわやトライというところまで前進を許すが、明治ディフェンス陣が粘りしのぐ。スクラムにおいても押し勝ち前進することがなかなかできず、防戦一方の苦しい時間帯が続く。そのためかマイボールの時間が短く、ペースをつかむことができない。さらに東海大の“FWで崩し、BKに展開”という緩急を使いながらの速い攻めに、ディフェンスが対応し切れずラインが乱れる。すると、ディフェンスラインのギャップをサインプレーで突破される。そして前半10分、自陣ゴール直前でのマイボールスクラムをターンオーバーされ、ポール中央に先制トライを決められてしまう。それでもわずか5分後、敵陣での明治スクラムからBKへ展開。山口(修)から染山(政経2)へパスをつなぎ、染山が相手ラインを切り裂き、同点に追いつく。しかし21分、明治スクラムでFWが押し負け、ターンオーバーされディフェンスの対応が遅れBKに突破を許し7―14と逆転される。それでも怯むことなく明治も28分、染山のハイパントを小澤(営1)がチェイスしタックルからマイボールに。ラインアウトから堀江(商2)・千布(政経4)のゲインで相手ラインを崩し前進。ラックからモールを形成しそのままFWがなだれ込み12-14と2点差まで追い上げる。しかし前半終了間際、相手スクラムから相手SHにブラインドサイドを抜けられ、最後はBKにトライを取られ12-21とリードを許し前半を終える。
夏に負けた相手東海大。その相手に前半リードを許しながらも、勝利した意味はとても大きい。そしてこの勝利に選手たちも喜びを隠し切れないようだった。しかし東海大の強力なFWに苦戦し、いつものような試合運びができなかったことで、選手たちには課題が残ったのも事実。その課題を「大学一の練習」で修正し、14日の1stフェーズ最終戦の慶大戦に臨んでもらいたい。Aチームが対抗戦で全勝を維持していることもさることながら、Bチームをいまだ無敗と、勝利のバトン切らさずにつないでいる。このままの調子を維持し勢いを絶やさず、「全勝街道」を突き進んでほしい。
[三用知英]
1.PR | 石原 慎太郎(政経2) →17.鈴木(61分) |
9.SH | 山口 修平(政経1) | 16 | 茅島 雅俊(商3) ←2.渡部(59分) |
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2.HO | 渡部 逸記(営4) →16.茅島(59分) |
10.SO | 染山 茂範(政経2) | 17 | 鈴木 亮太郎(政経3) ←1.石原(61分) |
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3.PR | 南 誠大(政経3) | 11.WTB | 山口 裕貴(営4) | 18 | 西村 雄大(農1) ←5.梁(61分) |
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4.LO | 日高 駿(文3) | 12.CTB | 太田 晋(営3) →21.佐藤(65分) |
19 | 小河 康蔵(商3) | |
5.LO | 梁 哲盛(営2) →18.西村(61分) |
13.CTB | 猿楽 直希(政経2) | 20 | 筆谷 優樹(政経2) ←7.三村(81分) |
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6.FR | 堀江 恭佑(政経2) | 14.WTB | 小澤 和人(営1) →22.斉藤(80分) |
21 | 佐藤 滉貴(営1) ←12.太田(65分) |
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7.FR | 三村 勇飛丸(政経4) →20.筆谷(81分) |
15.FB | 外原 悠仁(政経4) | 22 | 斉藤 春樹(農2) ←14.小澤(80分) |
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8.NO.8 | 千布 亮介(政経4) |
~試合後のコメント~
石原(政経2)
「前半の入りが良くなかった。ずっと攻め込まれていた。後半は修正できて良かった。個人的には東海大のFWが一番警戒していた。ブレイクダウンとスクラムのプレッシャーを意識した。最後の2トライは気持ちが緩んだから。強い相手になるにつれてそれが命取りになる。慶大戦は全勝が懸かっている。全勝優勝の目標が達成できるように頑張りたい」。
南(政経3)
「今日はBで出られて楽しかった。相手は強かったけれど、練習通りにやれば勝てると思ってやった。前半はセットプレーで受ける形になってしまった。けれど、後半は課題を話し合って修正できた。次の慶大でも出たら活躍できるように頑張ります」。
日高(文3)
「(東海大は)夏に負けた相手なので、勝ててうれしい。東海大はFWが強かった。スクラムを回されたので、(スクラムの成功率を)100%にしたい。(後半最後に追い上げられたことについて)セーフティになってしまった。東海大は粘りがあった」。
堀江
「今日は本当に勝てて良かった。夏大差で負けていた分リベンジできたことは大きい。スクラムは最初のキックオフミスで流れが崩れてしまったのを引きずってしまい前半は押されていたが、後半になるにつれてチームでしっかりまとまって修正していくことができた。東海大もFWが強いが、やはり明治もFWで勝負したいという気持ちが強かった。モールは組めばいけるという意識があったし、後半はスクラムも押せる自信があった。モールからのトライやスクラムでのターンオーバーもできたので良かったと思う。また、試合よりもきつい練習をしている分、後半も足が動くようになった。これからの修正すべき点は、スクラムを最初から押せるようにすることとディフェンススピード。ケガから復帰してまだまだ本調子ではないが、来週のジュニア慶大戦は勝つことを最低条件にして、自分のできることを練習で詰めていきたい」。
三村(政経4)
「前半の入りが悪く、ディフェンスをする時間が多くなってしまった。相手に対してファーストタックルの遅さや、キックもあまり良くなかった。(ファーストタックルの後の)2人目の圧力がハマるようになってから、接点は大丈夫だった。相手はでかくて重かったが、圧力は感じなかった。後半はFWの運動量でこちらが勝っていた。(今後の試合に関しては)Aが慶大との厳しい試合に勝ってくれた。今日も(B、C両方)勝てたので次の慶大もBもCも勝って、帝京大へのバトンをチーム全員で渡したい」。
千布
「東海大に勝てたのがすごくうれしい。やっぱり明治はFWだからFWにこだわって戦った。モールからのトライがとれたのは大きい。今チームの雰囲気がとても良く、(Aチームに)勝利をつなげようと下のチームも頑張っている。自分は試合で流れを変えるインパクトを与える役目があると思う。自分のプレーでチームの勢いや雰囲気を変えたい。(ジュニア選手権は)あと慶大戦だけなので全勝目指して頑張る」。
山口(修)
「前半はFWでいけなかった。キックオフがまぶしく、(キャッチできず)キープできなかった。前半も前にはいけていたので、後半は敵陣に入ればエリアエリアで攻められた。15点リードしてから少しスキができてしまった」。
染山
「今日は前半やられてしまった。キックオフでやられてしまったし、ノータッチになってしまったキックとかでうまく敵陣でプレーできなかった。ノータッチのキックに関しては自分が良くなかった。実力的にはこちらと向こうで五分五分だった。ボールを展開したときはいけると思ったし、負けてなかった。(後半の両チームの疲労に関しては)こちらがトライをとった時は向こうの足が止まっていたし、向こうがトライをとった時はこっちの足が止まっていた。そういう点でも五分五分の、厳しい試合を勝てたのは大きいと思う。次の慶大を勝って(ジュニアの1stフェーズを)全勝で終えて、流れをつくりたい。(Aの試合に関しては)今まではそれほど厳しくない試合だったから自分のプレーをできたが、相手が強くなって、それができるか。まずは、ジュニアで体を張って頑張ります」。
猿楽
「最初は全体として集中できてなかったし、気合も入ってなかった。後半最初も同じだったが、運良くトライを取れてよかった。やるべきことをやればどこが相手でも勝てる。次もいつも通りやるだけ」。
外原(政経4)
「夏の合宿で大差をつけられて負けたので、接戦になると意識していた。今日は気持ちが入ってひたむきにプレーできて良かったと思う。走れていたしタックルもできていた。個人的には一対一の局面で外されたことが課題。ディフェンスの強化を意識したい。最後の二本は余分。全勝で勝ち上がることが目標なので頑張りたい」。
茅島(商3)
「やはり相手の体がでかかった。(途中出場の前に)流れを変えてこいと言われて、前半は苦しい展開だったけれど、なんとか流れは変えられたと思う。今まですごい下まで落とされて、ようやくBのリザーブでここ3試合は出れた。ただ、自分と同じポジションの選手がみんな本当にいい選手で、頑張っているのも知っている。自分がやれることを全力でやるだけ。(チームに関しては)本当にラグビーをやっていて楽しい。全勝のバトンの渡し合いを、絶対に途絶えさせられない」。
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