
大量5得点で慶大に圧勝/関東大学サッカー1部リーグ戦
結果からは想像がつかないだろうが、前半は慶大ペースだった。前半5分、試合開始早々に明大はコーナーキックを得るも合わせることができず、ボールはゴールの前を通過していった。それからはなかなか慶大サイドに進出できず、明大サイドでのボールのやり取りの時間帯が続く。ただ、神川監督が「鉄壁と言ってもいい」と言うように、攻撃のチャンスはつかめないまでも、慶大に決定的なチャンスを作らせることもなかった。前半28分にその忍耐は実る。ペナルティエリア手前でボールを受け取った三田(政経2)がドリブルで切り込む際に、慶大の激しいタックルを受け倒された。ペナルティエリアのわずか手前という好位置で得たフリーキック。ボールを挟んで右に丸山(法3)、左に宮阪(文3)。審判のホイッスルが鳴ると同時に丸山が動き出し、ボールを蹴る。過去に何度も確実にボールをゴールに叩き込んできた明大屈指のフリーキッカーである丸山がしっかりとゴールを決め、慶大の勢いを止めた。ペースを握られていただけに先制点は大きい。その数分後、今度は田中(恵・営3)がペナルティエリア内で倒されPKを得た。試合の流れを明大のものにするためにも必ずほしい2点目。しかし、このチャンスをキッカー山田がまさかの失敗。1-0のまま前半は終了のホイッスルが鳴る。
1点が大事な試合になる。PKの失敗は痛い。そんな大方の予想を裏切るかのように、後半開始10分以内で試合の決着は着いた。後半2分、鹿野(文4)から出たパスは慶大DFラインを破り、ペナルティエリア内の田中(恵)の足元に渡る。田中(恵)からのパスを左サイドにいた山村が受け取ると、キーパーの位置を見て落ち着いてシュートを放ち、2試合連続となるゴールを決めた。その2分後の後半4分、明大応援団の喜びも冷めぬうちに、3点目が決まる。ペナルティエリア外にこぼれたボールを田中(恵)が拾い、そのままシュート。ゴール前で入り乱れる7、8人の選手の頭上を通り抜け、キーパーの頭上も越えてボールはゴールに吸い寄せられていった。取れそうで取れない絶妙なシュートに地面を叩く慶大キーパー。試合の流れはもう明大のものだった。4分後の後半8分、またも田中(恵)が魅せる。慶大ディフェンダーを背に、ボールをワントッラプでコントロールすると、反転してシュート。予想外のシュートだったのか、キーパーの反応は遅れ、ボールは定位置である慶大ゴールに転がり込んだ。
4-0とほぼ勝利が決まっていても明大は攻撃の手を一切緩めない。後半終了間際の後半40分、山村がディフェンダーを引き連れながらシュートを放ち5得点目を奪う。大量得点には神川監督も「こんなに入るとは思いませんでした」と驚きを隠せない。後半43分に慶大に得点を許し、5-1となってしまったが、勝利は揺るがず。激動の後半は終わりを告げた。
「素晴らしい」、「良くやってくれた」、神川監督の口からは賞賛の言葉ばかりが次々と出てきた。最後に1点取られたものの、攻守ともに満足いくものだ。そして、現時点での勝ち点40という数字は例年なら優勝校が最終節に出す数字。今年の強さには神川監督も誉めるしかないというところなのだろう。「やっと理想的なチームになってきた」という神川監督。完成した明大は一体どれ程強いチームなのだろうか。今後の明大への興味は尽きない。
試合後のコメント
神川監督
「選手を誉めたい。こんなに入ると思わなかった。PKを失敗したけど、後半開始してすぐに2点目取れたのが大きい。先週の勝ち方が良かった。そこで選手たちはつかんだんだと思う。鉄壁といってもいい守備。シュートブロックにしっかりいっているし、フリーにはさせなかった。素晴らしい」。
田中(恵)
「前半相手に良い試合をされていた。そこで我慢してやれたのが後半につながったんだと思います。後半は相手の運動量が落ちて、明治が運動量で上回れたから点が取れました。1試合1試合絶対に勝つという気持ちを持っていきたいです」。
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