素晴らしいゲーム内容で流経大に「快勝」/関東大学1部リーグ戦

1999.01.01
 試合開始に合わせたように台風の雨が上がり、澄み渡った空の下ゲームが始まった。両校の厳しいプレスとそれに負けないほどの応援合戦。序盤こそ互いに譲らないゲーム展開となったが、明大が先制点を奪ってからは終始自分たちのサッカーで試合を進め勝利を収めた。

 前半20分あたりまで互いに素早いプレスと攻撃的な動きでまさに一進一退の攻防となった。しかし22分、左サイドでボールを受けた山田主将(政経4)が角度のないところから「シンプルに!」というメンバーの声通り低いクロスボールをゴール前へ。そこに飛び込んだ山村(政経2)がヘディングシュートで見事ゴール。前節の敗戦で神川監督に「お前のせいで負けたと言われた」(山村)という山村がその監督の愛のムチに応えた。先制点を奪った明大は、流経大にチャンスというチャンスをつくらせない。前節の課題であった球際の詰めも修正され危なげなく前半を終えた。

 後半も前半の勢いそのままに、山村のたて続けのシュートなどで明大がリズムをつくった。それでも後半20分以降、流経大も必死の守備と守備からの素早い切り替えで攻撃を仕掛ける。神川監督からは「アグレッシブにやれ!」とげきが飛んだ。途中交代の山本(紘・政経4)、阪野(商2)の2トップで追加点を奪いたい明大。最後はホイッスルが待ち遠しい時間が続いたが、明大が1点を守りきった。

 最終的な結果は1-0というスコアだったが、明らかにそのスコア以上の実力差が見えた試合となった。ここ何試合かケガで本調子ではなかった久保(法4)の復調、久しぶりのスタメンで安定感のある守備を見せた鹿野(文4)、松岡(政経2)。そしてバルセロナでの修行で一回り成長した三田(政経2)、阪野。何よりも前節不振で厳しい言葉を浴びせられたが、今節ではそれまで通り驚異の決定力を見せた山村。まだ他にも調子のいい選手が数多くいるが、彼らの活躍でこのゲームでの明大のチャンス数は流経大と比べ物にならないほどだった。前節敗れた後、神川監督は「不満」と強い口調で語っていたが今節は「とりあえず一安心」と手応えをつかんでいた。ただそんな中でも監督、選手共に「2点目以降取れなかったことが課題」と口をそろえた。それでも負け試合の後としては十分すぎるほどの出来栄えだったと言えるだろう。今節の勝利をきっかけにリーグ優勝へ一気に突き進んでほしい。

試合後のコメント

神川監督
「前節負けた後で、選手も気持ちが入っていた。(前の試合後)ディフェンスを修正した。あっちは1-0だけど力の差をかなり感じていると思う。課題は2点目を取れなかったこと。今日は「強気で」というのがテーマだった。最後までいけ、と。でもチャンスの数が全然違うし1-0という試合ではなかったと思う」。

山田主将
「前負けた後だったし大事な試合だった。自分たちの持ち味である球際の厳しさとか泥臭さが出せたと思う。「初心にかえれ」と言われ、皆整理してしっかりできた。アシストはできたけどチャンスではずしてしまった。2点目を決められていたらと思う。次の試合もしっかり波に乗って勝ったり負けたりしないようにしっかりやっていきたい」。

久保
「この間負けていたから勝てて良かった。90分間しっかりディフェンスができていたと思う。相手の11番に気持ちよくプレーさせないようにできた。(2トップの)山村と自分で近い距離感を意識して前から崩せればいいと話していた。2、3点目決められるチャンスがあったのに入れられなかった。そういうとこで入れていかないといけない。(次節について)1試合1試合全力で相手関係なく勝ち点3取れるようにしたい」。

山村
「勝てて良かった。負けたら連敗だったし。監督に厳しいこと言われて次出られたら点を取ろうと思った。久保さんが近くにいたから上手く崩せた。(ゴールシーンについて)山田さんからいいボールきたから触るだけで良かった。シュートチャンスはいっぱいあったしもっと決められていたら楽にできた。次も出られたら点を取りたい」。