史上初の全日本ジュニア3種目制覇!!/全日本ジュニア障害大会

2013.09.18
 普段の学生大会と違い、高校生大学生にかかわりなく他の乗馬クラブなどからも選手が集まるこの大会。昨年はハイレベルな戦いに、大学王者として君臨する明大も思うような結果を残すことができなかった。しかし、関東インカレ3種目制覇など波に乗る明大はその実力を存分に発揮し見事優勝者を出した。

 大会最終日の決勝に5人が出場するという時点で明大の調子の良さをうかがわせた。その決勝では難しい障害に他の選手たちが苦戦する中、荒木と齋藤が減点0でゴール。減点0の選手たちがもう一度走行し順位を決めるジャンプオフに駒を進める。荒木は惜しくも2つの障害を落とすも、この時点で入賞は確定。そしてジャンプオフ最後の選手として登場した齋藤が、言いようのない緊張感の中その実力を見せつけた。ここまでで減点0でゴールした選手は1人。優勝するには減点0かつその選手より早いタイムでゴールしなければならない。会場全体が息をひそめ見つめた。齋藤は一つ一つの障害を丁寧に、そして機敏に飛び越えていった。最後の3連続障害を残し、優勝に必要なタイムは迫っていた。その障害を綺麗に飛び越え、ゴールしたタイムは優勝を争う選手とわずか約0.4秒差。まさに張りつめた糸が切れるように、会場から大きな歓声と感嘆の声が上がった。プレッシャーをはねのけ見事、齋藤が優勝を勝ち取ったのだ。

「うれしい!その一言に尽きる」と普段あまり感情を表に出さない齋藤が満面の笑みを見せた。「この馬の普段の走りができれば絶対勝てると思っていた」(齋藤)、「能力を信じていた」(長田監督)と、優勝馬となった明菓もこの勝利の立役者だ。そして今大会優勝したことで、明大は今年度行われた全日本ジュニア大会で総合、馬場、障害競技すべてで優勝者を出すという史上初の快挙を達成した。これには選手たちをめったに褒めない長田監督も「すごいこと。頑張った」と称賛の声を送った。ただ「勝ったからうれしいだけでなく、勝ったから次に何をするか考えることが大事」(長田監督)と気を引き締めるのも忘れない。「この勢いで全日本(インカレ)も完全制覇したい」(齋藤)。今の明大なら関カレ、全日本ジュニア、インカレすべてで3種目制覇という夢もそう遠くはない。