(2)端艇部の1日

1999.01.01
 第2回は端艇部の1日の紹介です。端艇部は部員全員が同じ寮で共同生活をしています。それは、クルー全員の呼吸を合わせなければ速度が伸びない “究極の団体スポーツ”と呼ばれるボートならではの特色でもあります。そんな彼らの一般学生とは一味も二味も違った生活に今回は迫ってみたいと思います。

 端艇部の朝は早い。早い人で午前4:30、遅くても7時になる前には起床するという。その理由として、ボートの大会自体が早朝から行われるということも挙げられるが、それよりも、夕方の練習に比べ比較的集まりやすい朝にクルーごとの練習を行うからだ。朝練は主に水上で、各クルーリーダーが定めた練習に取り組む。そのため、基本的に全体で同じ練習をするということはない。そして、練習が終わると朝食を取り、各自学校に登校しに行く。朝からハードな端艇部。このような生活を続けるのは大変ではないのかと思われるが、「(最初は大変だったが)慣れれば問題ない」(岩本・商4)と、特につらいという意識はないようだ。

エルゴメーターで練習をする部員 夕方の練習は、クルーのメンバーがそろい次第始まる。しかし、ボートはクルー全員の息が合わないと勝てないスポーツなので、1人でも5限以降の授業や用事などで欠員が出ると、艇に乗って練習ができない。そのため夕方は陸地での個人練習になることも多い。その場合は合宿所の中庭にあるベンチプレスを使った筋力トレーニングや、心肺機能を高めるためのエアロバイク、そして、陸でも艇上の動きを確認できるローイング用のエルゴメーターなどを使用し練習をする。また、「入水の角度など、ボートに繋がる部分が多い」(岩本)と、近くのスポーツセンターで水泳を行ったりもする。そして、練習が終わった後は夕食。夕食は19時を目安に用意され、終わって合宿所に戻ったクルーから順次食べ始める。

しっかりと疲れをとり、翌日の練習に臨む 夕食が終わると、21時30分の消灯までは自由な時間。この時間の使い方は、1日の練習を振り返るためにローイングノートを書いたり、「後輩の部屋に行くなど、コミュニケーションを取るようにしている」(岩本)と選手同士のコミュニケーション時間充てたりと様々。また、最近導入されたという酸素カプセルに入って1日の疲れを取るものもいる。予約がいっぱいでなかなか入れないというだけあって「1時間カプセルで寝たら、とても疲れが取れた」(高橋(仁)・法2)と効果は抜群。次の日のために疲れを残さないことも、大事な体調管理の1つだ。

 明大端艇部は早めの消灯や、バイトの禁止など、寮生活をする上で制限が多い。それは「勝つために歴代の先輩がつくってきてくださった生活」(岩本)だからだ。この厳しい制約と生活リズムは、長い歴史の中で先輩たちがインカレで勝つために残してくれたものだった。勝つための良い伝統を受け継ぎ、インカレでの好成績に期待したい。

次回の「紫薫」は8月4日更新予定です。