本領発揮、個人・団体3種目完全制覇!/関東学生三大大会

2013.09.18
 明大馬術部にとって絶対に落とせないのが東京六大学馬術大会、関東学生馬術三大大会、全日本学生馬術三大大会の三つの大会。その中の一つ、前期最大の目標である関東学生馬術三大大会が6月24日から27日に行われた。昨年2位になり、連覇が途絶えてしまっただけに「今年は負けたくない」(吉田(賢)・政経3)とこの大会にかける気持ちは強い。

 初日に行われた障害飛越競技。昨年は団体4位と残念な成績だった。この競技で良いスタートを切れなかったことが3種目総合の敗因と言ってもいい。しかし、今年は違った。吉田(学・政経3)・明由、吉田(賢)・明花と双子がそろって減点0で1走目を終え、チーム減点4と首位に立つ。休憩を挟んで行われた2走目。多くの大学が崩れていく中、明大は吉田(学)・明由、齋藤(政経3)・明幸の二人馬が減点0で完走し、チーム減点4と高い水準で安定した成績を残した。1走目と2走目の合計チーム減点8と、2位以下に20点以上もの差をつけ障害飛越競技を1位で突破。個人も吉田(学)がジャンプオフを制して1位。「良い流れをつかめて良かった」(吉田・学)と3種目総合優勝に向け最高のスタートを切った。
 「3種目総合勝てるかは明日の馬場次第」(齋藤)と選手がにらむ2日目の馬場馬術競技。「馬場馬の調子が悪い」(北原コーチ)と試合前、不安が多かったこの競技。ただ、不安だったからこそ1番対策を積んできたのがこの競技だ。明大馬術部OBであり、今年の世界選手権に出場する現役の馬術競技選手の北原コーチに1カ月間徹底的に指導された。去年の悪夢を繰り返さないため、そして何よりも自分たちのために時間を作ってくれた北原コーチのため、この競技が原因で優勝を逃すようなことはできなかった。ライバル日大に差をつけられなければ成功であった馬場馬術競技。驚きの結果が出た。1位西脇(政経2)・明桑、2位齋藤・明菱、3位吉田(学)・メイソ。表彰台には明大馬術部の姿しかなかった。当然のように団体は1位。不安だった。だからこそ努力した。「最高の瞬間だった」と満面の笑みがこぼれる西脇。努力が実ったこともうれしかったが何よりも「コーチに応えられたことが良かった」(西脇)。

 2種目で個人・団体1位を獲得し、3種目総合優勝が大きく近く。それだけではない。3種目全てで個人・団体1位、完全制覇も見えてきた。リベンジと大記録達成がかかる最終種目の総合馬術競技が開始。齋藤と明菓のチャンピオンコンビは調教審査を唯一減点40点台で終えると、続く耐久審査もタイム減点0,4と最小限に抑えて、暫定1位のまま余力審査へ。余力審査を危なげなく、減点0で走行した齋藤と明菓のコンビ。個人1位の座をつかんだ。このコンビはやはり強かった。吉田(学)と明輪も3位で表彰台に上り、団体は1位。完全制覇でリベンジ達成という素晴らしい結果で関東学生馬術三大大会は幕を閉じた。
 「自分が4年生のときにこういう勝ち方ができて良かった」と荒木主将は完全制覇を喜んだ。強いの一言に尽きる勝ち方。3種目総合の団体ポイントは2位日大に400ポイント以上もの差をつけた。スコアを見れば誰もがその圧倒的強さ、すごさを理解できるだろう。昨年の敗北から聞こえ始めた「明治の時代も終わり」という声を吹き飛ばすほどの圧倒的な勝利だ。それでも「去年負けたから、勝ったらいつも以上にうれしいのだろうと思っていたけど、うれしいというよりほっとした」(吉田・学)と喜びよりも安心といいた気持ちが大きい。昨年、全日本学生馬術三大大会を優勝したことで気持ちは和らいでいたが、やはりこの大会での負けは心のどこかで引っかかっていた。優勝を義務付けられることは重いものだ。自身もその重さを経験したことがあるからからこそ「完璧。よくやった」と北原コーチは選手を称えた。
 あの長田監督からも笑顔が見られた。だが、「うれしいが、さらに上を目指す。まだ物足りない」と長田監督にとってはこの大記録はすでに過去の栄光のようだ。そして、選手も歩みを止めるつもりはない「次は全日本でこれをやる」(齋藤)。王者の完全復活は証明できた。同年代に相手はいない。全日本学生馬術三大大会での個人・団体3種目完全優勝を達成した時、現明大馬術部は史上最強と呼ばれるだろう。