
今季初黒星もリーグ戦前期を首位で終える/関東大学1部リーグ戦
「負けなしで終わりたい」。監督・選手はこう口にしていた。だが序盤から駒大にボールを支配され、守備の時間が長く続く。前半18分、相手がペナルティエリア内でフリーの状態になる決定的なピンチを迎えるが、鹿野(文4)の必死のディフェンスでクリアし何とか切りぬけた。すると30分、ようやく好機が訪れる。高木(文3)のゴールキックから小林(裕・政経4)が山田主将(政経4)へスルーパス。山田主将が強烈なシュートを打ち込むが惜しくもGKのファインセーブ。チャンスを生かしきれず、スタンドからはため息が聞こえる。これが本学前半唯一のシュートとなり、無得点で折り返す。
無敗で終えるためにも負けられない後半、明治は果敢に攻める。5分、鹿野が駒大DFの間を抜きシュートを放つがゴールポストの上に外れ、またも決めきれない。このような積極的なオフェンスが裏目に出てしまったのか18分、エリア内でのパスをカットされ、相手のカウンター攻撃を受ける。1対1の状態からゴールを許し、リーグ戦を通して初めて相手にリードされる展開に。「ディフェンスは悪くなかったが、集中力に欠け、中途半端だった」(神川監督)という通り、10試合で4失点に抑えてきた鉄壁の守備が崩されてしまった。失点後は集中力が途切れたのかパスミスが目立ち、監督から厳しい声が飛ぶ。せめて引き分け、とゴールに迫るが相手守備陣にシュートさせてもらえないまま時間が過ぎてゆく。今節までに毎試合となる23得点を挙げてきた本学だが、1点も奪うことができないまま終了のホイッスル。最終戦を白星で飾ることはできなかった。
前回まで圧倒的な攻撃力を見せていた明治だが、今回のシュート数はわずか5本にとどまった。最終戦にしてまさかの黒星。勝利で前期戦を締めくくることはできなかった。だが「自分たちのサッカーができなかったわけじゃない」(神川監督)、「負けたことがいい経験になると思う」(山田主将)と敗戦にもチームは下を向いていない。後味の悪い結果となったものの、「想像以上に勝ち点が取れた」(神川監督)とこれまでの戦いぶりは見事なものだった。得失点差18という数字から、守備・攻撃どちらも優れていることが証明されるだろう。来月4日から「三冠への第一歩」である総理大臣杯が始まる。リーグ戦で見せた勝負強さで優勝をつかんでほしい。
試合後のコメント
神川監督
「1点も取れなくて残念な結果。ただ点が取れないだけで問題ないゲームだった。負けたのがたまたま最終戦なだけだし、1回負けたくらいで1位は変わらない。選手たちは精一杯やってくれた。11試合やるのだからこういう試合があってもおかしくない。(勝ち点28について)予想をはるかに超えた。選手は1位でも油断することなくやっていたと思う。ディフェンスからリズムをつくる、ということを理解しそれがピッチでできている。(総理大臣杯に向けて)課題はシュートまでの過程をどうするかということ。他にも1対1の部分やロングパスへの対応を特に意識して練習していく。総理大臣杯は選手にとって初めての経験なのでコンディションやケガ、カードなどが勝負を分けることになる。内容以上に勝ちを求めてやっていきたい」。
山田主将
「1対0と結果自体良くないので悔しいけれど、試合なので負けることもある。反省する点もあるが、この負けをいい機会にもっとチーム一丸となって、切り替えて戦っていけるようにしたい。悲観的になる必要はないし、特に意識もしていない。いかにこの負けを大事にするかだと思う。(失点は)一発でやられてしまった。相手も勝負強かったけれど、全体に問題がある。攻撃面でも、シュートを打っても得点に結びついていないので修正していきたい。(総理大臣杯は)三冠への第一歩なので、自信を持ってしっかり戦いたい」。
関連記事
RELATED ENTRIES