アベック優勝ならずも男女それぞれ表彰台へ/関東学生選手権

 前期唯一のフィギュアスケートの大会である関東インカレ。今年は男女アベック優勝2連覇を逃したものの、2年生が活躍し、それぞれが表彰台に登った。

<7・8級クラス男子>
 赤いズボンに白い手袋の衣装をまとった佐々木が登場し、ポーズをかまえる。誰もがよく知るあのコミカルで楽しげな曲がかかった瞬間、スケートリンクは一瞬にしてディズニーの世界へ変わった。スケート界きってのエンターテイナーである佐々木は、今年のフリープログラムのテーマをミッキーマウスに。エレクトリカルパレードをアレンジした曲を使用し、観客誰もが見ていて楽しいと思う演出が施されている。テンポの速い曲に合わせて、持ち前の激しくそして軽快なステップを踏む佐々木。沸き上がる手拍子と声援にのってリンク中を駆け巡る彼の姿に、観客の盛り上がりは最高潮へ。群を抜く表現力で周囲を圧倒し、会場を大きく沸かせた。しかし、その一方でジャンプは精彩を欠き、転倒を連発。大きく減点されてしまったことで得点が伸び悩み、結果は3位に。「1位をとらなくてはだめだった。滑りこめてなくて集中しきれなかった」と調整の甘さが出てしまった。だが、悔しさだけでは終わらせない。今大会での課題は今後の彼への成長の糧となる。「これからのシーズンでどれだけ上に行けるかが勝負。そのために筋トレなどで体づくりをしていく」とすでに佐々木はシーズンに向けて動き出している。貪欲に上を目指す彼の姿勢はさらなる飛躍につながるだろう。

<7・8級クラス女子>
 最初のコンビネーションを難なく決め、好調なスタートをきった石川。落ち着きのある演技を見せ、ジャンプを次々と成功させていく。最後まですきのない丁寧なスケーティングを披露。2位と約15点もの大差をつけ見事優勝に輝いた。これは「昨年よりもコンスタントに練習できていた」という状態で臨んだことから得られた結果だ。特に今回、フリップを2回決められたことが彼女の中で大きな収穫に。「充実した練習を続けることで調子の上がり下がりが安定してきた」ことが石川の自信につながっている。しかし、それぞれの動きの中で細かな減点があったのも事実だ。あくまで、石川が目指すものは「ノーミスであること」。シーズンに向けて、「気持ちのゆるみが出ないように一つ一つの演技を確実にこなしていきたい」と頼もしく語った。

 連覇ならず悔しい思いを噛みしめたのは2位の高山だ。最初のコンビネーションはきれいに成功させたものの、その後はジャンプの転倒やミスが目立ってしまい大きく減点。「メンタル的にも体力的にもまだ足りないものがいっぱいある」と自身の課題を痛感する結果となってしまった。しかし、「すべてのジャンプを全力でできるように体力をつける」と今後の練習に意欲的に取り組もうとする高山。次の大会こそは、納得のいく演技を披露してほしい。

 それぞれ今大会で手にした収穫と課題。それらをシーズン向けてどう生かしていくかが大切となる。次なる大会は10月の東京選手権。彼らの真の戦いはこれからである。