PK戦で法大を下し、本大会出場が決定!/総理大臣杯全日本大学トーナメント

1999.01.01
 勝てば決勝トーナメント進出が決定するこの一戦。法大を相手に試合はPK戦までもつれ込む展開となったが、GK高木(文3)の好セーブもあり勝利を収めた。この結果、7月から行われる総理大臣杯本大会へ出場することが決まった。

 勝って関西へ。チームにはリーグ戦と違う雰囲気が流れていた。先制点のチャンスが訪れたのは前半13分、山田主将(政経4)がゴールラインギリギリのところから久保(法4)へつなぎシュート。「試合は久しぶりだけれど、得点できてよかった」(久保)とゴール右隅へ決まり、先制に成功する。追加点がほしい明治だが32分、一瞬のすきを突かれ相手DFにフリーの状態でシュートを打たれる。高木が滑ったのかボールを止めることができず、1-1の同点に。リードを保てないまま前半を終える。

 何とか勝ち越したい後半。37分、相手のハンドによりPKを獲得すると、キッカーは山田主将。鋭いシュートにGKの反応が遅れ、2点目を挙げる。しかし2-1とリードしたことで選手たちの気持ちが緩んだのか、監督からは「集中!」の声。その直後だった。ロスタイムに相手FWと競っていた鹿野(文4)のオウンゴールのような形で、手痛い1点を献上することに。何度もピンチを救ってきた守護神・高木でも止めることはできなかった。勝利目前で試合は振り出しへ。迎えた延長戦、「うちのペース」(神川監督)と積極的な攻撃が見られる。だが素早いパス回しから何度もゴールに迫るものの、あと一歩のところで決めきれない。決定力を欠き、3点目を挙げられないまま延長戦終了のホイッスル。

 「去年負けていないので自信はあった」(高木)という勝負のPK戦、本学最初のキッカーは2点目のゴールを決めた山田主将。しかしプレッシャーもあったのか、ボールはバーの上に外れ失敗となってしまう。だがその後は奥田(商3)、山村(政経2)、高木、小林(裕・政経4)が成功させ、念願だった本大会出場が6年ぶりに決定した。

 「チームに守備の意識を持たせなければならない」(高木)、「チャンスで決めていたらもっと楽に勝てた」(久保)というように、守備の乱れや決定力不足など課題が多く残る試合となった。しかしそれと同時に明治の勝負強さを見せつけた試合でもあった。接戦の末に勝ち取った本大会への切符。ただ優勝を目標に掲げる本学にとって、この試合は関東代表決定戦にすぎない。選手、監督が口にする「3冠」に向けて一つ一つ戦っていくだけだ。

試合後のコメント
神川監督

「内容より勝つことだけに集中してやったので、目的が果たせて良かった。法政も調子がいいので苦しい試合を予想していたが、選手たちの勝ちたいという気持ちが切れていなかった。延長に入ってから攻撃は良かったがディフェンスが乱れ気味で、戦い方が悪かったように思う。(PK戦は)集中するだけ。PKは入れて普通。山田が外したのは考えすぎだから。(今後について)大阪行きの切符が取れて本当に良かった。残りのリーグ戦も今日の経験を生かして負けなしで終わりたい」。

久保
「勝てて良かったが、チャンスで決め切れなかった。リーグ戦と違うのは失点しないことが大事だということ。PK戦は勝つことを信じて見ていた。次節対戦する流経大には去年2連敗しているので、守備からしっかりして、負けないような試合をしたい。(本大会出場が決まったが)出るだけでは駄目。全国に明治のサッカーを見せつけたい」。

高木
「得点したあとに追いつかれたのは自分のミス。守備を立て直す必要がある。守備が崩れたわけではないが、相手の勢いに負けていた部分があったのでもっと厳しくいかないといけないと思う。(PK戦は)止められるのは自分しかいないので自信を持ってやった。山田さんが外したのは想定外だったが、相手のシュートを止めることができて良かった。(3冠に向けて)一つ一つやっていくだけ。足元を見ておごらない気持ちで、今やるべきことをしっかりやりたい」。