日頃の鍛錬の成果を堂々披露/第48回全日本合気道演武大会

1999.01.01
 夏のような暑さのなか、行われた合気道演武大会。今大会は日本各地から集まった合気会の登録道場・社会人団体、学生団体が年に一回、日頃の鍛錬の成果を発表する重要な大会だ。約8000名の出場者と観衆を合わせ1万人以上の人が集結。会場には国籍・年齢・性別を問わずさまざまに人びとが集まり、幅広い人々が演武を行った。

 そもそも合気道とは、他者と勝負を競うことを目的とせず、心身を鍛練し豊かな人間性を育むことを目的としているものだ。お互いを尊重するという姿勢を貫く合気道はまさに「和の武道」といわれる所以だろう。そのため、演武に対する点数や順位は一切付かない。

 太鼓の音とともに始まった最初の学生演武。学生らしく、元気が良かった点が印象的だ。今回披露したのは、「正面打ち入身投げ」「正面打ち第一教」「横面打ち四方投げ」「両手取り天地投げ」「片手取り小手返し」の計五種類。「これらの技は基本的な技ばかり。」(和中主将・政経4)だが、このような大きな舞台での演武は緊張感があり、難しい。
 また大勢の学生が一斉に演武するため、互いに気を遣いながら演武をするということも、合気道の精神に基づいている。「同じ一つの技でも、大学・団体によって少しずつ違いがある」(間庭・文4)。演武大会においても、常に他の演武者の演武について研究するという真摯(しんし)な姿がうかがえる。様々な人が演武するこの大会は、技を養う良い機会となっているのだ。
合気道に対して、常に高い意識と向上心を持って取り組む部員たち。秋の大会には、さらに磨きのかかった演武を見ることができるだろう。