拓大に4-0で勝利し、開幕4連勝!/関東大学1部リーグ戦

1999.01.01
 明大は前節ペースを握られる苦しい試合展開を耐え忍んで国士大相手に勝利をつかみ、開幕3連勝した。第4節の相手は明大とは対照的に開幕3連敗と勝ち星が遠い拓大。勝利に飢え、必死にプレーする拓大に対し前半1得点、後半3得点と大量得点を奪い圧勝。今年の明大の波はそう簡単に止められないということを見せつけた。

 前半のシュート数は明大が2本。拓大は3本。この数字が示すように前半は互角の戦いだった。明大がパスサッカーで攻めれば、拓大が素早いカウンターを仕掛けて明大ゴールを脅かすといった互いが持ち味を存分に発揮。しかしその均衡は27分に破られた。ペナルティエリア右角から1メートル以内という絶好の位置でFKを得た明大。キッカーの丸山(法3)は「自分が何とかしたいと思っていたので点を取れてよかった」というように5枚の高い壁を前に気持ちのこもったシュートでボールをゴールに叩き込んだ。明大は得点後に勢いに乗り、拓大のゴールに迫るも得点は奪えず、前半は1-0で折り返した。

 後半は久保(法4)のゴールショーとなった。開始直後に左サイドの小林(政経4)からセンタリングが上がるとペナルティエリア中央にいる久保が頭で合わせてゴール間近の田中(恵・営3)にボールが渡る。ホイッスルが鳴りこのプレーはオフサイドとなったが早くも得点の気配が漂ってきた。そして後半8分。またも左サイドから三田(政経2)がペナルティエリア前にいる小林にパスが通る。直後に小林からペナルティエリア内にいる山本(紘・政経4)へ。山本はゴールを背に久保へパスを出すと、ボールを受け取った久保が拓大DFを上手くかわして強烈なシュートでゴールネットを揺らし、明大に2得点目をもたらした。久保、まずは1得点目。後半20分、久保のストライカーとしての才能が爆発する。田中(恵)からパスを受け取り、迷いなく久保がミドルシュートを放つとボールはゴールへ真っすぐに飛び込んだ。その豪快なゴールに観客から歓声が漏れた。今年の明大は勝つだけではない。魅せるプレーもしてくれる。久保、2得点目。ここまでくると誰もが期待してしまうあの記録。後半45分、諦めかけたときに記録達成の瞬間は訪れた。小林が倒されPKを獲得。キッカーはもちろん久保。場内は勝敗よりも記録達成への期待に包まれた。緊張の一瞬。静まり返るスタジアム。期待に高鳴る鼓動。久保がシュートを放ち、ゴールを決めたそのとき緊張から解き放たれた場内は大いに沸いた。スタジアムに巻き起こる久保への賞賛の拍手。久保はハットトリック達成で得点ランキング2位と得点王争いに名乗りを上げた。互角の展開で始まった試合は4-0で幕を閉じた。

 これで開幕4連勝。山田主将(政経4)の不在が心配されたが、ふたを開けてみれば圧勝だった。層の厚さというリーグ戦を勝ち抜くには重要なポイントは素晴らしい水準に達していることが証明された今節。また、大量得点に目がいってしまうが、開幕から無失点という守備力の高さも注目すべき点だろう。ダークホースという形で日本一となった前年だが、今年はまさに王者として日本一を狙えるチームとなった。今年の明大は強い。

☆試合後のコメント☆
・神川監督

「勝てて良かった。0点で抑えられ、得点も取れた。久保が点を取るとチームに勢いが出るから、彼が点を取れたのはいい。守備も丸山を中心に落ち着いてカウンターに対応できた。(山田主将の不在について)スタメンで使うこともできたが大事をとって温存した。その穴を埋められる良い選手が次から次に出てくる。神大は去年勝てなかった相手だから絶対に叩きたい相手。5連勝したいというより神大に勝ちたい」。

・久保
「勝てたのは良かった。ただあまり繋げられなかったのは駄目な点。もっとしっかりやっていきたい。プレー事態はあまり良くなかった。次節は中3日だからコンディションをしっかり整えて、今年の明大は違うぞというところを見せたい」。

・丸山
「格下相手である意味難しい試合だったが勝てたので良かった。キーパーが中途半端な位置にいたので、逆に蹴ったら少しコースが甘かったが入った。自分が何とかしたいと思っていたので点を取れて良かった。中3日は体力的にきついかもしれないが、それを言い訳にしないでまた無失点で5連勝したい」。