昨年の雪辱を晴らし水谷が初優勝/ジャパントップ12

1999.01.01
 全日本選手権の成績を参考に選ばれた男女それぞれ12人が頂点を目指すジャパントップ12。水谷(政経2)が2回目の出場で初優勝を果たした。

 予選Aグループの水谷は吉村(野田学園高)、昨年の世界選手権代表丹羽(青森山田中)と対戦。調子は良くなかった」ながらも、格の違いを見せ付け快勝。準決勝で対するのは北京五輪代表の強敵、韓(東京アート)。2セットを先取するも、疲れからかイージーミスが目立ち、3・4セット目を取られイーブン。それでも水谷は集中力を切らさず5・6セット目を勝ち取り、勝利の瞬間には思わずガッツポーズを見せた。

 そして迎えた決勝は、全日本選手権で苦戦した張(東京アート)と対戦。1セット目はデュースの末逆転勝ちで先取したが、2・3・4セット目を立て続けに取られ窮地に立たされる。同様の試合展開となった全日本選手権準々決勝の再現のような状況に「敗北」の二文字が頭をよぎり、「集中力が切れてしまった」という水谷であったが、満員のスタンドを見て「負けられない」と気合いを入れ直し、息を吹き返したかのように怒涛(どとう)の反撃。先日の全日本選手権をほうふつとさせる劇的な勝利を収めた。

 試合後の記者会見では「苦しい試合だったがほっとしている」と安堵の表情を見せた。試合全体を通して「テクニックでかわすのではなく真っ向勝負で勝つこと」を意識したという水谷は、「自分の成長を実感」できた一方で、「逆転された時に動揺してしまった」ことに関しては「反省を生かせなかった」と悔やんだ。また、5月に控えている世界選手権についての質問に水谷は「選ばれたらやはり中国を意識して戦っていきたい」と、かねてからの打倒中国のスタンスは健在。「中国は自分のプレーをさせてくれないのでその中で自分の実力を試したい」と宿敵への思いを口にした。

 今年本学卓球部に入部するルーキーに対しては「頑張って自分についてきて、自分と張り合うような選手になってほしい」とエールを送り、賞金の100万円の使い道については「いつも応援してくれるチームメイトとゆっくりご飯を食べたい」とチーム思いの一面ものぞかせた。「世界の水谷」の心にはいつでも紫紺の炎がともっている。