「今までで一番きつい戦いになると思う」 天皇杯・皇后杯全日本卓球選手権展望

1999.01.01
 世界最高レベルの国際大会であるグランドファイナルを欠場するなど、水谷の全日本に賭ける意気込みはかなりのものだ。「(グランドファイナルを)欠場するかどうかは11月頃から迷っていて、最後は自分で考えて結論を出した」と語る水谷は、全日本について「日本のプレーヤーとして、やはり全日本という大会は重みが違うし、勝つ事の意味が他の大会とは変わってくる」と全日本への強い思いを明かした。秋から冬にかけて続いた海外遠征の疲れも完全に癒え、年末年始は卓球に打ち込めたという水谷。高山監督も「(水谷)隼は自分のすべき事を分かっているから問題ない」と太鼓判を押す。

 最大の注目である単複4連覇。水谷は「連覇を重ねるごとにプレッシャーが重くのしかかってくる。今回負けたら4連覇をするには最低でも4年かかる。それだけすごい事だと思う」と連覇へのプレッシャーを口にした。また、福原愛(早大)との大物コンビが期待された混合ダブルスについては、シングルス・ダブルスへ集中するため出場を見送った。「男子相手と女子相手ではボールを打つ感覚が違うし、混合は難しい。(福原)愛ちゃんと話をして決めた」(水谷)。

 そして忘れてはならないのが単複の複、ダブルスだ。水谷とペアを組むのは、昨年の世界卓球でもパートナーを務め日本人12年ぶりのメダルをもたらした岸川聖也選手(スヴェンソン)。年末年始は別々の場所で練習し、大会直前に合流し本学の合宿所でダブルスの練習をするという二人。ダブルスについて水谷は「岸川さんとはやり慣れているのでペアの心配はない。いつも通りの卓球ができれば」とコメントした。

 OBであり、全日本単複4連覇という斎藤清氏(昭60営卒)の大記録に挑む水谷。偉大な先輩の姿を追いかけ、水谷は重圧と戦いながら栄光へ突き進んでゆく。

監督・選手のコメント
高山監督
「本人が一番プレッシャーを感じていると思うが、隼は自分がやるべきことをよく考えている。組み合わせ的には初戦から楽な戦いとは言えない。一戦一戦が勝負になってくる。(グランドファイナル欠場は)12月の海外遠征後に本人から申し出があった。普通なら欠場するような大会ではないので、それほど全日本連覇を重要と捉えているのだろう。また、引退した4年生の中でも、実業団に進む林(営4)・柴田(法4)は引退後も現役と同じ練習を続けているので、好成績を期待したい」。

池田主将(法3)
「調子はいい感じ。個人戦なので団体戦に比べ若干の孤独感はあるが、試合は試合なので、夢中で戦うだけ。目標はランク入り。キャプテンという立場なので、明治の名に恥じない試合をしたい」。

水谷
「年末年始は卓球をやりこんだ。(グランドファイナル欠場は)グランドファイナルも全日本も非常に大きな大会なので、どっちつかずになりたくなかったのが一番の理由。全日本連覇は回を重ねるごとにプレッシャーが高まってきている。今回の組み合わせでは全日本の代表選手と多く当たる。その中では自分は決して飛びぬけていない。一戦一戦が勝負になると思うし、今までで一番きつい戦いになると思う。早く全日本をいい形で終えて、楽になりたい」。