
金澤・西原組終焉…帝京大にリベンジならず/全国大学選手権
だが、「前半の途中から、ブレイクダウンで相手が劣勢になり反則で後退していった時点で、帝京の戦い方ができていたと思います」(帝京大・野口主将)。その言葉通り、2本のPGで5-6と逆転し、その後も接点で明治を圧倒した帝京大が29分、36分とトライを重ねて試合は完全に帝京ペースとなってしまう。
明治もBKのゲインから素早く展開し、飛ばしパスを織り交ぜた攻撃でチャンスをつくるも、接点で上回る帝京大の前にペナルティを犯し、得点にはつながらない。試合前課題として挙げられていたモールDFがうまく機能せず、接点でも優位に立つ帝京大に自陣でのプレーを強いられたまま前半を終えた。
後半も開始直後から帝京大が畳み掛ける。FBのロングキックで敵陣に入り、最後は強力FWで仕留めるという帝京大の確立されたスタイルに死角はなかった。6分、20分、29分と連続してトライを奪われ、万事休す。6-43とセーフティリードを奪い余裕の試合運びを見せる帝京大の前に、このまま試合終了かと思われた後半ロスタイム、明治が最後の意地を見せる。43分、途中出場の猿楽(政経1)のビックゲインからチャンスをつくり、逆サイドに展開して最後は小泉が一矢報いるトライ。今年の明治が追い求めた形で奪ったトライには、ファンからも大きな拍手が送られた。
1.PR | 木暮 宗(商2) | 9.SH | 秦 一平(法2) →20.下村(後半38分) |
16 | 渡部 逸記(営3) ←2.伊吹(後半38分) |
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2.HO | 伊吹 誠介(政経4) →16.渡部(後半38分) |
10.SO | 田村 優(文3) →21.染山(後半21分) |
17 | 榎 真生(政経1) ←3.小野(後半16分) |
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3.PR | 小野 慎介(政経2) →17.榎(後半16分) |
11.WTB | 小泉 将 | 18 | 友永 恭平(政経1) ←5.名嘉(後半38分) |
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4.LO | 鎌田 祐太郎 | 12.CTB | 溝口 裕哉(政経2) | 19 | 竹内 健人(営1) ←6.堀江(後半16分) |
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5.LO | 名嘉 翔伍(政経3) →18.友永(後半38分) |
13.CTB | 衞藤 陽介(営3) | 20 | 下村 真太朗(法2) ←9.秦(後半38分) |
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6.FL | 堀江 恭佑(政経1) →19.竹内(後半16分) |
14.WTB | 居迫 雄大(法3) →22.猿楽(後半36分) |
21 | 染山 茂範(政経1) ←10.田村(後半28分) |
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7.FL | 西原 忠佑(政経4) | 15.FB | 石丸 剛也(政経4) | 22 | 猿楽 直希 ←14.居迫(後半36分) |
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8.NO.8 | 杉本 博昭(商3) |
~試合後のコメント~
吉田監督
「4月から、王座奪回という高い目標を設定し気合を入れて選手とここまでやってきた。今日、選手は魂を込めて、グラウンドで自分を信じて自分のプレーをやりきってくれたと思う。早稲田戦でのトライ、今日の2トライなど、ボールを動かしながら前に出て取ったトライは、一人ひとりがボールを持ってしっかり勝負し相手のギャップを切り裂くことができた結果だと思います。今年目指した方向は来年も続けていくつもりです」。
西原主将
「今日は完全な力負けだということはみんな分かっていると思います。試合中、みんなには今できることをしっかりやろうと声を掛けていました。80分間、できるだけのことをやれたと思うし、自分たちの力は100%出せたと思います。対抗戦のときよりも点差は縮まっているし、選手の力も伸びている。スクラムはあまりよくなかったが、ラインアウトは獲得率も上がっているし、成長できた部分も多かった。このチームはもっと上に行けるチーム。今日の試合で後輩が何かを感じてくれればと思います」。
伊吹
「一人ひとりの接点、密集のプレーでは帝京の方が強かった。後半にトライを連続で取られた後、みんなインゴールで沈んでいるときに、気持ちの面で4年生が切り替えていけなかったことには責任を感じる。
スクラムも勝ったり負けたりでペナルティも意識ひとつの問題だった。もっと押されるかなと不安だったけど、圧力はそこまでなかったし、対抗戦のときより成長したと思う」。
堀江
「今日の試合はFWで相手にやられてしまった。 最初はいけると思ったが、こっちが反則を重ねたことにより自らリズムを崩していってしまった。 だが、対抗戦のときと比べて戦えたと思う。 1年生のうちから大学選手権で国立のピッチに立ててすごくいい経験ができた。2年になったら、もっと自分も含め体を大きくしてFWで圧倒していけるようになりたい」。
秦
「リベンジ、そして決勝戦進出へ結びつけるため、今日の試合に挑んだ。チームは一つになれていたし雰囲気も良かった。帝京は強かった。具体的には一人ひとりのブレイクダウン。個人個人では勝っている部分もあったが、スキルなどは帝京が上だった。最後のトライは来年に続く良い形でトライが取れたと思う。今年、新体制1年目で、4年生たちは率先して引っ張って行ってくれた。いろんなことを学ぶことができた。自分自身は、今年上には上がいるということを学んだ。来年度は試合に出続けられるよう努力をする」。
田村
「自分も含めみんな今日は普段しないようなミスをしていた。帝京のFWのプレッシャーの前に、想定していたプラン通りに動くことができなかった。誰が見ても力負けしていたし、力が及ばなかったことはみんな素直に受け止めている。今年からは体制が変わり、良くなった部分と悪くなった部分があった。良かった部分はBK、良くなかった部分はFWのセットプレーとブレイクダウンなど。来年からは今の3年でまとまってウェイトなどから厳しくやっていくしかない。今年のシーズンについては色々な意見があると思うが、来年のことはまだ具体的には決めていない。今年の方針にFWに対するこだわりを加えてやっていきたい」。
石丸
「今回は、対抗戦のリベンジという気持ちで臨んだ。負けたら最後だからもちろん勝ちに行った。帝京は結構研究をしていたし、そのため立ち上がりも良かった。だけど自分たちのミスが多くなって我慢ができなかった。もっと取れる部分があった。(後半最後の猛攻は)やるしかない、という気持ちだけだった。
負けて本当に悔しい。来年度は主力も残っていて優(田村)やヒロ(杉本)がいるからやってくれると思う」。
榎
「4年生が負けたら終わりという試合で、力になることができず申し訳なかった。けれど、もう落ち込んでいるばかりではいられない。今の4年生を報いるために、来年は絶対に勝ってみせます」。
猿楽
「相手が疲れていたこともありましたが、縦への突破という自分の持ち味を発揮できました。まだ大学生活に慣れていないこともあり、4年生には迷惑をかけてしまいましたが、ラグビーについて、そして大人になるということなど色々と学ぶことがありました」。
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