箱根駅伝エントリー選手インタビュー(2) 石川(卓)主将
――今年は関東インカレからコンスタントに結果を残してきましたね。
箱根のケガを引きずっていたので自分は2月中旬から始動しました。やっぱりキャプテンとして2部に落ちてはダメだろうと思っていたので…。関東インカレでポイントを取らなきゃとは思っていてもそこにベストに持っていくのが難しくて気持ちで走ったレースでした。調子があまり良くなくても気持ちでカバーできるのは成長した部分だと思います。またレベルを1つ上げれた試合でした。
――関東インカレの5000mで3位入賞したときのガッツポーズが印象的でしたね。
一安心して、うれしくて……。安心したから出たものでしたね。キャプテンとしての重圧から解放されたというか。チームを勢い付けられたと思いますしね。
――自己ベストも5000m、1万mともに更新しました。
そこはそんなにこだわってないんです。タイムは出したらそれを越していくだけなので。評価はしますけど、それを越えていく練習をしないといけないですからね。
――出雲は石川さん自身アンカーで日本人トップという結果を残しましたが、チームは12位という結果でした。
出雲はチーム全員が過信している部分がありました。それが悪い方向に行ってしまったのだと思います。
――チームに過信、ですか。
そういう言動が見受けられました。でもうちは個性派集団だと思っているので、それを注意したところでそうそう意識を変えれるものじゃないんです。だから1度失敗して次に生かせられればと思っていました。だから自分は出雲に膿(うみ)を全部残してきたって思います。1度失敗したから失敗は2回も繰り返さないだろうって信頼していましたし。
――出雲の失敗の後、全日本では3位でした。石川さんも4区で日本人トップの成績を残しましたね。
自分自身、出雲の失敗があっただけに次は失敗できないっていうプレッシャーがありました。だからこそ冷静さに欠けたレースになってしまったと思います。後ろからベンジャミン(日大)が追ってきていたんですが、負ける気はしなかったんです。でもそれが過信になってしまったのだと思います。だからこそ悔しくて。あれが今シーズンで1番悔しいレースです。
――キャプテンに就任してから何か変えたところはありますか?
キャプテンだから特に何か言うとかはないです。キャプテンとして結果を出してチームに勢いを付けれたらと思っています。でも4年生になってプレッシャーを感じました。それで胃が痛くなったり眠れなくなったりしたこともありました。でも誰かに相談してしまうとその人まで不安に思ってしまうから、一人で考えて、考えて……。そこからそれだけ期待されてるんだからそれを喜びに変えようって思うことにして。プレシャーを吸収して感じ方を変えたらいいパフォーマンスに変えられましたね。
――次の箱根を走れば4年連続で箱根駅伝を走ることになります。これは明大では21年ぶりの記録です。
箱根を4年間走るっていう経験をできる人は少ないし、箱根を走るのが目標の1つでもあり、モチベーション維持の1つでもありました。だからこそ、そこでしっかり結果残して何かを感じることが大切だと思います。出るだけじゃ意味がない、次につなげていければいいなと思います。キャプテンとして最後の箱根でしっかりと残さなきゃいけないと思っています。
――石川さんにとって最後の箱根で後輩には何を残してあげたいですか?
残してあげたいというか、考えてほしいことがあります。
何をしにこの大学の、この競走部に来たのかを考えてほしい。最近思うのは大学に入ってなあなあに過ごしている人が多いと思うんです。もっと責任を持って毎日を過ごしてほしい。すぐにタイム出してしまう人もいますけど、結果よりもプロセスが大事。もう全部自己責任になるので、だからこそ来年、今の4年生が抜けた後のピンチどうするか。2、3年生が意地を見せて欲しいです。
――チームの雰囲気は石川さんが1年生の頃から変わりましたか?
がらっと変わりましたね。昔はやる気ある人だけが目立ってたんですけど今は違う。今は一生懸命やらない人が外されます。そういう風にどんどん変わってきました。力のある子たちが入ってきて、刺激になって手応えも感じてます。だからこそ箱根は楽しみですね。多少の不安もありつつ、自信もある。それがベストの状態だと思います。
――明治大学は石川さんにとってどんな場所ですか?
強い選手を養成する場だと思います。やらされるのではなく自分でやる、それが結果につながり、自信になる。そういうのは明治だけなんじゃないかなと思います。明治だから良かったって思いますよ。
――国際千葉駅伝にも出場されましたね。
すごくいい経験になりました。マラソンで世界を目指したいと思っている身としては本当うれしかったですね。あのメンバーで走れたこと、そこに自分がいたことが不思議です。走りとしては体が動かなかったです。ケニアの選手とはやっぱり走力が違いました。勝負挑んだんですが完敗ですね。でもつけたことはうれしいし、積極的なレースはできたかなと思います。
――常に結果を残し続ける石川さんの原動力はなんですか?
全部自分でやろうって決めたからです。陸上をやるって決めたから後悔したくない。努力の大切さを知って陸上の楽しさを知りました。全部自分次第だってことに自分で気付けたからです。
――箱根に向けた意気込みをお願いします。
今回の箱根は絶対にやってやるって思ってます。自信があるんです、絶対に結果を残してやるって。自分にとって次の箱根はターニングポイントになるし、色んなことを感じられる大会になると思います。だからこそ全力で、4年間のすべてをつぎ込んで、4年間で1番追い込みます。自分で結果を残してチームの結果につながればと思います。故障しないように気を付けて本番は、自分の力を出し切りたいと思います。
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