
いざ国立へ!関大に2-0で勝利/全日本大学選手権大会
「ケガで出場できなくてチームに迷惑を掛けた。次は出られたら結果を出します」。その久保の言葉は本物だった。前半7分、コーナーキック後のこぼれ球を宮阪(文2)が関大DFと競りながら頭で小林(裕・政経3)にボールをつなぐ。ボールを受け取った小林は軽くボールを浮かせてペナルティエリア中央にいる久保へパス。久保はDFに囲まれてもなおボールをキープし、スライディングしながらシュートを放つとボールはゴールに転がり込んだ。早い時間帯での先制点に普段以上に沸くスタンド、ベンチ。明大は国立への距離をぐっと縮めた。しかしこの得点が関大を本気にさせる。関大がボールをキープする時間は長くなった。明大のクリアボールはことごとく関大に渡り、なかなか攻撃の糸口がつかめない。しかし明大の守備は安定していた。その見事な守備には神川監督も「ここまで耐えしのげるかという気持ちだった」と驚く。追加点はなかったものの、相手のチャンスは完全につぶして、前半は終了した。
半世紀ぶりの国立まで残り45分。明大は、後半開始から久保がヘディングシュートを放つなど、チャンスが訪れるようになった。守備一辺倒だった前半とは違い、何度も関大ゴールに迫る。潜在能力はあると言われ続けてきた明大がここにきてようやくその能力が全開になった。「負ける気がしなかった」(田中(政)主将・営4)。そして後半35分、都丸(政経4)がヘディングシュート。そしてGKがはじいたボールをまたも久保がシュートを放ち今日2得点目。今試合は本当に久保が良く働く。まさに有言実行だった。その後も明大は最高の守備を見せ、勝利。ホイッスルが鳴り響いた直後に神川監督は「よっしゃー!」と両手を大きく挙げた。
「今日は自分たちのサッカーができた」と試合後に満足気に語る神川監督。それもそのはず、今日の試合は守備、攻撃どちらも見事であった。決勝の相手は総理大臣杯を優勝した福岡大。「相手は王者、こっちはチャレンジャー」(神川監督)と格上認めざるを得ない、強敵との戦いになる。
リーグ戦前期2位となかなかの成績で折り返した明大。そして日本中が注目した天皇杯ベスト16という素晴らしい結果をはさんで、リーグ戦後期3位と少し落ち込んでしまった。良いときと悪いときの浮き沈みが激しかったチームがようやく完成した。数々の大学サッカー部の4年生がその活動を引退していく中、二校にのみ許された年を越した後の試合に挑む。勝とうが負けようが次で最後。願わくはハッピーエンドに。
☆試合後のコメント☆
・神川監督
「リーグ失点が多かったので、トーナメント前にディフェンスの重要性を再確認した。それで、今大会はPKの失点のみ。成果が出た。国立は未知の世界だが、気負わず、見ている人たちに、一生懸命頑張っているいいチームだと思われるサッカーをしたい」。
・田中(政)主将
「今日は本当に集中していて負ける気がしなかった。負けたら最後だし、1年間何度も苦しい試合を経験してきたことが守り切れた要因。蛭田(商4)が負傷交代したから、あいつのためにもという気持ちがあった。スタンドも声を張ってくれていた。ワンサイドゲームになる時間もあったが、巡ってきたワンチャンスで決められた。自分は九州出身だから九州のチームには負けたくない。タイトルを取りたい」。
・都丸
「厳しい試合になると思っていたけどやっぱり厳しい試合になった。ここまできたら相手は関係なくとにかく自分たちのサッカーをやろうと思う。(国立の舞台について)すごく上にある舞台。行きたくても行けない人はたくさんいる。みんな見に来てくれるだろうし最後の試合はとにかく楽しんでサッカーしたい。4年間の集大成を見せられるように、(準決勝でケガをして決勝に出られるか分からない)蛭田や試合に出られないほかの4年の気持ちもくみ取って、その代表としてみんなの気持ちを背負ってしっかり戦いたい」。
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