
関西学大を撃破!2年ぶり4強に/全国大学選手権
前半から「FWで上回り流れを引き込む」(伊吹・政経4)という共通認識のもと、ブレイクダウンで相手を圧倒しリズム良くボールを回していく明治。前半10分、自陣奥深くでのモールからトライを奪われるものの、選手たちの顔に焦りはない。その4分後、田村(文3)が自ら蹴りだしたショートパントで鮮やかにラインを突破し、衞藤(営3)に展開。そのままトライを決め、電光石火の攻撃で明治は逆転に成功する。その後も田村から展開されたボールを堀江(政経1)が相手DF2人を引きずりながらトライを決めるなど、明治の勢いは止まらない。司令塔として関西学大を翻弄(ほんろう)する田村を中心に攻撃を仕掛け2本のトライを追加し、31-5で前半を折り返した。
後半、圧倒していた前半とは裏腹に明治は関西学大のお家芸モールに苦戦を強いられ、開始直後に2本のトライを奪われてしまう。だが、「モールディフェンスを修正できた」(杉本・政経3)明治は、田村のPG成功を皮切りに前半の勢いを取り戻す。後半22分、ラックのボールを秦(法2)が素早く田村にボールを回し、ガラ空きのサイドで待ち構える西原主将(政経4)へ展開し、トライ。その後も攻撃の手を緩めず、ラックから抜けだした衛藤のトライなどさらに2本のトライを追加する。最後は敵陣奥深くで敵のボールをインターセプトした田村がダメ押しのトライを決め、62-29でノーサイド。前後半合わせ8本ものトライを演出する大金星となった。
関西学大・大崎監督が「田村君にこちらの弱点を突かれ、前半40分間は彼の思い描いているような形に試合を進められてしまった」と試合後こぼしたように、今日の試合の殊勲者は司令塔としてチームを動かし、8本のコンバージョンキックを全て沈めた田村に違いない。しかし、今日の大量得点は田村だけによるものではない。「田村があれだけのプレーが出来たのは、FWがブレイクダウンでいい流れをつくり、がんばってくれたから」(土橋コーチ)。FWとBKが一体となったからこそ、今日の大量得点があった。
次なる相手は、早稲田を倒し勝ち進んできた帝京大。対抗戦では56-0という屈辱的な点差で敗れた相手だ。だが、ラインアウトの精度、BKの連携、ブレイクダウンでの強さなどチームのスキルの完成度は、あの時とは比べ物にならないほどに高い。さらに対抗戦時の低迷期を乗り越え、選手たちのまとまりは今までになく強固なものとなっている。1月2日、国立の舞台で明治が帝京大を倒すことは、もはや「奇跡」ではない。
1.PR | 木暮 宗(商2) | 9.SH | 秦 一平 →20.下村(後半34分) |
16 | 渡部 逸記(営3) ←2.伊吹(後半34分) |
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2.HO | 伊吹 誠介 →16.渡部(後半34分) |
10.SO | 田村 優 | 17 | 榎 真生(政経1) ←3.小野(後半10分) |
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3.PR | 小野 慎介(政経2) →17.榎(後半10分) |
11.WTB | 小泉 将(営2) | 18 | 日高 駿(文2) ←7.西原(後半30分) |
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4.LO | 鎌田 祐太郎(法4) | 12.CTB | 溝口 裕哉(政経2) | 19 | 竹内 健人(営1) ←6.堀江(後半24分) |
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5.LO | 名嘉 翔伍 | 13.CTB | 衞藤 陽介 | 20 | 下村 真太朗(法2) ←9.秦(後半34分) |
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6.FL | 堀江 恭佑 →19.竹内(後半24分) |
14.WTB | 居迫 雄大(法3) →22.猿楽(後半28分) |
21 | 染山 茂範(政経1) ←15.石丸(後半34分) |
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7.FL | 西原 忠佑 →18.日高(後半30分) |
15.FB | 石丸 剛也(政経4) →21.染山(後半34分) |
22 | 猿楽 直希(政経1) ←14.居迫(後半28分) |
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8.NO.8 | 杉本 博昭 |
~試合後のコメント~
土橋コーチ
「点差ほどに力の差はないチームだった。田村があれだけの働きをしたのは、FWがブレイクダウンであれだけ頑張ってくれたおかげ。次が早稲田でも帝京でも自分たちのラグビーをするだけ」。
西原主将
「今日はアタックに関してはブレイクダウンの局面を完全に支配できた。モールで3トライ奪われたけど、自分たちはフィールドプレーで勝負できていたし、取られても慌てることはなかった。次は国立ですが、いつも通り普段のプレーをするだけです」。
伊吹
「ブレイクダウンで、思っていたより優位に立てた。これからモールディフェンスは修正していく。決勝に行きます」。
堀江
「今日は調子がよかった。戦略面ではあまり変えてない。FWで勝負しようと思っていた。関学のFWは大きくて強かった。ブレイクダウンは良かった」。
杉本
「正直、ブレイクダウンであまり来なかった。モールディフェンスは途中で修正することができた。次も帝京、早稲田どちらが来ても、勝つ」。
秦
「やっぱり今日はやりたいことを自信持ってできたというのが一番良かったところだと思う。外にボールが回せたしブレイクダウンの場面でも勝てていた。FWがどんどん前に言ってくれて助かった。モールのディフェンスで点を取られたのは課題だが、新年の絶好のリベンジの場で自分たちのやることをやって、出れてない人たちの分まで頑張りたい」。
小泉
「今日の試合では、1対1で相手に勝つということ、気持ちで負けないということをはじめプレーにおいても意思統一が図れていた。その結果が点差に表れたと思う。FWで相手を崩し、BKでそこを突くという動きが今日はできた。試合中もコミュニケーションを図ってうまく修正をしていくこともできた。(自らのプレーを振り返って)自分は足が速いほうではないが、持ち味であるタックルされても倒れないという部分を出せたと思う。次の相手は早稲田、帝京とも対抗戦で負けている相手。だから自分たちはチャレンジャーとして、このまま突き進んでいきたい」。
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