仙台大に苦戦の末、PK戦で勝利/全日本大学選手権大会
この試合で攻撃の要、山田(政経3)、久保(法3)をケガで欠いた本学は、三田(政経2)や都丸(政経4)を中心に攻撃を組み立てる。24分には三田がポストプレーでボールを落とし、都丸がそれをダイレクトシュートするも決定機にはならず。その後は逆に強固なフィジカルでボールをキープする仙台大に試合のリズムをつくられてしまう。32分にはロングスルーパスから抜け出されるも、GK高木が果敢な飛び出しでクリア。お互い決め切れず、消化不良のまま前半終了のホイッスルを迎えた。
後半に入り、本学は前がかりになりゴールを狙うも、ゴールを生み出すことができない。13分には、小林(政経3)、山本(紘・政経3)とつないだボールを三田がフリーでシュートを放つも相手DFがブロック。18分の奥田(商2)のノールックパスからのチャンスも山本が決めきれない。攻めあぐねる本学を尻目に、試合の流れは仙台大に傾いていく。31分には左右に振られ、フリーで打たれるもサイドネット。2分後のこぼれ球からのボレーシュートもゴール上に外れ、どうにか失点を免れる。仙台大が決めきれない中、スコアレスで後半を終了した。
延長に入っても流れは仙台大。前後半で交代カードを使い切った本学を攻め立てる。しかし本学も、高木、蛭田(商4)を中心とした決死のディフェンスでゴールを許さない。延長後半8分のこの試合最大のピンチを蛭田がヘディングで防ぎ、執念のディフェンスを見せつける。試合はこのまま0‐0で終え、いよいよPK戦に突入する。相手2人目がミスキックで外す中、本学は4人目まで順調に決めていく。そして迎えた本学5人目、キッカーはなんとGK高木。「高校時代からPKは得意だった」という言葉通り、鋭いシュートを放ち、見事本学の勝利を手繰り寄せた。
なんとか勝利はおさめたものの、「インカレ1回戦らしい苦しい戦いだった」(神川監督)というこの試合。予想外に格下相手に苦しめられ、改めて一発勝負のトーナメント戦の怖さを思い知らされた試合となった。しかし、内容では圧倒されたが、「勝ち方はどうでもいい。とにかく勝つことが重要だった」という神川監督のコメント通り、勝ちにこだわった試合ができた。次は天皇杯でJ2徳島ヴォルティスを破った鹿屋体大。今回のような戦いをしていては、足元をすくわれかねない強敵だ。しかし、本学の力はこんなものではない。緊張し、ディフェンスに重点を置きすぎたこの試合の反省を生かし、ケガ人が戻れば2回戦は本学のゲームになるはずだ。この試合で得た課題を修正し、次節に臨む。
☆試合後のコメント☆
・神川監督
「1番良かったのは勝てたこと。久しぶりのゲームで緊張もしていたし、相手は思いっきりやれるので、受け身になってしまった。0点でおさえれば勝ち目があるし、PK戦まで練習してきた成果は出せたと思う。山田、久保がケガで欠場していて、いない大きさを知った。次は天皇杯勝てるチームだし、うちが守ってカウンターでもいいかもしれない」。
・都丸
「苦しかったけど勝てて良かった。仙台大はビデオを見て、ある程度の形だけ確認した。だから試合で早い段階で特徴をつかむ必要があった。実際にやってみて試合巧者だと感じた。ずっとインカレに出てるチームだけあって、トーナメントの戦い方を知っている。相手は前からプレッシャーを掛けてきていてつなごうとしたけど、急ぎすぎてしまった。後半は前半よりもつなぎながら前を突いていけた。PK戦では迷ったら負けだから、決めたところだけを狙ってけった。今日は勝つことができたけど、詰めていかなければいけないところがかなりある。ボールを回すには人が動かなくちゃいけないから、体力的にきつくても運動量を増やしていかなければだめ。自分たちのサッカーをして楽しめれば、見ている人も楽しんでもらえると思う。今日は緊張してしまったから、次は余裕持っていきたい」。
・蛭田
「内容はあんまり良くなかった。厳しい試合になって今はほっとしている。リーグが終わってから守備面を強化してきた。でも今日は守備に人数をかけすぎてボールを奪っても人がいなかった。ハーフタイムにはコーチからもっと自信持ってやろう、今はサッカーを楽しんでないと言われた。選手同士でも後半は俺たちのサッカーをやろうと言っていた。前半は風が強くてセカンドボールが拾いづらかったり、裏へのパスが(風で)戻ったりしていた。延長戦までやってしかも中3日。でもそれは言い訳にはならないから、全部引退試合のつもりでやっていきたい」。
・小林
「あんまり自分たちのサッカーができず、トーナメント、インカレの難しさを改めて思い知った。今日はサイドハーフをやって、自由に攻撃に絡めたが、シュートはミスしてしまった。時間が作れず、攻撃が淡白になってしまったのが課題。選手一人一人が自立して考えないと勝てない」。
・山本
「ひどかった。自分たちのサッカーができなかった。自分ももっといいところを出していきたかった。(初戦ということで)固かったし逆に気合いが入りすぎて空回りしていた。リーグ戦で失点が多かったから失点0を目指していてディフェンスが課題だったが、あまりうまくいかなかった」。
・高木
「トーナメント初戦というのもあって、硬かった。実際内容は良くなかった。個人的には調子も良かったし、満足している。キックも良かったし、無失点に抑えられた。PKではキッカーもうまいし、信じていた。キッカーとしても、自信があったし、俺が決めてやるって思って立候補した。初めての相手だし、次も厳しいゲームになる。全ては無理だけど、今日の課題を修正したい」。
・三田
「自分たちのサッカーができなかった。相手が前からプレッシャーをかけてきていたのでつなぐサッカーができなかった。個人的にも全然だめ。要所でいいところもあったけど流れの中で全くうまくいかなかった。緊張は全然していなかった。試合前は圧倒しようと話していたけどトーナメントの難しさが改めてわかった。次戦は明治のサッカーを見直して個人的にはチームと合わせていくことが大事だと思っている。強い相手だということは間違いないし、間違いなく厳しい試合になる。気をひきしめてしっかりプレーしたい」。
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