
新潟に1-3で敗北。明大の天皇杯は終了/天皇杯全日本選手権
オレンジ色に埋め尽くされたアルビレックスサイド。ひときわ大きな声援がベスト8を懸けた大事な試合であることを示していた。前半16分、先制点はアルビレックス新潟が奪う。ペナルティエリア内左サイドからの低いクロスをダイビングヘッドで合わせられてしまった。やはりJ1上位のチームは強い。制度の高いパス、素早いプレー、どれも一流のものだった。それに負けじと明大もロングボールや都丸(政経4)のドリブルなどでペナルティエリアに侵入する。だがここからが遠い。シュートを打っても枠を外れるなどゴールの気配はしなかった。前半40分、そうこうしているうちにアルビレックス新潟に追加点が入り0-2。前半は確実にチャンスを生かしたアルビレックス新潟が優勢で終わった。
天気予報通りに雨がぱらつく中始まった後半。ピッチの状況も一転した。開始1分、山本(政経3)がペナルティエリア内でDFに囲まれながらもしっかり足を振り抜いてゴールを奪い、反撃ののろしを上げた。ここからは明大の動きはがぜん良くなる。攻めの時間は長くなり、後一歩でゴールというシーンが多くなった。だが流れに押されないプロの強さが光る。後半19分、アルビレックス新潟は丁寧なパスでボールをゴール前まで運び、冷静に決めて1-3に。明大はまたも突き放されてしまった。その後は両チームともにチャンスを作るも得点ならず。試合終了のホイッスルが鳴り、明大の挑戦は終わった。
「いいチームだった」(鈴木淳監督・アルビレックス新潟)と健闘を評価された明大。「パス回しに翻弄される場面もあった」(鈴木淳監督・アルビレックス新潟)と得意のパスサッカーはJ1上位のチームにもある程度は通用した。だが、シュート数はアルビレックス新潟の12に対して明大は16。「細かいところや最後にきっちり決めてくる」(都丸)とチャンスを逃さない点で差がついた。やはりプロは勝負強い。この敗戦により今大会の挑戦権は失ってしまった。だが、「ここまで戦えたのは大学サッカーの躍進」(神川監督)であり、明大が刻んだ歴史的な記録はこれからも残り続けるだろう。今一度賞賛の拍手を送りたい。
☆試合後のコメント☆
・神川監督
「実力どおりアルビレックス新潟が勝った。アルビレックス新潟はサッカーの原理に忠実であり、我々が目指しているトータルフットボールをするチーム。こんな素晴らしいチームと戦えたことは光栄。ここで学んだことをリーグ戦に生かしたい」。
・都丸
「まだまだ力が足りないと感じた。新潟はJ1で上位だし素晴らしいチーム。でも自分たちのサッカーはパスサッカーだが、Jリーグチームを相手にしっかりボールをつないでゴールまでいけたことは良かった。切り替えや球際の厳しさを学べたと思う。(ベスト16という結果について)やるからには勝ちたかったから悔しかったけど、学ぶことの方が多かった。(大学サッカーがここまでできるということを見せられたと思うかについて)大学リーグの強さを見せつけられたと思う。大学リーグは明治だけじゃなくてもここまでできる強さがある。Jリーグの1つ下のリーグだと思ってやっている。チーム皆、Jチームとやることを楽しみにしていて、ピッチでも勝つことはもちろんだけど楽しんでやっていたと思う」。
・蛭田(政経4)
「自分たちのサッカーをある程度はできたけど、最後の精度に差が出た。4年生として、すべて引退試合のつもりでやっている。今日勝てば天皇杯の追加登録があるから、他の4年生もまた登録できたかもしれない。そのためにも勝ちたかった。前半は0―0で折り返したかった。でもハーフタイムもみんなでまず1点入れようって言っていたし、後半も開始直後に1点入って流れは分からないと思った。アルビは最後まで走れると聞いていたけど相手の方が年齢は上だし、もっと自分たちが走れるようにならないと。最後は攻めるしかなかったけど、自分はDFで最終ラインだし失点するのはきつかったから、冷静に守って前につなげることを意識した。勢いにつながるように頑張った。(矢野や大島とのマッチアップでは)プロとアマのフィジカルの差とか動き出しの質を実感した。リーグとかイン
カレに向けたいい経験にしたい。(天皇杯が)終わってしまったことは仕方ない。切り替えて次の国士戦で絶対勝ちたい」。
・笠原(商3)
「失点シーンでゲームを難しくしてしまった。3点ともサイドからやられた。いつも通りやれて、チャンスはあったと思う。内容は互角だったが、結果が出なかった。J相手にこれだけのサッカーができるんだから、大学相手にできない訳がない。一つでも落とすとインカレが厳しくなる。中2日だが、頭を切りかえていきたい」。
・日野(営3)
「悔しい。めっちゃ悔しい。1失点目は自分が抜かれてからのクロスだった。失点にからんでいて悔しい。プロの方が落ち着きがあって余裕を持って回していた。でも思っていたよりパスも回せて通用した部分もあったと思う。山田とか裕紀とか政樹とか中盤でよく回していたと思う。リードされて追い付かないと、とりあえず1点をとらないとと思った。(大島とか矢野とやってみて)1対1とか個人の能力の高さを感じた。中3日でリーグ戦だが、インカレに向けて1戦1戦頑張るしかない。疲れたとか言ってられない」。
・山田(政経3)
「トーナメントなので、勝たなきゃ意味がない。想定はしていたが、相手に支配される時間が多かった。ゴールを割られなければいいと割り切っていた。しかし前半に2点取られて、後半は前がかりになってしまった。スキを突くというより、むりやりこじ開ける攻め方をしてしまい、もっと色々な攻撃ができれば良かった。J2、J1を倒せて、内容的にも山形戦では自分たちのサッカーができた。良い経験になったと思う。でも例え相手がJ1でも負けると悔しい。天皇杯の借りは天皇杯でしか返せない。自分は幸いあと1年あるから、来年返したい。本当の意味でリベンジは天皇杯でベスト8に進出してからになる。(エスパルスについては)先を見てもしょうがないが、勝ってリベンジの機会を得られれば良かった。今日に関しては決めるところ決めていれば、もっと良いゲームになったと思うので、悔しい。リーグ戦に向けては、しっかりコンディションを整えてやるだけ。インカレに出場しないと、4年生は最後になってしまう。絶対出る」。
・山本
「負けたので悔しい。前半堪えて後半いこうと言っていたから前半に2点取られたのは痛かったけど、それでもチームはまだ折れてなかった。ハーフタイムには2点取られていたので次の1点が大事と話していた。あの時間に1点取れてチームがこれからいけるんじゃないかという雰囲気になれた。あの時は思った以上に落ち着いてシュートできたしキーパーの裏を取れたと思う。決めるところでしっかり決めてくるのがプロ。自分たちも最後の方まで、シュートの1つ前のところまではいけているという感覚はあったけど、最後のパスとかセンタリングの精度はプロとの差を感じた。結果が3―1ということでまだまだだな、と。ただ自分たちがやってきたことはできた。前半2失点でも落ち着いて自分たちのサッカーができたのは成長だと思う。大学サッカーがここまでいけるというのを見せたかったし見せられたのは幸いです。今日は、こういう雰囲気のところでできるのは少ないしアウェーだったけどワクワクした。天皇杯は「やってやろう」という気持ちでモチベーションを高くもてる大会。天皇杯でここまで来られたことはチームの自信になった。チームの成長という意味ではかなり大きなもの、結果以上に大きいものを得た。まだリーグも2試合あって勝ったらインカレもあるのでそれにつなげて日本一になりたい。(自分としては)何もできなかったわけじゃなく、自分の良さを出せたのでそれを磨いて頑張りたい。まだまだ課題はあるしそれを1つ1つつぶして来年どうなるか」。
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