
リベンジ果たし、16連覇達成/全日本学生三大大会
初日に行われた障害飛越競技では、1回目の走行をチーム減点8で終える。チーム減点8は悪い数字ではないが、さすがに全国大会のレベルは高い。早大、専大がチーム減点4で1位と素晴らしい走行を見せたため、関西大と同率3位のスタートとなった。
2日目の2回目走行、明大の一番手は1回目走行で失権した吉田(学・政経2)・明由のコンビ。前日とは違い、一つ二つと優雅に障害を飛び越えていく。そして最終障害を飛び越えたとき、場内に落下しているバーは無かった。吉田(学)は大きいガッツポーズを見せ、明由の首筋に優しく触れた。一番手が走行を終えた時点で、早大、専大、関西大がこぞって障害を落としたため明大が暫定1位に躍り出た。二番手の篠原(営4)と明政は減点8、三番手の柘植主将(法4)と明峯が減点4で走行。勝負は4番手の齋藤(政経2)と明菓に委ねられた。1回目走行の減点が0のこのコンビ。1つでも障害を落としてはいけないというプレッシャーのかかる場面で、2回目走行も減点0という最高の騎乗を見せた。各大学の上位3名の結果が影響するチーム減点。明大、関西大がチーム減点8で並び、あとは走行タイムの早いほうが優勝となる。全選手の走行が終了して数分後に「明治大学の合計走行タイムは509,24秒」と静まり返った場内にアナウンスが響く。「関西大学の合計走行タイムは493,29秒です」。そのアナウンスが流れた直後、場内は拍手に包まれた。それは、合計走行タイムを集計しなければ1位を決められないほどの接戦を演じた両校への賞賛の拍手だった。明大はタイム差に泣いた悔しい2位だったが、3種目総合優勝に向けてまずまずのスタートを切った。
3日目の馬場馬術競技は明大の得意分野だけあって見事に団体1位となった。4日目の総合馬術競技、調教審査もなかなかの結果を出し、最終日の総合馬術競技の耐久審査と余力審査へと向かう。
関東インカレはこの耐久審査でのミスで敗北したといってもいい。油断すれば総合馬術競技の団体1位はおろか3種目総合の団体1位も消える。しかし、そのプレッシャーも今の明大には関係なかった。どの選手も許容範囲内の減点で完走。最後の競技である余力審査も大半の選手がミス無く走行し、団体1位で競技を終了。念願の三種目総合優勝を果たした。
障害飛越競技4位、馬場馬術競技1位、総合馬術競技3位と、日本一を目指すチームとしては、ボロボロの成績だった関東インカレ。しかし、全日本インカレは完全制覇にあと一歩という、近年では最高の成績を収めた。関東インカレで18年続いた連覇記録を止めてしまったその日から苦難の日々が続いたが、それもようやく終わる。関東インカレでの敗北から今日まで、どの大学よりもプレッシャーや緊張とともに日々を過ごした明大。人も馬も次のシーズンに向けて、今は羽を休めてほしい。
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