
3位入賞で初めてのシード権獲得!/全日本大学駅伝
昨年に引き続き1区を任された北條は序盤からハイペースで飛ばすジュグナ(第一工大)や柏原(東洋大)らに惑わされることなく自分のペースを守り、第2集団で堅実な走りを見せた。終盤、集団からは遅れてしまうものの、10位で鎧坂に襷をつないだ。
各大学のエースが集まる2区を走る鎧坂は積極的な走りを見せた。「前を前をと意識した」(鎧坂)。その言葉通り10位からシード圏内の6位へ順位を押し上げる好走。一気に流れを引き寄せると、大学駅伝初出場となった近藤も順位を落とすことなく襷は4区の石川(卓)主将へつながれた。
石川(卓)主将は6位で襷を受けると、自分から志願したというこの4区で気迫溢れる走りを見せた。中盤に3人を抜き去り3位に浮上すると、1位との差も徐々縮めていき、好位置で5区の安田に襷をつないだ。
故障が長引いていたため、久しぶりの試合となった安田だったが、そのブランクを感じさせない快走を見せた。襷を受け取るとすぐ東洋大をかわし、着実に1位の三田(早大)との距離を詰めていく。そして6㎞地点で三田に追いつくと、一気に抜き去り差を広げていった。2位と34秒もの差をつけ、区間賞の走りを見せると6区渡辺へ襷リレー。
大学駅伝初出場となった渡辺は、「最初からゆとりを持って自分の走りができた」という言葉通り、落ち着いた走りを見せ1位を維持。2位との差を1分04秒に広げる好走を見せた。次の7区を走る遠藤は区間賞の快走で、ついに襷はアンカーの細川(勇)へ渡った。
ゴールへ向かって懸命に走っていた細川(勇)だったが、7㎞過ぎについにダニエル(日大)につかまってしまう。一瞬にしてトップの座を奪われるとその差は開くばかり。終盤、大津(東洋大)にも抜かれるものの、本学はシード圏内の3位でレースを終えた。
前半に鎧坂、石川(卓)、安田らの軸となる選手を投入し、流れをつくるという采配が的中した。「駅伝らしい駅伝ができたことが収穫。個の力が襷リレーで3位という結果になった」(西駅伝監督)。出雲駅伝での失敗を受け、「全員が心の中で結果を残そうと責任感を持てて、それがいい方向にいったと思う」(石川(卓)主将)と3週間という短い間で見事にチームは立ち直った。
チームの最大の目標である箱根駅伝まで残り2ヶ月。出雲駅伝では12位、全日本大学駅伝では3位と結果を上げてきただけに、最後、目指すはもう頂点しかない。
☆レース後のコメント☆
西駅伝監督
鎧坂、石川(卓)の走りは思惑通り。3区で凌ぎ、4区でさらに上げた。駅伝らしい駅伝ができた。箱根駅伝へ向けてまた2ヶ月長いから気持ちを引き締める。
山本コーチ
3位はいいんじゃないか。上出来。前半で流れをつくり、トップで走ることの相乗効果をねらった。それが5~7区で上手くはまった。
遠藤監督
渡辺は良かったし、後ろの3人もいい走りだった。安田はやるときはやる選手。意地を見せてくれたと思う。チーム力が高まってきたし、いい順位だと思う。箱根本番はきちっと仕上げたい。
1区 北條
もうちょっといい走りをしたかったが、出雲よりは許せる走りだった。緊張はなかったが、去年より30秒遅く、順位も2つ悪かったのが悔しい。出雲よりは多少調子が良かったので、箱根では最高の調子にしたい。
2区 鎧坂
後ろで襷をもらったから少しでも前を追わないと前に行けない。前を前をと意識した。出雲よりチームは多少良くなった。特に練習を変えたわけではなく、出雲であの結果だったから油断なくやれたのが良かったんだと思う。これからはもう一回見直してやっていきたい。
3区 近藤
チームがシード権を取れてうれしい。反面、自分でもうちょっと流れを変えなければならなかった。キャプテンに頼ってしまった。個人的には体力が戻りきれてなく、良くなかった。箱根に出てチームに迷惑をかけた分を取り戻す。流れを変える走りがしたい。
4区 石川(卓)主将
4区は自分で志願したから順位を上げないと、と思っていた。結果として3番まで上げられたけど、トップまでいきたかった。うちは実力を出し切ればいけるチーム。3位という結果には悔しさはないと言ったらうそになるけど、6~8区が1位で襷をもらってトップで走るというプレッシャーを感じながらも走れたのは大きな収穫。出雲の失敗があったからそれぞれが心の中で、次で結果を残そうという責任感が持てて、それがいい方向にいった。
5区 安田
久しぶりの駅伝は楽しかった。あのあたりでトップを取れるだろうと言っていて、前のみんなが走りやすい状態で来てくれたからトップに立てた。個人的には60点。記録は悪いし、ぐだぐだだし。完全復活ではないです。7割復活ぐらいかな。
6区 渡辺
最初からゆとりもって自分の走りができた。暑くて走りにくかったが、安田さんが先頭で中継点に先頭で入ってきたので、順位を落とさないようにした。10㎞を過ぎてからも粘ることができた。来年につながる走りができたと思う。
7区 遠藤
不安は大きかったけどいい流れを作ってくれていて、西さんからも気をつけて入れば大丈夫と言われた。出雲は申し訳ない気持ちでいっぱいで落ち込んだ。いろいろな人に相談して切り替えてやり直そうと思って、それが今回につながった。
8区 細川(勇)
最長距離で、他大に有力選手がいて、自分はあまり成績がなかったが、調子は良かった。個人タイムはあまり良くなかったけど、シードは取らなくてはと考えて走ったので最低限はできたと思う。
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