
初の出雲路も不調で結果残せず/出雲全日本大学選抜駅伝
出雲大社から出雲ドームにかけて6区間、計44.5㎞のショートコースで襷をつなぐ今大会。各校さまざまな作戦で臨む中、明大は1区と6区に鎧坂と石川(卓)主将という2人のエースを配置し、手堅いレースを狙う。
しかし、計算が狂い始めたのはまさかの1区だった。各校ショートレースということもあり、1区に柏原(東洋大)、高林(駒大)、ジュグナ(第一工大)、矢澤(早大)といったエース級を投入。持ちタイムこそ劣らぬ鎧坂だったが、前半で飛ばしていく作戦が裏目に出てしまう。序盤こそ先頭集団に加わるものの、「コース中盤のアップダウンがきつく、後半にばててしまった」と本人が言うように後退してしまい、結果区間9位で襷リレー。序盤で逃げ切る展開にはできない。
2区の襷を受けたのは菊地。大学初の駅伝だったが、「前を追い掛けようとして焦ってしまった」と、ペース配分に失敗してしまう。それでも1年生ながら、区間10位で十分につなぎの役割を果たした。総合順位を2つ落としてしまったとはいえ、3区に待つ遠藤に襷を繋ぎ、上位入賞へ望みを託す。
3区走者遠藤、4区北條はともに思ったようなレースができず苦しむ。区間14位、区間12位と、実力とは程遠い結果に「チームに迷惑を掛けてしまい、申し訳ない」(遠藤)と、レース後、悔しげな表情を浮かべた。
13位で襷を受け取った5区走者は好調を維持してきた田原。交通事故のため、本来ならば出場しないはずであったが、インフルエンザや怪我など、チーム状況の悪化のため強行出場した。結果は区間12位。総合順位を一つ上げ、アンカー・石川(卓)主将へ襷を繋いだ。
6区、石川(卓)主将は区間3位、日本人1位と実力通りの走りを見せたものの、時既に遅し。前を行く走者の背中を確認できたのは出雲大社前から伸びる長い直線の参道だった。結局個人記録こそ良かったが、この最長区間で順位を上げることができずに初の出雲駅伝を終えた。
試合後、選手の顔に笑顔は少なかった。「アクシデントがあったり、万全を期すことができていたのか」(西駅伝監督)。松本(昂・情コミ4)や近藤(商3)などエントリーされた主力を欠いていたとはいえ、流れを最後まで変えることができないレース展開に「一人一人の意識の欠如があったのかもしれない」と西駅伝監督も新たな課題に悩む。
次に待つのは距離も区間も増える11月の全日本大学駅伝。「また1から作り直していきたい」(石川(卓)主将。未だにエントリーメンバーの2人に加え、松本(翔・政経3)や安田(情コミ4)といった主力は本調子ではない。そして、今回見つかった課題も少なくない。意識の甘さ、体調管理。残された時間はわずかだが、課題と向き合うことでしか上位進出の糸口は掴めないだろう。目指す箱根の山の頂上はまだ、遠い。
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