女子、笑顔の表彰台独占でシーズン好発進/東京選手権

 昨年、村主章枝(avex)や中野友加里(プリンスホテル)など日本のトップレベルの選手が出場し、熱戦を繰り広げた東京選手権。今年も多くの強豪選手が集う中で本学女子が見事表彰台を独占し、ずば抜けた存在感を見せつけた。笑顔で賞状を受け取り、観客席にいる仲間やファンにピースサインを向ける選手たち。会場中に響く拍手は鳴りやまない。スケートリンクが明治一色に染まる。“やはり明大スケート部フィギュア部門は強い。”誰もがそう感じた瞬間だった。

 その中でも特に活躍を見せたのが期待のルーキーである石川だ。

 1日目のショートプログラムではゴールドの華やかな衣装で登場。まじないを意識した怪しげな雰囲気の曲に合わせて演技を披露した。スピード感あるステップや目を見張るほどのジャンプの高さ。その実力は誰もが認めざるを得ないほど圧倒的だった。結果、ただ一人50点台をたたき出し、断トツの1位通過で2日目へ。「シーズン最初の試合で緊張した」中、本人も納得したかたちでショートを折り返した。

 続くフリープログラムは「今まで練習をきっちり細かくやってきたので、自分ができることの全てを出しつくしたい」。そう力強く語りリンクへ飛び出した石川。黒とシルバーを基調にした衣装で大人っぽさを演出し周囲を魅了。その表現力の高さに会場内の視線が石川に集まる。プレッシャーをものともせず、抜群の集中力を発揮した石川の演技は非常に安定感があり、貫禄を見せつけた。最後まで大きなミスすることなく順調にすべりきり、2位と10点以上の差をつけて堂々の優勝。「すべることに必死になりすぎた。ジャンプのミスと体力が足りないことが課題」と自分への厳しい評価を見せるも、「練習してきた分、気持ちをしっかり持ち続けて演じることができた」と自身の成長に嬉しそう。この調子で「ひとつひとつの試合で課題を見つけて上達していきたい。全日本で少しでもいい成績を残す」と頼もしく語った。

 輝かしい成績で今シーズンが開幕。表彰台での選手たちはこの結果からの自信とこれからの可能性に満ちあふれていた。明大スケート部フィギュア部門の勢いは止まることを知らない。実力派そろいの選手たちに今後の期待は高まる一方だ。