得点力発揮し初戦突破/天皇杯全日本選手権
会場には相手サポーターや地元の人たちが駆け付け、「リーグ戦とは雰囲気が違っていた」(小林・政経3)と慣れない空気の中試合が開始。緊張からか選手の動きには固さも見られた。しかし開始からわずか2分、そんな不安を一蹴するゴールが生まれる。左サイドの都丸(政経4)からゴール前にボールが入ると山村(政経1)、山田とつなぎそのままワンタッチで山田がシュート。右足で放たれたボールがゴールに入ると、選手が集まり山田も思わず右手を空に突き上げた。しかし前半13分、今度はグルージャ盛岡に歓喜の瞬間が訪れる。右サイドを崩し打たれたシュートは笠原(商3)の手をかすめゴールの中に。先制点を挙げた本学だが、これで1ー1とした。それでもDF陳の裏に抜けだした都丸がオフサイドにはなるものの、確実にゴールを捕らえたシュートを放つなど流れは渡さない。そして前半終了間際の43分に、コーナーキックからのクロスを「大事な場面で決めたかった」という蛭田(商4)が頭で合わせ2ー1。ベンチの前、グラウンドで選手が重なり合って喜んだ。蛭田のゴールで再びリードするとそのまま前半を折り返した。
迎えた後半。ハーフタイムの「緊張するなよ、笑顔でいこう。練習でやってきたことを落ち着いてグラウンドでやろう」という神川監督の言葉通り、前半より
も明治らしいサッカーを展開する。要所で縦パスを通しシュートコースを探す明治。すると後半18分、久保(法3)のパスから山村がきっちり決めて3ー1。さ
らに35分には小林のパスに反応し抜け出した阪野(商1)が右足からこん身のシュートを放ち4ー1とFW陳が次々とゴールを挙げた。しかし終了間際の44分、
それまで決して裏を取らせなかったDF陳だが一瞬のスキからキーパーとの1対1という状況を生み、失点してしまう。直後に試合は終了し、失点しながらも2
点リードの4ー2で試合を終えた。
「内容はまだまだ。でも今日は勝つことが大事だった」(神川監督)という言葉通り、まずは勝利が求められた試合だった。確かに内容を見れば改善すべき点はいくつもある。特に終了間際の失点は防ぐことができたのでは……と思わせるものがあった。しかしアウェーという慣れない状況の中で徐々に自分たちのサッカーを出せたことや、2失点をカバーする得点力は今後、天皇杯だけではなくリーグ戦にも必ず生きてくる。今日の勝利で2回戦へと駒を進めた明大。次の相手はいよいよJ2の湘南ベルマーレだ。
☆試合後のコメント☆
・神川監督
「勝ててほっとした。内容はまだまだで誉めれる訳ではないけど、今日はまず勝てた。落ち着かない時間が続いてラスト5分の失点につながった。相手の13番に
裏を取られないように注意していたけれど、いつも通りやれば勝てると思っていた。次はもうリーグ戦。相手の中大とは2位3位という状況で負けたら(順位を
)逆転される。もう1回今日のことを整理して、いい準備をしたい」。
・蛭田
「前半はアウェーの雰囲気だったり、自分たちのサッカーができなかったりしてどうなるかと思った。ハーフタイムは監督に「緊張するなよ、笑顔でやろう。練習でやってきたことを落ち着いてグラウンドでやろう」と言われた。後半はみんなつなぐ意識も高まったし運動量もしっかりしてて優位に立てた。(得点のシーンは)練習のときからコーナーキックのボールが自分に来ていたけど決められなかった。大事な場面で決めてやる、と言っていたから現実にできて良かった。次のリーグ戦まで一週間ある。負けられない戦いが続くからコンディションを整えて、頭を切り替えていきたい」。
・小林
「Jと試合をするのが目標だったから、まずは1つ目の目標が達成できてほっとしている。トーナメントはいつもと違う独特の雰囲気があるからみんな固かった
。ただ今日は内容より勝つことが大事。勝てたことは大きい。前半から90分間うちのペースで、ボールを大事にしてゴールを狙えればもっておもしろいサッカー
になる。それが次の試合の目標。中大は順位が一つしか変わらない。流経大にはこれ以上離される訳にはいかないし、中大にも追い抜かれるわけにはいかない」
。
・山田
「トーナメントということで、難しい試合だったが、とにかく勝てて良かった。全体的にミスが多かったので、今日は勝てたけど、今後は命取りになりかねない
。攻撃でも、終盤相手は落ちていたので、もっと取らないといけない。次はプロのチームたが、元々プロに勝てるチーム作りをやってきたので、自分たちのサッ
カーをできるように頑張りたい」。
・山村
「全然良くないとコーチから怒られたが、1点決めて良かったなと言われた。前半の最初に守備にいっていなかったのをいけと言われていってそこからリズムもつかめて良かった。最初からいけるようにしたい。次の試合ではプロとやれるのでミスを少なく頑張りたい」。
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