
課題残るも、次への収穫をつかむ/全日本ジュニア体重別選手権
まさかの敗戦だった。先の7月には学生の五輪ことユニバーシアード大会で優勝。その実績が評価され、今大会には全日本柔道連盟の推薦で出場した。力の差を見せつけての“圧勝優勝”が求められていたが、その期待値の高さからだろうか。海老沼は後手に回ってしまい、いつものような切れ味鋭い柔道は見られなかった。
海老沼の初戦。相手が寝技で押さえこみにきたところを切り返し、崩れ袈裟固めで有効を奪取。優勢勝ちで2回戦に進出した。だが2回戦では、「自分の持ち味を殺すような試合だった」(園田助監督)。相手のペースに付き合ってしまった海老沼は、うまく攻めさせてもらえず試合中盤で指導1をもらってしまう。その後もポイントを奪えず迎えたGSでは、開始30秒、消極的柔道による2回目の指導で反則負け。悔し涙の止まらない、早過ぎるトーナメント敗退だった。
続く敗者復活戦でも、2度の指導による優勢負け。この日、4度もの指導は海老沼の心に深く突き刺さったはずだ。次戦は初出場となる個人インカレ。勝ち気を取り戻し、一本勝ちを量産する海老沼の勇姿を見たいものだ。
【全日本の舞台で健闘】
海老沼のまさかの敗退の翌日、81㎏級に1年生の藤本が出場。この日、本学からは唯一の参戦となった藤本だが、ベスト8と健闘を見せた。
初戦、高校生を相手に終始優位な体制を保つも、なかなか技を仕掛けることができない。試合中盤に技ありをとるものの、攻めきることができないまま試合は終了。技ありをとった藤本が優勢勝ちで初戦を勝ち上がった。
続く第2試合では、前回大会で準優勝を収めた流経大の選手と対戦。初戦とは打って変って、序盤から攻めの姿勢を貫く。しかし、その健闘もむなしく一瞬のスキを突かれ、寝技から抑え込まれ1本負けを喫した。
気持ちを切り替えて臨んだ敗者復活戦。2回戦同様攻めの姿勢を崩さず、相手を圧倒した。終盤に技ありを二つ取り、優勢勝ちで勝利。3位入賞に望みをつないだ。
敗者復活戦2回戦は、昨年、今年とインターハイで表彰台入りを果たしている清水(大成高)と対戦した。序盤から拮抗(きっこう)した試合を見せ、観客も手に汗握る中、藤本は寝技に持ち込まれてしまう。必死の攻防もむなしく抑え込まれ、ここで試合終了となってしまった。
惜しい試合を見せながらも、ベスト8にとどまった藤本。しかし、まだまだ進化途上の1年生、これからの活躍が楽しみだ。今後のさらなる成長を期待したい。
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