ロスタイムに決勝弾!なんとか専大に勝利/関東大学1部リーグ戦
「運動量が足りない、セカンドボールを拾う意識が足りない」(神川監督)。前節からの課題はそう簡単には改善されないのだろうか。激しいプレスを仕掛け
てくる専大を振り切れないことでパスが通らない。逆にこちらのマークは振り切られて鋭いスルーパスを何度も通してしまう。そして、セカンドボールはほとんど専大に拾われ、前半の大半の時間を自陣で過ごすことになった明大。運動量で圧倒されてしまい、試合の主導権を専大に握られてしまう。そんな試合展開だが先制点は明大だった。前半28分にペナルティエリア内で絶好のパスを受け取った久保(法3)が倒されPKを獲得。キッカー山村(政経1)が落ち着いてゴールを決めた。得点後も主導権は専大のものだった。「1点取ってから選手の中で試合が終了していた」と神川監督が言うようにさらに運動量に差が出てしまう。前半35分、ギリギリのところで持ちこたえていたが、ついにゴールを決め返されてしまった。前半はやりたいサッカーができずに終了。ただ、本来なら2、3点取られていてもおかしくない状況だった。神川監督に「今日のマン・オブ・ザマッチは彼だった」とまで言わせる笠原(商3)の好プレーがあたからこそ前半同点で終わったのだろう。
後半も試合は専大のものだった。なかなかハーフラインの向こう側、専大のエリアに侵入することができない明大。しかしピンチに陥っても相手に追加点を許さない。相手のペースであろうと大崩れしないところが今年の明大の強さかもしれない。そして後半35分、会場にいる誰もが山田(政経3)の動きに目を奪われた。横1列になった専大DFよりわずかながら前にいた久保。その久保が触れたらオフサイドになってしまう縦パスが出たとき、両校の選手たちはオフサイドになると思ったのか一瞬だけ時間が止まったかのように動かなくなった。その瞬間、山田は「触るな!」と久保に叫び、綺麗に横1列になっていた専大DFの真ん中から一気に飛び出してボールをキープした。グラウンドの時間が止まったとき
、山田は全力でピッチを駆け抜けていた。DFのいないペナルティエリアに侵入した山田は走りこんできた小林(政経3)に横パス。それを受け取った小林がゴールにボールを入れた。だがその山田のパスはオフサイドの判定。なかなかお目にかかれない素晴らしいプレーだったがゴールは幻になってしまった。このプレーを機にようやく明大が主導権を握り、激しいのオフェンスを見せる。途中交代で出場した都丸(政経4)、阪野(商1)、山本(政経3)が動き回り、ゴール脅かすもゴールは遠かった。引き分けに終わると思われた試合終了間近、専大のクリアボールを山田がダイレクトで前線に送る。そのボールに反応した山本がボールをキープしGKの手前でシュートを放つ。山本の放ったボールは確かにゴールマウスに入り、ゴールが宣告された。大歓声が沸くスタンド、山本はスタンドに走り、応援しているチームメイトと喜びを分かち合った。そして、専大がセットされたボールをけってゲームを再開したその瞬間に試合は終了した。
まさに劇的な勝利という試合だったが「内容がない」と神川監督は苦い顔。事実、後半の後半になるまで押され続けていた明大。勝利できたのは「ツキがあった」(神川監督)としか言いようがないが、形はどうあれ勝ち点3を獲得できたのは大きい。勝っているチームというのは運も味方にできるのだろう。ただ、運だけで勝ってきたわけではない。次節の筑波大戦では運が良かったからなんてことはなく終始強い明大を見せてほしい。それだけの実力はあるはずだ。
試合後のコメント
神川監督
「ハーフタイムに怒鳴った。それで後半球際は良くなった。運動量が要求しているレベルに全然達していない。セカンドボールを拾う意識も足りない。要点をまとめて、やることをはっきりさせる。見えた味方に簡単にパスを出せばいいのに、1回間をおいて変にい良いパスを出そうとしすぎている。間を置くからプレスをかけられてしまう。もっと泥臭いサッカーをしたい」
笠原
「久しぶりだったが、準備はしっかり出来ていた。いつも通りできたと思う。専大は前半、ペナルティエリアを目指してボールを運んでくるのが上手いと思った。逆に明大の守備は決定的なシーン以外は良かった。後半は頭から切り替えていこうと思った。途中交代した3人はそれぞれ持ち味発揮していた」
久保
「勝てて良かった。後半残り20分のプレーを始めからしなければいけない。もっと相手の裏を取って攻撃できたはずだけど、そのために必要な運動量がない。(明治は)ボールを取っても間延びしてしまっていたし、高い位置から攻撃できなかった。最後は相手の足も止まっていたし山本が裏を取ってくれた。もう1試合も負けられないからどんな形でも良いから勝っていきたい。次は自分がゴールを決めて勝ちたい」
山田
「もっと気持ちを入れて90分間走る。ハーフタイムに監督に気付かせてもらった。もっと自分たちで気付けるようにしたい。簡単なプレーの積み重ねでチャンスをつくるのが理想。また、戦術だけでなく、気持ちに関しての理解もすべき。(オフサイドになったシーンでは)シュートコースがあまりなく、裕紀(小林)が走っているのが見えたから自分より後ろだと思ってパスを出した」
山本
「自分のゴールもチームが勝てたことも本当にうれしい。前半からなかなかうちのペースに持ってこられなかったし、早く出たかった。自分のゴールはチームが
良いパスをつないでくれたから。本当に感謝している。家族や応援してくれている人がいるのにこれまであまり結果を出せなかった。今日ゴールを決められて正直ほっとしている。勝ちと引き分けは全然違う。明治はパスサッカーがスタイルだがもっと簡単にサッカーをしてもいいと思う。とにかくゴールに近付かないとゴールはないし、とにかく前にいくのが自分のプレースタイル。次もどんな時間でもどんな場面でも自分の仕事をしていきたい」
宮阪
「久しぶりのリーグ戦だったが、前期とは違って下位チームは降格も懸かってきていて緊張感があった印象。自分のプレーとしてはもっとボールを受けて、ゲームもつくっていかないといけない。後半からは守備が上手くいったけれど前半からいかなければいけないと思う。相手の守備はポジショニングがよくボールをつなげなかった。後半、相手の裏が欠点とわかったので、けり込んでつないでいったら有効だった。次節の筑波大はそういう欠点もないだろうからしっかり自分達でボールをつないでいくようにしたい」
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