秋季リーグ戦展望Ⅳ~秋のメイジの秘密兵器――定岡恭平~

1999.01.01
 今夏のインカレ。明治は早大を破り、11年ぶり12度目の日本一を勝ち取った。だが、明治は気を緩めることはない。「もう一度、早大を倒す」(高山監督)。春季リーグ戦では完敗した早大を倒すことを目標に再びトレーニングを積んでいる。すべては、秋季リーグ戦5連覇のために。そして、春のリベンジへ。今回は春季リーグにも出場し、重要な戦力として期待のかかる3年生・定岡恭平(商3)を取った。
 今年負けたのは早稲田だけ。絶対に負けたくない。秋季リーグを控えた定岡は、始めに宿敵早大への思いを口にした。「インカレでは勝ったが、春季リーグで負けたという事実は変わらない。今年明治が負けたのは早稲田だけ。絶対に負けたくない」春季リーグではベンチ入りして1試合に出場し、屈辱のⅤ逸を間近で目の当たりにしているだけに早大に対する思いは一入(ひとしお)だ。また定岡はインカレ優勝後の部内の雰囲気について「しばらく浮ついた感じだったが、リーグ戦が近づくにつれ緊張感が高まってきた、みんな挑戦者という気持ちで臨んでいる」と語り、自分自身の調子については「秋季リーグはチャンスがあると思うし、気分良くやれている。仕上がりは順調」と話した。
 伝統があるからこそ勝ち続けたい。昨年まで秋季リーグ戦4連覇、更にはリーグ戦通算優勝回数32回を誇り、圧倒的な秋季リーグ戦の強さから“秋のメイジ”との異名を持つ本学。その事実をプレッシャーに感じるかとの問いに対し定岡は「“秋のメイジ”と言われていて、絶対に勝たなきゃいけないというプレッシャーはある。連覇は先輩方が積み重ねてきたものだから、自分たちの代で止めるわけにはいかない。築き上げてきた伝統があるからこそ勝ち続けたい」と真剣な表情で答えた。取材中、定岡は「秋は絶対に勝たなければならない」と何度も口にした。自分に対し執拗(しつよう)なまでに課すプレッシャーこそ、自身の秋季リーグへの意気込みの表れだろう。
 最後に定岡はリーグ戦に向けて「緊張感は春季リーグ戦を経験して分かっている。春の経験を活かして緊張に勝てるように戦っていきたい」と抱負を語った。また、チーム全体については「初日に勢いをつけて最終日まで調子を上げていき、早大戦にピークを持ってこられれば」と冷静に分析した。

 普段は温厚で、取材にも快く応じてくれる定岡。だが、彼の口から紡がれる言葉の数々からは、心に秘めた熱い闘志が垣間見えた。3年間で培った冷静かつ闘志あふれるプレーで秋季リーグ戦優勝、そして秋季リーグ5連覇に貢献してほしい。