
山本が2年連続の全日本へ、三宅は有終の美/全日本学生選手権
2日目の山本は、「強さ」を持つ女性を表現した構成で2種目に挑んだ。山本は独特の音楽に合わせた演技で、観客を独自の世界に引き寄せ会場内は水を打ったように静かだった。それだけ観客は山本がつくりだす世界に魅了されていた。
山本の表現する大人の演技は高評価を受け、2年連続の全日本選手権出場権獲得を決定付けた。
一方の三宅。1日目のリングの演技で競技場外にリングを出してしまうアクシデントが発生。だが、2日目のクラブ、ロープの演技では共に5月の東日本学生選手権を上回る得点をマークし、存在感を見せつけた。しかし24位という結果で終了。また三宅は将来のために今大会限りで選手として引退することを決めていた。
「中学校のときに新体操に出会えたことが奇跡。明治でやらせてもらったことがありがたい」と8年間続けてきた新体操への感謝をこう表した三宅。「新体操の三宅」が見られなくなることは残念だが、彼の夢に向かって頑張り続ける姿を応援したい。
そして、2年連続の全日本選手権出場を決めた山本。「今までは1日目の演技が悪い結果だと、2日目も引きずっていた。だけど今回は2日目への気持ちをうまく切り替えることができた」と昨年とは違う姿を見せてくれた。さらに、3日目に行われた種目別決勝のリボンでは5位入賞を果たし、今後の活躍も十分期待できる。さらなる高みへ…。山本の挑戦はこれからも続く。
~試合後のコメント~
三宅 「1日目で失敗してしまったことで、全日本選手権出場は厳しく今日がラストで引退だと思った。2日目は目立ったミスもなく終われたことがよかった。今まで8年間やってきたが、大学での3年間は短い。高校で一度引退したが、大学に入学してまた始めたときは、自分にはやっぱり新体操しかないんだなと思った。中学校で新体操に出会えたことは奇跡だし、明治でもやらせてもらったことがありがたい。本当にありがとうございますと言いたい。悔いは残っていないし、今大会で踏ん切りがついた。今後は新体操で学んだことを就職活動等に活かしていきたい」
山本 「1日目は練習段階では落ち着いていたのに、本番では納得のいく演技ができなかった。2日目はなんとしても全日本選手権に行く思いでやった。大きいミスもなくやることはやった。日々練習したことを試合で出せるかが大事で、気持ちの面で落ちているときは練習のしかたも改善しないといけない。特に2日目では点数、結果よりも悔いのない演技をやることに集中していた。今大会のように、大きな大会につながる大会の予選を兼ねていると気にかけてしまうことがある。こういったところは早く抜け出さないといけない。1日目をミスしたことで、2日目の気持ちの切り替えがうまくいった。今後は、4種目すべて気持ちを切らさずやっていきたい」
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