新種⽬・ハーフ競歩に挑む 紫紺の意地/⽇本陸上競技選⼿権⼤会・ハーフマラソン競歩

2026.02.22

 2026 年、神⼾の地で競歩の歴史が塗り替えられた。新種⽬・ハーフマラソン競歩の幕開けとなった今⼤会、従来の世界記録を4⼈もの選⼿が塗り替える超⾼速決着となった。この異次元のスピードレースに、明⼤からは3名が参戦。新距離の洗礼を浴びながらも、紫紺の意地を⾒せ全員が完歩を果たした。


◆2・15 第109回⽇本陸上競技選⼿権⼤会・ハーフマラソン競歩 兼 愛知・名古屋2026アジア競技⼤会 競歩⽇本代表選⼿選考競技会(六甲アイランド)
▼男⼦ハーフマラソン
30 位 櫻井 1時間29分55秒
34 位 ⻑⽥ 1時間31分08秒
48 位 ⼩迫 1時間34分25秒


 号砲とともに⾶び出した先頭集団に、迷わず⾷らいついたのは⻑⽥隼⼈(商3=松⼭⼯業)だった。トップ集団の背中を追い、序盤から積極的な⼊りを⾒せる。「1キロ平均4分5 秒ペースで押していくことを意識した」と振り返った。⼀⽅、⼩迫彩⽃(⽂2=倉敷)と櫻井建太(法3=星稜)は中団に待機。⻁視眈々(こしたんたん)と後半の勝機を伺う対照的な⽴ち上がりとなった。レースが動いたのは中盤付近。先頭集団が世界記録を上回る異常なハイペースを維持する中、⻑⽥は徐々にその差を広げられ始める。中団で脚を溜めていた櫻井と⼩迫がピッチを上げ、じわじわと順位を押し上げていった。
 しかし、ハーフ特有の「魔物」が後半に襲いかかる。上昇気流に乗っていた⼩迫を突如差し込みが襲い、無念の失速。順位を⼤きく落とす苦しい展開を強いられた。⼩迫が粘りの歩きを続ける中、対照的に⽛を剥いたのが3年⽣の櫻井だ。後半になっても衰えない推進⼒で次々と前⽅の選⼿を捉え、ぐんぐんと加速していく。終盤、逃げ切りを図りたい⻑⽥だったが、ここで再びアクシデントが発⽣。⾜取りが重くなり、後退を余儀なくされた。⻑⽥はこの15キロ以降のペース維持を今後の課題に挙げた。⻑⽥をかわし、⼒強い歩きでフィニッシュラインに⾶び込んだのは櫻井。櫻井は、中盤まで安定したラップを刻み、30位でフィニッシュ。「90分切りは100点だと思っていた中で、1時間29分54秒で歩けた」と冷静に振り返った。続いたのは⻑⽥で1時間31分08秒、⼩迫は、1時間34分25秒で執念の完歩を果たした。
 トラブルに⾒舞われながらも最後まで歩みを⽌めなかった⼩迫は悔しさをにじませる。各々が競技の洗礼を受けた形となったが、世界最速の基準を肌で感じた経験、OBの野⽥明宏選⼿(平29商卒=現⾃衛隊体育学校)が世界3位相当の記録で表彰台に上がる姿は、現役勢に⼤きな希望を与えた。この神⼾で得た教訓は、3⽉の全⽇本競歩能美⼤会(能美競歩)や春の関東学⽣対校選⼿権へと引き継がれるはずだ。紫紺の歩みは、次なる勝利への路を確実に踏み締めている。


【下⽥裕也】


⼤会後のコメント
櫻井
――レース中の良かった点を教えてください。
 「半年間、どん底のような状況でうまくいかないことばかりでしたが、まずは⽬標を果たせて良かったです。レース⾯では、設定していた4分15秒ペースを最初から最後まで守り抜き、今の⼒を冷静に⾒定めて展開を作れました。何より、多くの⽅に⽀えられてこの舞台に戻り、現状を⾒せられたことが⼀番の収穫です」

――次戦の意気込みをお願いします。
「次戦の能美競歩は私の地元・⽯川県での開催。お世話になった⽅々に元気な姿を⾒せたいです。競技⽣活もラストイヤー。⼀戦⼀戦が最後だと思って後悔のないよう、ベストを尽くします」

⻑⽥
――練習を振り返っていかがですか。

「⼤学⽣活と競技の両⽴に難しさを感じる場⾯もありましたが、最低限のことはやれました。特に週末のロング歩を毎週⽋かさず継続できたことが、今回の序盤のいい動きに繋がったと感じています」

――今後、主将として競歩ブロックの雰囲気を⾒て、感想などありますか。
「この1年、体調不良などで練習が積めていないメンバーもいました。ブロック⻑としてそこは⾒過ごせないです。チームの底上げをするためにも、⾃分⾃⾝が記録や普段の練習で、いい意味で背中を押していけたらと思っています」


⼩迫
――今回のレースの収穫はありますか。

「残り8キロで差し込み(腹痛)がきましたが、そこでフォームを切り替えたことでペースを戻し、痛みも抑えられました。この対応⼒、フォームの変更は⼤きな収穫です」


――今シーズンの⽬標をお願いします。
「⻑⽥先輩に早く追い付くことです。来年は明⼤の競歩を引っ張る⽴場になるので、へこたれずに練習を継続していきます」