(女子)江川が最後の国スポで有終の美 「指先まで思いを込めて、最後は丁寧に滑ろう」/国民スポーツ大会冬季大会

 国民スポーツ大会冬季大会(国スポ)2日目は、成年女子FS(フリースケーティング)が行われた。福岡県代表の江川マリア(政経4=香椎)が現役最後となる国スポで『トゥーランドット』を熱演し、総合5位に入賞した。東京都代表の住吉りをん(商4=駒場学園)はジャンプにミスが重なり総合6位、同じく東京都代表の奥野友莉菜(商1=駒場学園)は総合15位となった。

◆1・31~2・3 国民スポーツ大会冬季大会 スケート競技会(FLAT HACHINOHE)
▼2・1 成年女子FS

(写真:福岡県として5位に入り、表彰式で名前を呼ばれた江川)

 「(中庭健介コーチが)一番最後に手を握ってくれた。その時に急に緊張がほぐれる感じがあったので、緊張は健介先生に渡して、自分はのびのび滑れたのですごく良かった」。今季限りで現役生活を終える江川は、昨季から継続のプログラム『トゥーランドット』を披露した。1本目のジャンプは前日のSP(ショートプログラム)でミスがあった3回転フリップと3回転トーループのコンビネーションジャンプ。「本当に悔いはないなと思う」とシーズンを通してこだわってきたジャンプをしっかりと着氷した。3本目の3回転フリップは片手をついた着氷になったが、得意のダブルアクセルと3回転トーループのコンビネーションジャンプは「今季の中でも結構いい出来」と出来栄えに満足感を示した。スピンも全てレベル4を獲得し、現役最後の大会となる国スポで有終の美を飾った。

(写真:体調不良でも崩れることなく演技を披露した住吉)

 SPを5位で終えた住吉は「若干空回りしてしまった部分もところどころあった」と反省を見せた。冒頭に挑戦した4回転トーループは「すごく狙いに行ってしまったなという感じで、すごく力んだジャンプになってしまった」と3回転に。それでも続くダブルアクセルと3回転トーループのコンビネーションジャンプは着氷、さらに3回転ループも成功させた。後半のジャンプは回転不足となったものもあったが、転倒は3回転サルコーのみだった。三つのスピンでも全てレベル4を獲得して本来の実力を発揮。得意とするFSで巻き返すことはできなかったものの、万全ではない体調の中でも演技をまとめ上げて総合6位となった。

(写真:ステップで観客を魅了した奥野)

 SP終了後には思うようにいかなかった演技に涙を見せた奥野は、FSでは「余計なことを考えないように」と臨んだ。冒頭の3回転ルッツは回転が抜け1回転になったが、気持ちを切り替え2本目のコンビネーションジャンプはしっかりと着氷する。3本目に跳んだダブルアクセルも成功させ「(ミスは)過ぎてしまったことなので、しっかり切り替えようとは思えていた」と前日の反省を生かした。後半のジャンプは着氷に乱れがあったが、最後の3回転サルコーはなんとかセカンドジャンプをつけることに成功。「今までだったらコンビネーションをつけずにステップに行くところを、今回は1回転トーループではあるがつけられたので、そこは成長したところかなと思う」。演技終盤のコレオシークエンスには客席から拍手が起こるなど、最後まで持ち味の表現力を発揮して『オペラ座の怪人』の世界を演じ切った。

[大島菜央]

試合後のコメント
江川
――滑り込んできた『トゥーランドット』だと思いますが、最後はどんなふうに見せたいと思って今日は挑みましたか。
 「もう本当に一つ一つの動き、指先まで思いを込めて、最後は丁寧に滑ろうと思っていたので、しっかりそれを意識して滑れました。やはり自分の中で代名詞だったダブルアクセル3回転トーループが、今日は今季の中でもすごく、結構いい出来だったので、それが一番満足したことかなというふうに思います」

――今季は感謝の気持ちというのをSPも含めずっと強調していたシーズンだったと思いますが、その感謝の気持ちというのは存分に伝えられましたか。
 「もう本当にこういう気持ちというのは演技でもそうですけど、やはり口にしないと伝わらないということもあると思うので。すごく、自分の言葉でも演技でも、どっちでも伝えられたらいいなというふうにやっていました」

住吉
――体調面はSPよりも回復されましたか。
 「本当に昨日は少しアップの時から頭が痛いし、なんかな、みたいな。でもよくわからなかったんですけど、今日アップですごく動けて、やはり昨日は体調が悪かったんだと自覚して。ということは、今日は体調がいいぞと思って、プログラム中に咳きこんだりもせず通せたので、良かったかなというふうに思います」

――国スポが引退試合となる選手も多いと思いますが、そういったエモーショナルなものもある中で、どういうふうに自分の演技に気持ちを切り替えていきましたか。
 「マリアちゃんのやり切った表情というのを見て、本当に最後なんだと思って、こちらも少しうるっときそうになりながら、でも自分は自分だと思って切り替えて、本当に自分の最初のポーズについたら、完全に集中できたかなというふうに思います」

奥野
――今日の演技を振り返っていかがですか。
 「とりあえず全部(ジャンプを)締めるというのが目標だったんですけど、1本目からタイミングが合わなくて開いてしまったので、それが悔しいですし、そこから切り替えることができなかったので、全体を通して悔しかったと思います」

――最後のステップは観客席からの拍手も起こっていて、奥野選手らしい表現力がすごく発揮されていたと思いますが、そちらについてはいかがですか。
 「やはりSPで2本点数がなくなってしまった時にそれ以外はしっかりやらないと点数が取れないと思って、しっかりやった結果ブロックよりも点数をいただけたので、やはりそこは諦めないでやることが大事なんだなと思ったので、それを今回もしっかりやれたと思います」

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