4年生の意地 対抗戦に続き早明戦勝利/4年早明戦

2025.12.27

 早大上井草グラウンドにて今年度の4年早明戦が開催された。両校の4年生の意地を見せつけるかのような激しい攻防が繰り広げられたが、明大は早大の猛攻をしのぎ切り2617で勝利した。

12・8 練習試合(早大上井草グラウンド)

▼対早大戦

明大26141012−7}17早大

 前半5分、早大ボールのスクラムから素早いアタックを仕掛けられ先制トライを許す。しかし、前半9分、10分にラインアウトとスクラムで立て続けにペナルティーを奪うと、タップキックから大外へ展開し右ウイング渡邉陽平(商4=開志国際)がブレーク。一気にトライライン目前まで迫った。ラックからピックアンドゴーでFWが攻めかかり、最後は右ロック小椋健介(情コミ4=桐蔭学園)がトライ。左ウイング仲間航太(文4=常翔学園)のキックも決まり7−5と逆転に成功する。続く早大の攻撃にも好ディフェンスで対応して得点を許さず。前半18分には相手のミスキックに反応した渡邉が左サイドをブレークし、スクラムハーフ田中景翔(文3=常翔学園)につないで連続トライを奪う。その後は何度も攻守が入れ替わる展開になる。前半29分には明大の蹴ったボールが強風で押し戻されタッチラインを越えずに早大ボールとなると、ディフェンスの乱れから独走トライを許す。両者とも強風によるキックのコントロールやペナルティーに苦しみ思うように攻め切れない展開が続いたが、明大は4点のリードを守り切り14−10で試合を折り返した。

 メンバーを大きく変えて臨んだ後半。後半4分、明大ボールのスクラムから攻撃を仕掛けるもノックフォワード。逆に早大ボールのスクラムから展開力のある早大BKにボールが渡り、自陣への侵入を許す。ディフェンスでターンオーバーし危機を脱するも、ペナルティーを重ねゴール前5メートル地点でのラインアウトのピンチに。モールディフェンスで粘りを見せるも早大BKの攻撃に守備がほつれ逆転のトライを許した。流れを変えたい後半16分、途中交代で入った百武聖仁(政経1=東海大仰星)がピンチでスティールを決める。ラインアウトのモールは得点にはつながらなかったが、アドバンデージを生かしBKへ展開。巧みなパスワークで早大のディフェンスを翻弄(ほんろう)し反則を誘うと、続くスクラムでもペナルティーを獲得。後半24分、ラインアウトからショートサイドを抜けた井本章介(情コミ1=桐蔭学園)がトライを決め、再逆転に成功した。流れを手にした明大はディフェンスでも躍動する。後半27分、早大ボールのモールをディフェンスで制圧すると、逆にペナルティーを獲得。BKの速攻で自陣深くから一気に敵陣に侵入する。さらに、後半30分から一度退いた4年生が再びピッチに入った。勢いに乗る明大はスクラムでペナルティーを獲得すると、ゴール前でフェーズを重ね最後は井本が今日2本目のトライを挙げた。仲間のキックも決まり26−17。残りの時間も最後まで粘りのディフェンスで早大に圧力をかけ、そのまま得点を許さずノーサイドとなった。

 4年生の”早明戦”も関東大学対抗戦に続き勝利した明大。「4年生メインで、しかも最後の練習試合だったのでみんなめっちゃ気合入れて、絶対に勝とうという気持ちで臨んだ」(小椋)。両校の4年生の意地がぶつかり合い白熱した試合となった。「お互い4年生中心の試合なのでこういうタイトなゲームになるとは思っていた。最後自分たちがうまく得点重ねて勝つことができてよかった」(ゲームキャプテン・フルバック山川遥之・営4=尾道)。日本一に向けた戦いもいよいよ大詰め。4年生全員でつかんだ今日の勝利は『完遂』の大きな糧となるだろう。

[加藤晃誠]

試合後のコメント

山川

――今日の試合のテーマを教えてください。

 「テーマは4年生全員で決めて、今までの4年間で培ってきたことってなんだろうと考えた時に、やっぱり接点の部分で早稲田は早いテンポなのでそれをゆっくり遅らせるために接点を(テーマに)掲げました」

左プロップ伊藤潤乃助(文4=常翔学園)

――今日のスクラムはいかがでしたか。

 「スクラムは自分たちが積み重ねてきたことをやろうということを事前から言っていて、それをちゃんと4年生が中心となって引っ張ることができたと思います」

小椋

――まだまだ全国大学選手権も続きますが意気込みをお願いします。

 「準決勝、決勝がまだあって、それはAチームだけじゃ絶対に勝てないと思うので、Bチームであったり、チーム一体となって優勝に向けて全員でまとまってやっていきたいです」

スタンドオフ川村心馬(法4=函館ラ・サール)

――今日の試合を振り返っていかがですか。

 「前半は少し緊張もあってうまくいかないところもありましたが、後半最後の10分間でピッチに戻った時は、4年生の意地というか、やってきたこと最後出し切ろうと思って、そこは4年生全員が出し切れたと思います」