慶大に貴重な勝利挙げる/2009静岡ラグビーフェスティバル

1999.01.01
 学生相手に対し、春のオープン戦では全勝対決で迎えた宿敵、慶大。「学生相手には負けない!」(鎌田・法4)という熱い決意のもと挑んだ。

 「試合の入りから、気合を入れていった」(鎌田)という言葉の通り、試合が動いたのは前半開始3分。ショートパスを受けた衛藤(営3)がステップで相手ディフェンスを置き去りにし、先制のトライ。これにより完全に流れは明治のものとなり、慶大に猛攻を仕掛ける。相手の攻撃を上手く止めつつ、田村(文3)の精度の高いキックで確実に前進。高い位置でラックをつくることで、優位に試合を進めていった。そして、前半33分。ラックからフォワードが縦に繋いだボールを鎌田がトライ。勢いは止まらない。前半終了間際、ハイパントからタックルで奪ったルーズボールを繋ぎ、西原(政経4)がトライを決め、21-0。ゴールキックも3本とも確実に沈め、前半完封と理想的な状況で前半を折り返す。

 後半も前半のような試合展開が期待された。しかし後半、「後半は疲れてしまった」(衛藤)と体力の切れた明治は全体が機能的に動く慶大に翻弄(ほんろう)され、前半とは逆に、自陣奥深くでプレーされてしまう。

 後半5分。ラックから右サイドにボールが流れあっけなくトライを奪われる。その後、明治の攻撃が増えたが、粘り強い慶大ディフェンスに阻まれ、トライまでにはいたらない。少しでも点数を稼ぎたい明治はペナルティキックを選択。田村が確実にペナルティーゴールで3点をもぎ取った。

 そして後半30分。サイドに出たボールに対しカバーが遅れ、またもや慶大にトライを奪われる。ここから明治にとって我慢の10分間が始まった。果敢に攻める慶大に何度も、あわやトライという状況まで追いつめられる。結局、後半終了間際にもう1トライ追加されるが、ここでホイッスル。後半慶大の猛攻に遭うが前半のリードを守りきり、明治は24-21で勝利を収めた。

 前半に21点もの差をつけ折り返したのにもかかわらず、3点差までつめられたのは課題の一つに挙げられる。「今日はまだまだ。セットプレーが安定しなかった。これから改善していく」(鎌田)。

 しかしここ数年で相性が良くなかった慶大への勝利は4年生にとってもこれが初めて。「慶大に勝てたのはうれしい。今年学生相手には負けていない。次の早明戦にも勝って、秋の早明戦にもつなげたい」(鎌田)と次の試合へ向けて闘志をたぎらせた。

 「早稲田には我々が強いという意識を持ってもらった上で試合をしてもらう」(吉田監督)と永遠のライバル・早稲田相手に自信を見せた。今週末の早明戦では進化した明治のラグビーで去年のオープン戦の雪辱(せつじょく)をはらしてくれるはずだ!

~選手のコメント~
伊吹
「慶応はDFからくるチームなので、こっちも二次、三次攻撃までしっかり止めてDFから流れをつくりたかった。早稲田戦は後半今日みたいにならないようにしたい。セットプレーが安定したらもっといけると思う」。

神田
「勝ったことは正直にうれしい。慶応のスクラムは強かったので押せなかったけど、ペナルティーをもらってトータルでは勝っていたと思う。早稲田戦は勝つために自分の仕事をしっかりしたい」。

衛藤
「後半は個人個人でいってしまい、組織的にバラバラになってしまった。相手のキープレーヤーが後半から出てきたけどしっかり止めないといけない。BKのテーマはゲインラインを切ることだったけど、後半は疲れてしまったのでもっとできることをしっかりやらないといけない」。

[石川雄治]