佐々木圧巻! 大会新記録で5000メートル制覇/全日本選手権

 ミラノ・コルティナ五輪に向けた最後の代表選考会となる、第93回全日本選手権が長野県のエムウェーブで開幕。佐々木翔夢(政経2=小海)が男子5000メートルで2位と2.32秒の差をつける圧巻のパフォーマンスで優勝を果たし、大会記録を更新した。

 ◆12・26~28 全日本選手権(エムウェーブ)
▼男子5000メートル
佐々木――1位、6分20秒66

 10月の全日本距離別選手権で優勝、11月のワールドカップでは日本新記録を樹立するなど、今季5000メートルで安定した結果を残してきた佐々木。この日は8組目として出場し、序盤からラップタイム30秒を切るハイペースでレースを展開した。「最初のラップから感覚が良かった」と語る通り、理想的な滑り出しを見せた。

 しかし中盤以降、徐々にペースが落ち始めた。「疲労なのか分からないが、感覚がズレてしまった」と、2600メートル地点以降はラップタイムが30秒台に。それでも王者の貫禄を見せた佐々木は、大きく崩れることなく粘り切り、最終的には大会記録を更新しての優勝。結果だけを見れば完璧な内容だが、本人の表情は決して満足そうではなかった。「うれしいというよりは悔しい気持ちだった」。五輪代表選考という重圧の中で、自身に求めていたのは勝利以上の内容だった。「優勝は大前提。自分との勝負だった」と、あくまで高い基準で自らを評価する。

 今大会は五輪出場を懸けた重要な一戦。5000メートルでの優勝により出場の可能性を高めた一方で「まだ何も決まっていない。この大会で結果を出した人がオリンピックに行ける」と冷静に語った。佐々木は翌日に行われる1500メートルにも出場する。全日本距離別選手権では転倒し、失格という悔しい結果に終わっただけに、今度こそ自らの滑りを貫き、雪辱を期す。

[李翔恩]

試合後のコメント
佐々木
――レースを振り返っていかがでしたか。
 「最初のラップは感覚が良かったのですが、途中から徐々に落ちてしまいました。優勝はできましたが、もっとキープできる力が必要だと感じています。自分との勝負という意味では、まだ課題の残るレースでした」

――五輪出場が懸かっている一戦でした。
 「SS標準(6分12秒65)を狙っていた分、かなり緊張しました。ワールドカップ3戦目から少しずつ良くなってきている感覚はありますが、まだ何も決まっていません。この大会で結果を出せたら自信になりますし、緊張した中でもいつも通りにやれるように頑張りたいと思います」