アディショナルタイムに反撃もPK戦で力尽く 悲願のタイトル獲得ならず/全日本大学選手権

2025.12.24

 決勝ラウンドを勝ち抜いた上位2チームがトーナメント形式で戦うノックアウトステージ。負ければ敗退の一戦は両者の意地がぶつかり合い、PK戦にまでもつれ込む激闘となった。藤井の好セーブはあったものの、惜しくも勝利を逃し、ベスト8で幕を閉じた。

 高まる闘志とともに試合開始のホイッスルが鳴った。しかし開始わずか3分、ペナルティーアーク付近から放たれた相手のキックが、ゴールに吸い込まれる。「スーパーシュートではあったが、どんなシュートであれ3分で失点というのはあり得ない。完全に相手の方が勢いを持ってきた中でそれを受けてしまった」(桒原)。点を決められた後も相手の勢いを止めることはできず、試合の主導権を握られてしまう。

(写真:攻守で存在感を見せた内山)

 今季試合後半で立て直す場面が目立った明大はこの日も巻き返しを図る。「ダブルボランチの小林さんと前半は距離が遠かったので近くしたり、相手のボランチがマンツーマンで捕まえに来ていたので、ちょっと低い位置取って、相手のライン間のところを空けるイメージにしたりするとサイド攻撃も結構出てきて、そこの修正はうまくいった」(桒原)。次第に明大の攻撃もつながり、積極的にゴールを狙う。そして試合最終盤の残り時間3分となった96分、左サイドからのCK(コーナーキック)に「いいボールが来たので、もうとにかく決めることだけを考えて飛んだ」(藤井)。守備位置のゴールエリアから敵陣に攻め込んでいた藤井がヘディングで押し込むと、これがゴールに突き刺さり土壇場で同点に追いつく。

(写真:藤井の劇的弾)

 その後試合は延長となったが30分間で両チームとも得点を決めることはできず。「チームが悔いのないように」(小林)。試合はPK戦へと突入した。両チーム3人目までを終えて2-2。続く4人目は明大が外し関西学大は成功となる。先攻の明大は5人目が決め望みをつないだが、選手たちの祈りは届かず3-4で敗れた。

(写真:藤井が圧巻の好セーブ)

 〝貫徹〟をスローガンに突き進んできた島野組の戦いが終わった。「今シーズン通して後輩たちに助けられた試合も多かった。なかなか明治の基準を超えていくという部分はできなかったが、後輩たちは3年生筆頭に絶対日本一達成できると思うし、また強い明治を取り戻せると思うので、自分たちの力を信じて妥協せずやり続けてほしい」(島野怜主将・法4=仙台育英)。託された4年生の想いを背負い、下級生は来季へ向かう。

[吉㟢帆奏]