三浦ミラノ五輪代表決定! 全日本3位で3枠目を獲得/ミラノ五輪代表選手発表
来年2月にイタリアで開催されるミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪(ミラノ五輪)の代表に三浦佳生(政経2=目黒日大)が選出された。多くの選手が憧れる4年に一度の大舞台。21日に閉幕した全日本選手権(全日本)での表彰台入りや今シーズンのGPシリーズ(グランプリシリーズ)の成績などに基づいた選考を経て代表に選ばれた。
昨シーズンはGPシリーズNHK杯のFS(フリースケーティング)の失速から表彰台を逃し、さらに全日本でもケガの影響で思うような演技を披露できなかった。大学1年目というフレッシュなシーズンで失意に沈んだ三浦だったが、ミラノ五輪を控える今シーズンは気持ちを新たに臨んだ。
三浦はGPシリーズ初戦のフランス大会に出場した。SP(ショートプログラム)では冒頭に4回転サルコーと3回転トーループのコンビネーションを跳ぶと、GOE(出来栄え点)3.74の高い加点を得た。続くトリプルアクセルはステップアウトになったが、最後の4回転トーループは何とかこらえて着氷した。スピンでは全て最高評価のレベル4を獲得し、SP3位で発進。しかしFSは前に滑走したアダム・シャオ・イム・ファ(フランス)の演技に沸く会場の雰囲気にのまれ「6分間(練習)までの自分と別人のような感じになってしまった」と語った。冒頭の4回転ループが抜けて2回転になると、その後もジャンプの乱れが重なった。さらにスピンが要素を満たせず0点となってしまうなど、得点を伸ばせなかった。それでも最後には3回転フリップと3回転サルコーのコンビネーション、3回転ループとダブルアクセルのコンビネーションを成功させてリカバリーを図るなど、諦めない姿勢を見せた。SPから一転、FSは122.32点と、総合10位に終わった。
「スケートカナダ(カナダ大会)で駄目だったらオリンピック(出場の可能性)は終わっていた」。前回のフランス大会の結果からGPファイナル(グランプリファイナル)への出場は厳しくなったが、表彰台入りすれば五輪代表内定の可能性も残るという中、臨んだGPシリーズ2戦目のカナダ大会。SPは1本目の4回転サルコーと3回転トーループをしっかりと着氷し、さらにフランス大会ではステップアウトとなったトリプルアクセルもGOE2.86の華麗な着氷を見せた。最後の4回転トーループはステップアウトになるも、ステップシークエンスがレベル4評価となるなど確かな復調を見せた。FSは昨シーズンのプログラム『シェルブールの雨傘』に戻して挑んだ。後半のジャンプは着氷が乱れてしまったものの、見事に演技をやり切った。フランス大会の悔しさを糧に滑り慣れたプログラムで163.89点を記録し、総合3位で銅メダルを獲得。GPファイナルの出場はかなわなかったが、2戦目で表彰台に食い込み、五輪への道を残した。
三浦は昨シーズンに比較して、メンタルトレーニングに力を入れていたという。「正直メンタルなんてあまり関係ないだろう、今までは気持ちでいけばいけるみたいな感じだったが、試合の運び方のトレーニングなのだと改めて気づいた」。心を乱されず〝ご機嫌〟な状態を保つ練習を重ねて「例えばSPが駄目だった時も良かった時も、自分ができることに集中する」。昨シーズンから苦戦が続く中で、三浦はケガからの復帰だけにとどまらず、メンタルの面でも新たな境地を迎えつつある。
万感の思いで臨んだ全日本はSPを会心の演技で2位発進。FSはミスこそあったが、冒頭の4回転ループを着氷するなど今シーズンを振り切るような演技で総合3位に入った。「三浦佳生という選手をもっともっと自分自身で追い込んで、這い上がって。優真(鍵山・オリエンタルバイオ/中京大)と駿(佐藤・政経4=埼玉栄)と今回3人で(表彰台に)乗れたことはうれしいが、さらに自分も上手になって、2人にさらに追いついていきたいと思う」。ジュニア時代から励まし競い合ってきた3人がともに五輪へという夢をかなえ、世界へと飛び立つ。
[大島菜央]
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