〝火の鳥〟天高く舞う 佐藤渾身のFSで銅/GPファイナル
大会2日目の12月6日、男子F S(フリースケーティング)が行われ、S P(ショートプログラム)で2位の佐藤駿(政経4=埼玉栄)は、パーソナルベストとなる194.02点でFS3位につけ、総合3位入賞。大歓声を巻き起こし、ガッツポーズで締めくくった。
◆12・4〜6 GPファイナル(I Gアリーナ)
▼12・6 シニア男子F S

「最後まで高く飛ぶ『火の鳥』を見てほしい」。入場時のビジョンに映し出されたコメントでそう意気込んだ佐藤が、会心の演技で大観衆を沸かせた。前滑走者のイリア・マリニン(アメリカ)が6種7本の4回転ジャンプを成功させ会場をどよめかせた直後の演技。総合332.29点を耳にしたものの「緊張を力に変えることができた」と動じる様子は見せず。演技前に頬を両手で軽くたたき、鋭い眼差しを見せた佐藤は圧巻のジャンプで空気を一変させる。冒頭の4回転ルッツはGOE(出来栄え点)2.14を記録すると、続くコンビネーションジャンプ、4回転ー3回転のトーループでも2点台を連発。「ルッツが決まった後からすごく落ち着いてできた。プログラム全体としても、ジャンプ以外の部分もいつも以上に動けていた」と笑顔で話したように、スピン、ステップでも全てレベル4を獲得した。
演技後半にかけても安定感を失わず。しなやかに腕を振るコレオシークエンスで、演技後には大きく手を振り上げ喜びを爆発させた。日下匡力コーチからは「『本当にすごい』とたくさん言ってくださった」と言葉をもらったと言い、キスアンドクライでは抱き合って歓喜の瞬間を迎えた。
総合得点も290点超えを達成し、FSと合わせパーソナルベストを記録した。「気持ちの面で成長できている」と話す佐藤は、早くも次を見据えている。「昨シーズンの全日本(全日本選手権)ではとても悔しい思いをしたので、そのリベンジを果たせるような演技を出したい」。大台の300点超えを一気に手繰り寄せた〝火の鳥〟は、全日本へ向け加速している。
[橋本太陽]
演技後の囲み取材より
佐藤
ーーご自身のどのあたりが成長していると思いますか。
「気持ちの意味で成長したのかなと思っていて。昨シーズンの世界選手権を経験してからメンタル面であったりがすごく強くなったなと。今回も緊張していたんですけど、普段だったら萎縮してしまって冒頭のルッツを転倒してしまったりするんですけど、そこをしっかりとノーミスの演技ができたことは大きいかなと思います」
ーー佐藤選手にしてはめずらしく、感情を爆発させました。
「緊張もすごくありましたし、表彰台に乗りたいという強い気持ちもありました。その緊張の中でいい演技ができたのはものすごくうれしかったです」
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