1部定着とその先へ/関東学生対校選手権
午前は本学が出場する3種目のうちの2種目が行われた。最初に行われたハーフマラソン決勝は、本学からは北條、遠藤、小林(優)の3選手が出場した。レースは序盤から数人が飛び出した以外は中盤までは集団が崩れることがなく、その中で3選手とも好位置につけていた。中盤に差し掛かり、徐々に遅れる選手が出てきたが本学の選手はペースを乱すことなく食らい付いていた。しかし、スパートをかけることができず、集団からなかなか抜け出せないままフィニッシュし、惜しくも入賞を逃した。
「ハーフはちょっともったいなかったね。北條は入賞できると思ったのだけど」と山本コーチが語ったように、入賞が期待されていただけに選手たちも、「レースが下手だったという結果」(北條)、「全体的に力不足だったなという感じ」(遠藤)、「(1部残留のために)ポイントを取りたかったが、入賞争いに加われず、残念で悔しい」(小林・優)と悔しさをにじませた。
次に行われた800m決勝は、先に行われたハーフマラソンの結果を受け、高得点が期待された。本学は短距離部門では順位を伸ばせずにいたが、「たまっていた力が出た」と遠藤監督が話したように、今回の活躍は今までの結果を払拭するようなものであった。
本学からは粟津、石丸の2選手が出場。レースはダニエル(日大)がスタートから飛び出した以外はほぼ団子状態で、1周目は全体的にペースが速かったために目立った動きもなく、2選手とも真ん中に位置づけていた。残り250mに差し掛かったあたりで粟津を含めた数人がレースを仕掛ける。ラストは頭ひとつ抜けるかどうかの接戦となったが、それを制した粟津が3位入賞と貴重なポイントを勝ち取った。「今回はスタートする前から余裕があって、状態が高校時代のインターハイと同じような感じだった。明大記録にわずかなところで追い付かなかったが、今日はかなり楽しく走れた」(粟津)。全国レベルの大会には初めて出場した石丸も「課題はあるが関カレの決勝の場に立てて自信になった」と話した。
午後に行われた最後の種目、5000m決勝は、「残留を目標としていたので」(石川主将)、「残留が懸かっていたので緊張した」(松本(昂))とあるように、残留か降格かを分ける運命の一戦であった。
先週の10000mと同様、ダニエル、柏原(東洋大)などのトップレベルの選手たちが出場する注目のレースであり、力はほとんど互角で誰が入賞するか読めないものだった。本学からは石川主将、松本(昂)、鎧坂の3選手が出場。レースは終始ダニエルと柏原のトップ争いを展開。明大勢は前方に松本(昂)、後方に石川主将と鎧坂が位置付ける。大きく動いたのはレース終盤に入ってからだった。石川主将は落ちてきた深津(駒大)や高橋(城西大)らを抜き去るとそのまま早川(東海大)、村澤(東海大)をも抑え、柏原との2位争いに転じる。先週の松本(昂)と柏原の争いを彷彿とさせる、この手に汗握るスプリント勝負には会場の声援も一気に大きくなった。しかし、先行したアドバンテージを生かし勝負を制したのは柏原。3位ながらも、残留を決定付ける6ポイントを獲得した石川主将は右手を挙げ、喜びをかみしめた。「キャプテンとしてできる限りのことをしようとしたら結果として残留につながった」(石川主将)。主将らしく大きな仕事をやってのけた。
「石川がラストの勝負まで残れてびっくり。全体的にタイムは良かった。」(山本コーチ)、「チームとして1点でも取れるように臨んだ。残留はすごくうれしい」(鎧坂)、「体調が良くなかったが最低限はできた」(松本(昂))。
この結果、レースと同様に混戦だった降格争いにも終止符が打たれた。
2週にわたって行われた関東インカレ。本学は昨年、同大会で1部復帰を果たしたが、「初日はひやひやした」と西駅伝監督が話したように、1日目は本来の力を発揮できず悔しい結果が続いた。しかし、2日目以降は着実にポイントを重ね、石川主将、松本(昂)、粟津の3選手は3位入賞と表彰台に上ることができた。そして、石川主将は5000mで、松本(昂)は10000mでそれぞれ明大記録を更新。本学が1部でも通用するという証明になったが、定着に向けてクリアしなければいけない課題はたくさんある。
来月には三大駅伝大会の全日本大学駅伝の予選会を控え、遠藤監督は、「全日本の予選から、出雲、伊勢、そして最終は箱根の上位入賞とステップアップさせていく」と語り、選手からも、「面白いレースができると思う」(石川主将)、「自己ベストを目指す」(松本・昂)、「挑戦者という気持ちで臨みたい」(鎧坂)など力強い言葉が出た。
合言葉は「予選通過とその先へ」、レース展開は「混戦」ではなく「独走」を期待する。
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