悲願の全日本出場も 関西の牙城崩せず/全日本大学選手権
秋季リーグ戦を2位で終え、全日本大学選手権(全日本)の舞台へと駒を進めた明大。初戦は関西の強豪・関大が立ちはだかった。開始直後、相手の意表を突くキックオフで攻撃権を奪い先制。勢いに乗ったかと思われたものの、その後は関大の強固なランと巧みなパスで試合の主導権を奪われる。後半も差を縮めようとQB#15新楽圭冬(商4=都立戸山)を中心としたパスで攻め込むも、追いつけず。夢の全日本の舞台は悔しくも初戦で幕を閉じた。
◆11・8~12・14 全日本大学選手権(富士通スタジアム川崎他)
▼11・22 対関大戦(富士通スタジアム川崎)
明大28{6-21、15-6、0-8、7-7}42関大○
試合開始直後、先手を取ったのは明大だった。キックオフで関大のミスを誘い、敵陣50yd付近から攻撃権を得ると、新楽からWL#19五十嵐弘毅副将(文4=狭山ヶ丘)への約50ydのロングパスが決まり、そのままTD(タッチダウン)。明大側スタンドは大きな歓声に包まれた。勢いに乗り、このまま主導権を握りたい明大だったが、ここから関大OFの反撃が始まる。精度の高いショートパスで自陣深くまで攻め込まれると、空いた右サイドをランで突破され、早々に逆転を許す。流れが変わった第1Qは、関大の巧みなパスプレーに対応できず、明大は21点を献上してしまった。逆襲を狙う第2Q。「周平(高橋主将・文4=足立学園)のランを止めに来ているなとは最初から感じていた。前に人を集めて圧力をかけてきていたが、その分後ろが空くので、そこはパスで決めないといけない」(新楽)と関大DFがエースRB高橋周を警戒して前方を固めている状況を冷静に分析し、パス中心の攻撃へ切り替えた。この判断が功を奏し、新楽はパスで2本のTDを奪取。開いていた点差を1TD差まで縮め、明大は再び試合を射程圏内に捉えた。
迎えた後半戦。反撃に燃える明大だったが、関大の攻撃は止まらない。序盤に2度のTDを許し、縮めた点差は再び広げられる。それでも、新楽のスクランブル、WL#11後藤珠(政経2=千葉日大一)へのパスなどでファーストダウンを5度更新。着々と陣地を広げ、ゴールラインまで約18ydまで攻め込んだ。そして試合終了まで残り5分2秒、新楽からTE#89金子航大(政経4=千葉日大一)へのTDパスが成功。最後まで諦めずTDを奪った。しかし明大は中盤に大きく広げられた点差を返すことができず敗戦。悔しくも全日本の舞台はここで幕を閉じた。
今試合をもって4年生は引退となる。2年時からエースQBとしてチームの主力を担ってきた新楽は「同期に支えられてここまで来られた。同期には感謝しかない」と試合後には悔しさから目に涙を浮かべた。一方で「人生で初めてパス4本のTDを取れた。それがすごく4年間の集大成として出たのかなと思う」と4年間の成長を笑顔で振り返った。全日本の舞台は終わったものの来年以降もグリフィンズの挑戦は止まらない。新グリフィンズで再び全日本の舞台に上がれるか、期待が懸かる。
[杉山瑞希]
試合後のコメント
新楽
――高橋周選手がなかなか走らせてもらえない状況でどのように戦略を組み直しましたか。
「周平のランが出なかった部分はあったのですが、それでも僕は周平をずっと信じてボールを渡し続けました。それでも簡単に叶わなかったのは悔しかったのですが、試合のランが出ないということは自分がパスを出していかなきゃいけなかったので、そこを意識してやっていました。後半以降はほとんどパスでTDを取れたのでそこはすごくはまった作戦だったかなと思います」
――MIPを受賞されたことに関してはいかがですか。
「素直にめちゃくちゃうれしいなという気持ちがあります。やはりMIPは印象に残った選手ということで記録よりも記憶に残る選手になれたというのが自分的にはすごく良かったです」
関連記事
RELATED ENTRIES

