周藤総合4位! 2年ぶり全日本選手権の切符つかむ/全日本ジュニア選手権

 全日本ジュニア選手権(全日本ジュニア)の最終日にはジュニア男子FS(フリースケーティング)の演技が行われ、周藤集(政経1=ID学園)が133.87点をマークし総合4位につけた。23日に行われたSP(ショートプログラム)で5位となり、最終グループ入りを果たすと、24日のFSでは、大きなミスなくまとめ切り今シーズンの自己ベストを更新。12月に行われる全日本選手権への切符をつかみ取った。

◆11・22~24 全日本ジュニア選手権(辰巳アイスアリーナ)
▼11・24 ジュニア男子FS

 フィニッシュポーズを決めた後、小さく頷いた。昨シーズンの同大会は総合10位と振るわず、涙を流しながらインタビューを受けた周藤。「すごく悔しい思い出。(全日本ジュニアで)リベンジをしたいと思って(シニアに行くのを)やめた」と語るように、ジュニア残留を決めるきっかけともなった。決死の思いで挑んだジュニア集大成の今大会は、総合4位。「現状では満足いく演技ができた」と晴れやかな表情で振り返った。

(写真:表現力で見せた周藤)

 冒頭のトリプルアクセルはこらえながらの着氷となるも、2本目のトリプルアクセルのコンビネーションジャンプは加点の付くジャンプとなった。さらに、前大会の東日本選手権(東日本)では取り入れていなかった3回転サルコーとダブルアクセル2本のジャンプシークエンスを演技後半に着氷。TES(技術点)は東日本の57.66点から大幅に伸ばし、68.27点を記録した。「演技自体は(SP、FS)両方久しぶりにまとめることができたので、納得できている」と安堵(あんど)の表情を浮かべた一方で「また表彰台に登りたいという気持ちはとても大きかった。でもそれはライバルたちが自分よりも強かったというだけなので、この悔しさを今後の試合につなげていけたら」と前を向いた。

(写真:ハイドロブレーディングを披露する周藤)

 今大会の結果を受け、ジュニア推薦枠として全日本選手権の出場権を勝ち取った。周藤にとっては2年ぶりとなる国内最高峰の舞台。2年前はSPをノーミスで滑り切ったものの、翌日の公式練習で骨折しFSは棄権となった苦い記憶が残る。「今年はFSもしっかり出て、いい順位を取って来シーズンにつなげていきたい」とリベンジに向けて闘志を燃やした。

[髙橋未羽]

試合後のコメント
周藤
――SPもFSも安定してできたということは、ここまでの練習がすごく良かったという感じですか。
 「この2カ月間くらい、本当に自分史上一番追い込んで練習してきたんですけど、SPの時点では言わなかったんですけど、2週間前くらいにインフルエンザに罹ってずっと寝込んでいたので、それでジャンプが思うように朝の練習はいかなかったです。それでも自分がケガから1年半どれだけ追い込んできたかを思い出して、そこだけ自信もって、今回挑みました」

――最後の全日本ジュニアが終わりましたが、ジュニアで戦ってきた期間はいかがでしたか。
 「ジュニアグランプリだったり、海外の試合だったり、いろいろな試合を経験してきて、悔しいことが多かったジュニア時代だったんですけど、たくさん経験をさせていただいたので、そこはとても自分の大きな経験になりますし、今後につながると思っています」

――来シーズンのシニアに向けてこれから強化していきたいと思う部分を教えてください。
 「いろいろな要素があるんですけど、一つは4回転と全てのエレメンツの加点です。やはり今シーズンいろいろな選手のジュニアグランプリだったりを見ていて、加点がたくさんつく選手はちょっとのミスをしたとしても全然優勝できたり、いい順位に入れるので加点の付くジャンプと4回転が今自分のカギだと思います」